(01)
① 象がゐる=象はゐて、象以外はゐない。
② 龍はゐる=龍はゐる。
である、といふ風に、仮定する。
然るに、
(02)
① 地球上には、象以外に、人間もゐるし、犬もゐるし、馬もゐるし、鳥もゐるし、魚もゐるし、・・・・・・。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 象がゐる=象はゐて、象以外はゐない。
といふ「意味」であると、仮定すると、例へば、
① 象がゐる=今、目の前に、象がゐる。
といふ「意味」であると、せざるを得ない。
従って、
(03)により、
(04)
① 龍がゐる。
とするならば、
① 龍がゐる=今、目の前に、龍がゐる。
といふ「意味」であると、せざるを得ない。
然るに、
(05)
② 龍は架空の動物ではなく、何処かに、実在する。
といふのであれば、
① 今、目の前に、龍がゐる。
といふ「意味」ではない。
従って、
(01)~(05)により。
(06)
① 龍_ゐる=今、目の前に、龍がゐる。
② 龍_ゐる=龍は架空の動物ではなく、何処かに、実在する。
といふ「等式」が、成立するために、必然的に、
① 龍がゐる=今、目の前に、龍がゐる。
② 龍はゐる=龍は架空の動物ではなく、何処かに、実在する。
でなければ、ならない。
従って、
(01)(06)により、
(07)
① Aがゐる(た)。
と言へば、
① 時間と場所を限定し、尚且つ、
① A以外はゐない(なかった)。
といふ「意味」になる。
従って、
(08)
① 昔々(といふ特定の時間)の、ある所(という特定の場所)に、お爺さんとお婆さんはゐたけれど、お爺さんとお婆さん以外は、ゐなかった。
といふことを、「確認」したいのであれば、
① 昔々、ある所に、お爺さんとお婆さんが住んでゐました。
と、 言ひ、
② 昔々、ある所に、お爺さんとお婆さんは住んでゐました。
とは、言はない、ことになる。
然るに、
(09)
① お爺さんは山に、薪を集めに行き、お婆さんは川へ、洗濯をしに行きました。
② お婆さんは山に、薪を集めに行き、お爺さんは川へ、洗濯をしに行きました。
に於いて、
① であれば、「桃太郎の話」と「同じ」であるが、
② であれば、「お爺さんの行き先と、お婆さんの行き先」が、「桃太郎の話とは、逆」である。
然るに、
(10)
②(お爺さんではなく)お婆さん_山に、薪を集めに行き、(お婆さんではなく)お爺さん_川へ、洗濯をしに行きました。
であるならば、
②(お爺さんではなく)お婆さんが山に、薪を集めに行き、(お婆さんではなく)お爺さんが川へ、洗濯をしに行きました。
といふ風に、言ふのが「普通」である。
従って、
(11)
②(お爺さんではなく)お婆さん_山に、薪を集めに行き、(お婆さんではなく)お爺さん_川へ、洗濯をしに行きました。
といふことを、「確認したい」場合は、
① お爺さんは山に、薪を集めに行き、お婆さんは川へ、洗濯をしに行きました。
とは言はずに、
② お婆さんが山に、薪を集めに行き、お爺さんが川へ、洗濯をしに行きました。
といふ風に、言ふことになる。
従って、
(11)により、
(12)
① お爺さんは山へ行きました=お爺さんは山に行きました。
① お婆さんは川へ行きました=お婆さんは川へ行きました。
② お爺さんが山へ行きました=お爺さんは山に行き、お爺さん以外(お婆さん)は、山に行きませんでした。
② お婆さんが川へ行きました=お婆さんは川へ行き、お婆さん以外(お爺さん)は、川へ行きませんでした。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(11)(12)により、
(13)
① Once upon a time, there lived an old man and an old woman.The old man went to the mountains to gather wood, and the old woman went to the river to do the washing.
② Once upon a time, there lived an old man and an old woman.The old woman went to the mountains to gather wood, and the old man went to the river to do the washing.
に於いて、
① ではなく、
② であるならば、
② 昔々、ある所に、お爺さんとお婆さんが住んでゐましたが、お婆さんが山に、薪を集めに、そして、お爺さんが川へ、洗濯をしに行きました。
といふ風に、言ふことになる。
従って、
(13)により、
(14)
② お爺さんとお婆さんが=an old man and an old woman。
② お婆さんが=the old woman。お爺さんが=the old man。
である。
従って、
(14)により、
(15)
「は・が」の「違ひ」は、「不定冠詞(未知)・定冠詞(既知)」の「違ひ」相当する。
といふことには、ならない。
従って、
(16)
「が」は未知のものを受け、「は」は既知のものを受ける。
例えば、「むか~し昔、あるところに、おじいさんとおばあさんガいました」と言ったとき、このおじいさんとおばあさんは、突然登場した未知の人です。
でも、「おじいさんハ山へ芝刈りに、おばあさんハ川へ洗濯に行きました」と続けた時、このおじいさんとおばあさんは、名前は知らないけど、既に出てきた既知の人です。
(文章の危機管理コンサルタントが日本語について考える)
といふことに、ならない。