日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(172)「量化子の関係」について。

2019-04-14 19:48:08 | 論理

(01)
{a、b、c}が「変域(ドメイン)」であるとして、
 ∀x{∀y(Fxy)}={∀y(Fay)&∀y(Fby)&∀y(Fcy)}=
 ∀x{∀y(Fxy)}=(Faa&Fab&Fac)&(Fba&Fbb&Fbc)&(Fca&Fcb&Fcc)
従って、
(01)により、
(02)
~∀x{∀y(Fxy)}=
~{(Faa&Fab&Fac)&(Fba&Fbb&Fbc)&(Fca&Fcb&Fcc)}
~(Faa&Fab&Fac)∨~(Fba&Fbb&Fbc)∨~(Fca&Fcb&Fcc) :ド・モルガンの法則
(~Faa∨~Fab∨~Fac)∨(~Fba∨~Fbb∨~Fbc)∨(~Fca∨~Fcb∨~Fcc):ド・モルガンの法則
然るに、
(03)
∃x{∃y(~Fxy)}=
{∃y(~Fay)∨∃y(~Fby)∨∃y(~Fcy)}=
(~Faa∨~Fab∨~Fac)∨(~ba∨~Fbb∨~Fbc)∨(~Fca∨~Fcb∨~Fcc)
従って、
(02)(03)により
(04)
~∀x{∀y(Fxy)}=(~Faa∨~Fab∨~Fac)∨(~Fba∨~Fbb∨~Fbc)∨(~Fca∨~Fcb∨~Fcc)
∃x{∃y(~Fxy)}=(~Faa∨~Fab∨~Fac)∨(~Fba∨~Fbb∨~Fbc)∨(~Fca∨~Fcb∨~Fcc)
従って、
(04)により、
(05)
① ~∀x{∀y(Fxy)}
③ ∃x{∃y(~Fxy)}
に於いて、
①=③ である。
従って、
(05)により、
(06)
{人間}が「変域(ドメイン)」であるとして、
① ~∀x{∀y(愛xy)}=自分自身をも含めて、すべての人が、すべての人を愛してゐる。といふわけではない。
③ ∃x{∃y(~愛xy)}=自分自身をも含めて、ある人は、ある人を、愛してゐない。
に於いて、
①=③ である。
然るに、
(07)
③ ∃y(~愛xy)=(~愛ay∨~愛by∨~愛cy)
② ~∀y(愛xy)=~(愛ay&愛by&愛cy)=(~愛ay∨~愛by∨~愛cy):ド・モルガンの法則
従って、
(06)(07)により、
(08)
① ~∀x{∀y(愛xy)}=自分自身をも含めて、すべての人が、すべての人を、愛してゐる。といふわけではない。
② ∃x{~∀y(愛xy)}=自分自身をも含めて、ある人は、すべての人を愛してゐるわけではない。
③ ∃x{∃y(~愛xy)}=自分自身をも含めて、ある人は、ある人を、愛してゐない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(08)により、
(09)
1(1)~∀x∀yFxy A
1(2)∃x~∀yFxy 1量化子の関係
1(3)∃x∃y~Fxy 2量化子の関係
といふ「述語計算」は、「正しい」。

(171)「2よりも大きい、偶数の素数はない。」の「述語論理」。

2019-04-14 10:57:24 | 「鏡の中の、上下左右」

(01)
数学では不等号を「≠」で表しますが、Excelでは「<>」で表すルールになっています。
従って、
(01)により、
(02)
 以下では、
「a≠b」を、
「a<>b」とし、
「a=b」を、
「a<>bではない。」とします。
(03)
(ⅰ)
1  (1)∀x{2<x&素数x→~∃y∃z(偶数y&整数z&x=yz)} A
1  (2)   2<a&素数a→~∃y∃z(偶数y&整数z&a=yz)  1UE
 3 (3)   2<a&素数a                      A
13 (4)           ~∃y∃z(偶数y&整数z&a=yz)  23MPP
13 (5)           ∀y~∃z(偶数y&整数z&a=yz)  4量化子の関係
13 (6)           ∀y∀z~(偶数y&整数z&a=yz)  5量化子の関係
13 (7)             ∀z~(偶数b&整数z&a=bz)  6UE
13 (8)               ~(偶数b&整数c&a=bc)  7UE
13 (9)               ~偶数b∨~整数c∨a<>bc   8ドモルガンの法則
13 (ア)              ~偶数b∨(~整数c∨a<>bc)  9結合法則
13 (イ)               偶数b→(~整数c∨a<>bc)  ア含意の定義
  ウ(ウ)               偶数b              A
13ウ(エ)                   (~整数c∨a<>bc)  ウエMPP
13ウ(オ)                     整数c→a<>bc   エ含意の定義
13 (カ)                偶数b→ 整数c→a<>bc)  ウオCP
13 (キ)             ∀z(偶数b→ 整数z→a<>bz)  カUI
13 (ク)           ∀y∀z(偶数y→ 整数z→a<>yz)  キUI
1  (ケ)   2<a&素数a→∀y∀z(偶数y→ 整数z→a<>yz)  3クCP
1  (コ)∀x{2<x&素数x→∀y∀z(偶数y→ 整数z→x<>yz)} ケUI
(ⅱ)
1  (1)∀x{2<x&素数x→∀y∀z(偶数y→ 整数z→x<>yz)} A
1  (2)   2<x&素数x→∀y∀z(偶数y→ 整数x→a<>yz)  1UE
 3 (3)   2<a&素数a                      A
13 (4)           ∀y∀z(偶数y→ 整数y→a<>yz)  23MPP
13 (5)             ∀z(偶数b→ 整数z→a<>bz)  4UE
13 (6)                偶数b→(整数c→a<>bc)  5UE
  7(7)                偶数b             7A
137(8)                    (整数c→a<>bc)  67MPP
137(9)                   (~整数c∨a<>bc)  8含意の定義
13 (ア)               偶数b→(~整数c∨a<>bc)  79CP
13 (イ)              ~偶数b∨(~整数c∨a<>bc)  ア含意の定義
13 (ウ)               ~偶数b∨~整数c∨a<>bc   イ結合法則
13 (エ)               ~(偶数b&整数c&a=bc)  ウ、ドモルガンの法則
13 (オ)             ∀z~(偶数b&整数z&a=bz)  エUI
13 (カ)           ∀y∀z~(偶数y&整数z&a=yz)  オUI
13 (キ)         ~~∀y∀z~(偶数y&整数z&a=yz)  カDN
13 (ク)         ~∃y~∀z~(偶数y&整数z&a=yz)  キ量化子の関係
13 (ケ)         ~∃y∃z~~(偶数y&整数z&a=yz)  ク量化子の関係
13 (サ)         ~∃y∃z~~(偶数y&整数z&a=yz)  ケ量化子の関係
13 (シ)           ~∃y∃z(偶数y&整数z&a=yz)  ケ量化子の関係
1  (ス)   2<a&素数a→~∃y∃z(偶数y&整数z&a=yz)  3シCP
1  (セ)∀x{2<x&素数x→~∃y∃z(偶数y&整数z&x=yz)} スUI
(04)
 ―「結合法則の証明」―
(a)
1    (1)P∨ Q∨R  A
 2   (2)P       A
 2   (3)P∨(Q∨R) 2∨I 
  3  (4)   Q    A
  3  (5)  (Q∨R) 4∨I
  3  (6)P∨(Q∨R) 5∨I
   7 (7)     R  A
   7 (8)  (Q∨R) 7∨I
   7 (9)P∨(Q∨R) 8∨I
1    (ア)P∨(Q∨R) 1234679∨E
(b)
1    (1)P∨(Q∨R) A
 2   (2)P       A
 2   (3)P∨ Q    2∨I
 2   (4)P∨ Q∨R  3∨I
  5  (5)  (Q∨R) A
   6 (6)   Q    A
   6 (7)   Q∨R  6∨I
   6 (8)P∨ Q∨R  7∨I
    9(9)     R  A
    9(ア)   Q∨R  9∨I
    9(イ)P∨ Q∨R  ア∨I
1    (ウ)P∨ Q∨R  1245イ∨E
従って、
(03)(04)により、
(05)
(ⅰ)∀x{2<x&素数x→~∃y∃z(偶数y&整数z&x=yz)}
(ⅱ)∀x{2<x&素数x→ ∀y∀z(偶数y→整数z→x<>yz)}
に於いて、
(ⅰ)ならば(ⅱ)であり、
(ⅱ)ならば(ⅰ)である。
従って、
(05)により、
(06)
(ⅰ)∀x{2<x&素数x→~∃y∃z(偶数y&整数z&x=yz)}
(ⅱ)∀x{2<x&素数x→ ∀y∀z(偶数y→整数z→x<>yz)}
に於いて、
(ⅰ)=(ⅱ) である。
従って、
(06)により、
(07)
(ⅰ)すべてのxについて、xが2より大きい素数であるならば、あるyが偶数で、あるzが整数である際に、xが、yとzで割りきれる。といふことはない。
(ⅱ)すべてのxについて、xが2より大きい素数であるならば、すべてのyと、すべてのzについて、yが偶数ならば、zが整数ならば、xは、yとzでは、割り切れない。
に於いて、
(ⅰ)=(ⅱ) である。
然るに、
(08)
(ⅰ)すべてのxについて、xが2より大きい素数であるならば、あるyが偶数で、あるzが整数である際に、xが、yとzで割りきれる。といふことはない。
(ⅱ)すべてのxについて、xが2より大きい素数であるならば、すべてのyと、すべてのzについて、yが偶数ならば、zが整数ならば、xは、yとzでは、割り切れない。
といふことは、
(ⅲ)2よりも大きい、偶数の素数はない。
といふことに、他ならない。
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
(ⅲ)2よりも大きい、偶数の素数はない。
といふ「日本語」は、
(ⅰ)∀x{2<x&素数x→~∃y∃z(偶数y&整数z&x=yz)}
(ⅱ)∀x{2<x&素数x→ ∀y∀z(偶数y→整数z→x<>yz)}
といふ「述語論理」に、翻訳される。
然るに、
(10)
一階述語論理(いっかいじゅつごろんり、first-order predicate logic)とは、個体の量化のみを許す述語論理 (predicate logic) である。述語論理とは、数理論理学における論理の数学的モデルの一つであり、命題論理を拡張したものである(ウィキペディア)。
従って、
(09)(10)により、
(11)
「述語論理」は、例へば、
(ⅰ)2よりも大きい、偶数の素数はない=∀x{2<x&素数x→~∃y∃z(偶数y&整数z&x=yz)}。
(ⅱ)2よりも大きい、偶数の素数はない=∀x{2<x&素数x→ ∀y∀z(偶数y→整数z→x<>yz)}。
といふ「命題」を「表現」するために、発明されたのであって、例へば、
(ⅲ)虎百獸を求めて之を食ひ、狐を得たり=∃y{虎y&∀x[獸x→求yx&食yx&∃z(狐z&獸z&得yz)]}。
といふ「命題」を「表現」するために、発明されたのではない。
といふ、ことになる。