日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(184)「量化子の関係」について(Ⅲ)。

2019-04-19 14:07:38 | 論理

(01)
{a、b}が「変域(ドメイン)」であるとき、
① ∃x(Fx)=Fa∨Fb=「Faであって、Fbであるか。Faでなくて、Fbであるか。Faであって、Fbでない。」
② ∀x(Fx)=Fa&Fb=「Faであって、Fbである。」
従って、
(01)により、
(02)
③ ~∃x(Fx)=~(Fa∨Fb)
④ ~∀x(Fx)=~(Fa&Fb)
然るに、
(03)
(ⅰ)
1  (1)~(Fa∨Fb)  A
 2 (2)  Fa      A
 2 (3)  Fa∨Fb   2∨I
12 (4)~(Fa∨Fb)&
       (Fa∨Fb)  13&I
1  (5) ~Fa      24RAA
  6(6)     Fb   A
  6(7)  Fa∨Fb   6∨I
1 6(8)~(Fa∨Fb)&
       (Fa∨Fb)  17&I
1  (9)    ~Fb   68RAA
1  (ア)~Fa&~Fb   59&I
(ⅱ)
1   (1)  ~Fa&~Fb   A
 2  (2)   Fa∨ Fb   A
  3 (3)   Fa       A
1   (4)  ~Fa       1&E
1 3 (5)   Fa&~Fa   34&I
  3 (6)~(~Fa&~Fb)  15RAA
   7(7)       Fb   A
1   (8)      ~Fb   1&E
1  7(9)   Fb&~Fb   78&I
   7(ア)~(~Fa&~Fb)  19RAA
 2  (イ)~(~Fa&~Fb)  2367アEE
12  (ウ) (~Fa&~Fb)& 1イ&I
        (~Fa&~Fb) 
1   (エ) ~(Fa∨Fb)   2ウRAA
従って、
(03)により、
(04)
(ⅰ)~(Fa∨ Fb)
(ⅱ) ~Fa&~Fb
に於いて、
(ⅰ)=(ⅱ) である。
従って、
(02)(04)により、
(05)
③ ~∃x(Fx)=~(Fa∨Fb)=~Fa&~Fb
④ ~∀x(Fx)=~(Fa&Fb)
である。
然るに、
(06)
(ⅲ)
1   (1) ~( Fa& Fb)  A
 2  (2) ~(~Fa∨~Fb)  A
  3 (3)   ~Fa       A
  3 (4)   ~Fa∨~Fb   3∨I
 23 (5) ~(~Fa∨~Fb)&
         (~Fa∨~Fb)  14&I
 2  (6)  ~~Fa       35RAA
 2  (7)    Fa       6DN
   8(8)       ~Fb   A
   8(9)   ~Fa∨~Fb   8∨I
 2 8(ア) ~(~Fa∨~Fb)&
         (~Fa∨~Fb)  19&&I
 2  (イ)      ~~Fb   8アRAA
 2  (ウ)        Fb   イDN
  2  (エ)    Fa& Fb   7ウ&I
12  (オ) ~( Fa& Fb)&
         ( Fa& Fb)  1E&I
1   (カ)~~(~Fa∨~Fb)  2オRAA
1   (キ)   ~Fa∨~Fb   カDN
(ⅳ)
1   (1) ~Fa∨~Fb  A
 2  (2)  Fa& Fb  A
  3 (3) ~Fa      A
 2  (4)  Fa      2&E
 23 (5) ~Fa& Fa  34&I
  3 (6)~(Fa& Fb) 25RAA
   7(7)     ~Fb  A
 2  (8)      Fb  2&E
 2 7(9) ~Fa& Fb  78&I
   7(ア)~(Fa& Fb) 29RAA
1   (イ)~(Fa& Fb) 1367ア∨E
従って、
(06)により、
(07)
(ⅲ) ~(Fa& Fb)
(ⅳ)  ~Fa∨~Fb
に於いて、
(ⅲ)=(ⅳ) である。
従って、
(05)(07)により、
(08)
③ ~∃x(Fx)=~(Fa∨Fb)=~Fa&~Fb
④ ~∀x(Fx)=~(Fa&Fb)=~Fa∨~Fb
といふ、「ド・モルガンの法則」は、「正しい」。
従って、
(01)(08)により、
(09)
③ ~∃x(Fx)=~(Fa∨Fb)=~Fa&~Fb=∀x(~Fx)
④ ~∀x(Fx)=~(Fa&Fb)=~Fa∨~Fb=∃x(~Fx)
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(09)により、
(10)
⑤ ~∃x(~Fx)=~(~Fa∨~Fb)=~~Fa&~~Fb=∀x(Fx)
⑥ ~∀x(~Fx)=~(~Fa&~Fb)=~~Fa∨~~Fb=∃x(Fx)
従って、
(09)(10)により、
(11)
「順番」を変へると、
①  ∀x( Fx)=すべてのxはFでる。          =~∃x(~Fx)=  あるxがFでない。といふことはない。
②  ∃x( Fx)=  あるxはFである。         =~∀x(~Fx)=すべてのxがFでない。といふことはない。
③ ~∀x( Fx)=すべてのxがFである。といふことはない。= ∃x(~Fx)=  あるxはFでない。
④ ~∃x( Fx)=  あるxがFである。といふことはない。= ∀x(~Fx)=すべてのxはFでない。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(11)により、
(12)
①  ∀x( Fx)=すべてのxはFである。         =~∃x(~Fx)=  あるxがFでない。といふことはない。
②  ∃x( Fx)=  あるxはFである。         =~∀x(~Fx)=すべてのxがFでない。といふことはない。
③ ~∀x( Fx)=すべてのxがFである。といふことはない。= ∃x(~Fx)=  あるxはFでない。
④ ~∃x( Fx)=  あるxがFである。といふことはない。= ∀x(~Fx)=すべてのxはFでない。
⑤  ∀x(~Fx)=すべてのxはFでない。         =~∃x( Fx)=  あるxがFである。といふことはない。
⑥  ∃x(~Fx)=  あるxはFでない。         =~∀x( Fx)=すべてのxがFである。といふことはない。
⑦ ~∀x(~Fx)=すべてのxがFでない。といふことはない。= ∃x( Fx)=  あるxはFである。
⑧ ~∃x(~Fx)=  あるxがFでない。といふことはない。= ∀x( Fx)=すべてのxはFである。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(12)により、
(13)
①  ∀x( Fx)=~∃x(~Fx)
②  ∃x( Fx)=~∀x(~Fx)
③ ~∀x( Fx)= ∃x(~Fx)
④ ~∃x( Fx)= ∀x(~Fx)
⑤  ∀x(~Fx)=~∃x( Fx)
⑥  ∃x(~Fx)=~∀x( Fx)
⑦ ~∀x(~Fx)= ∃x( Fx)
⑧ ~∃x(~Fx)= ∀x( Fx)
であるため、
①  ∀x( Fbx)=~∃x(~Fbx)
②  ∃x( Fbx)=~∀x(~Fbx)
③ ~∀x( Fbx)= ∃x(~Fbx)
④ ~∃x( Fbx)= ∀x(~Fbx)
⑤  ∀x(~Fbx)=~∃x( Fbx)
⑥  ∃x(~Fbx)=~∀x( Fbx)
⑦ ~∀x(~Fbx)= ∃x( Fbx)
⑧ ~∃x(~Fbx)= ∀x( Fbx)
である。
従って、
(13)により、
(14)
例へば、
①  ∀x( Fbx)=~∃x(~Fbx)
②  ∃x( Fbx)=~∀x(~Fbx)
③ ~∀x( Fbx)= ∃x(~Fbx)
④ ~∃x( Fbx)= ∀x(~Fbx)
に対して、「UI(普遍量記号導入の規則)」と適用し、
⑤  ∀x(~Fbx)=~∃x( Fbx)
⑥  ∃x(~Fbx)=~∀x( Fbx)
⑦ ~∀x(~Fbx)= ∃x( Fbx)
⑧ ~∃x(~Fbx)= ∀x( Fbx)
に対して、「EI(存在量記号導入の規則)」と適用すると、
① ∀y ∀x( Fyx)=∀y~∃x(~Fyx)
② ∀y ∃x( Fyx)=∀y~∀x(~Fyx)
③ ∀y~∀x( Fyx)=∀y ∃x(~Fyx)
④ ∀y~∃x( Fyx)=∀y ∀x(~Fyx)
⑤ ∃y ∀x(~Fyx)=∃y~∃x( Fyx)
⑥ ∃y ∃x(~Fyx)=∃y~∀x( Fyx)
⑦ ∃y~∀x(~Fyx)=∃y ∃x( Fyx)
⑧ ∃y~∃x(~Fyx)=∃y ∀x( Fyx)
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(14)により、
(15)
「xとyの変域(ドメイン)」を「人間」とすると、例へば、
① ∀y ∀x( 愛yx)=∀y~∃x(~愛yx)
② ∀y ∃x( 愛yx)=∀y~∀x(~愛yx)
⑦ ∃y~∀x(~愛yx)=∃y ∃x( 愛yx)
⑧ ∃y~∃x(~愛yx)=∃y ∀x( 愛yx)
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(15)により、
(16)
①「すべての人は、すべての人を愛してゐる。」      =「すべての人が、ある人を愛ない。   といふことはない。」
②「すべての人は、  ある人を愛してゐる。」      =「すべての人が、すべての人を愛さない。といふわけではない。」
③「ある人が、すべての人を愛さない。といふことはない。」=「ある人は、   ある人を愛してゐる。」
④「ある人が、  ある人を愛さない。といふことはない。」=「ある人は、 すべての人を愛してゐる。」 
といふ「等式」が、成立する。

(183) 「未有仁而遺其親者也。」の「述語論理」と「再読文字」(Ⅱ)。

2019-04-19 09:51:56 | 訓読・論理学

―「記事(183)」を書き直します。―
(01)

読み方:いまダ~ず
訳:まだ~ない
再読文字とは、返り点に関係なくまず副詞として読み、その後、返り点に従って、下から戻って動詞・助動詞として読む漢字のことです。
(ViCOLLA Magazine 改)
然るに、
(02)
never[副詞]
《ne「・・・でない+ever「かつて」》
① 一度も・・・ない。いまだかつて・・・ない
② 決して・・・ない。少しも・・・ない。
(フェイバリット英和辞典、1996年)
従って、
(01)(02)により、
(03)
① I have never been to New York.⇔
① 私は未だかつてニューヨークに行ったことがない
に於ける、
① never=未だかつて・・・ない
は、「英語の、再読文字(未)」である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
「再読文字」自体が、「不自然な読み方」である。といふわけではない。
(05)
① 未有仁而遺其親者也=
① 未不[有〔仁而遺(其親)者〕]也⇒
① 未[〔仁而(其親)遺者〕有]不也=
① 未だ仁にして其の親を遺つる者は有らざるなり=
① 昔から仁に志すもので親をすてさったものは一人もいない(孟子・梁惠王章句上、小林勝人 訳)。
然るに、
(06)
① 昔から仁に志すもので親をすてさったものは一人もいない。
といふことは、
① 仁者であって、自分の親を遺棄する者はゐない。
といふことである。
然るに、
(07)
① 仁者であって、自分の親を遺棄する者はゐない。
といふことは、
① ∀x{仁x→~∃y(親yx&遺xy)}⇔
① すべてのxについて、xが仁者であるならば、あるyはxの親であって、xがyを遺棄するといふ、そのやうなyは存在しない。
といふことに、他ならない。
然るに、
(08)
(ⅰ)
1   (1)∀x{仁x→~∃y(親yx&遺xy)} A
1   (2)   仁a→~∃y(親ya&遺ay)  1UE
 3  (3)   仁a               A
13  (4)      ~∃y(親ya&遺ay)  23MPP
13  (5)      ∀y~(親ya&遺ay)  4量化子の関係
13  (6)        ~(親ba&遺ab)  5UE
13  (7)        ~親ba∨~遺ab   6ド・モルガンの法則
13  (8)         親ba→~遺ab   7含意の定義
13  (9)      ∀y(親ya→~遺ay)  8UI
1   (ア)    仁a→∀y(親ya→~遺ay)    39CP
1   (イ)∀x{仁x→∀y(親yx→~遺xy)} アUI
(ⅱ)
1   (1)∀x{仁x→∀y(遺xy→~親yx)} A
1   (2)   仁a→∀y(遺ay→~親ya)  1UE
 3  (3)   仁a               A
13  (4)      ∀y(遺ay→~親ya)  23MPP
13  (5)         遺ab→~親ba   4UE
13  (6)        ~遺ab∨~親ba   5含意の定仁
13  (7)       ~(遺ab& 親ba)  6ド・モルガンの法則
13  (8)     ∀y~(遺ab& 親ba)  7UI
13  (9)     ~∃y(遺ay& 親ya)  8量化子の関係
1   (ア)   仁a→~∃y(遺ay&親ya)  39CP
1   (イ)∀x{仁x→~∃y(親yx&遺xy)  アUI
従って、
(08)により、
(09)
① ∀x{仁x→~∃y(親yx&遺xy)}
② ∀x{仁x→∀y(親yx→~遺xy)}
に於いて、
①=② である。
従って、
(07)(09)により、
(10)
① 仁者であって、自分の親を遺棄する者はゐない。
といふことは、
① ∀x{仁x→~∃y(親yx&遺xy)}⇔
② ∀x{仁x→∀y(親yx→~遺xy)}⇔
① すべてのxについて、xが仁者であるならば、あるyはxの親であって、xがyを遺棄するといふ、そのやうなyは存在しない。
② すべてのxについて、xが仁者であるならば、すべてのyについて、yがxの親であるならば、xはyを遺棄しない。
といふことに、他ならない。
従って、
(10)により、
(11)
② ∀x{仁x→∀y(親yx→~遺xy)}⇔
② すべてのxについて、xが仁者であるならば、すべてのyについて、yがxの親であるならば、xはyを遺棄しない。
といふ「述語論理」は、
② すべてのxについて、・・・・・・、xは、・・・しない。
といふ「形」をしてゐる。
然るに、
(11)により、
(12)
② ∀x{仁x→∀y(親yx→~遺xy)}
に於いて、
② ∀x
といふ「 量化子 」は、「二度、読まれてゐて、二度目に、否定で、文を終へてゐる。」
然るに、
(01)(05)により、
(13)
① 未だ仁にして其の親を遺つる者は有らず。
に於いて、
① 未だ
といふ「再読文字」は、「二度、読まれてゐて、二度目に、否定で、文を終へてゐる。」
従って、
(12)(13)により、
(14)
① 未だ仁にして其の親を遺つる者は有らず。
② ∀x{仁x→∀y(親yx→~遺xy)}
に於いて、
「再読文字と量化子」は、「二度、読まれてゐて、二度目に、否定で、文を終へてゐる。」
従って、
(14)により、
(15)
① 未だ仁にして其の親を遺つる者は有らず。
② ∀x{仁x→∀y(親yx→~遺xy)}
に於いて、
① 未だ の「働き」と、
② ∀x の「働き」は、「似てゐる。」
従って、
(01)(14)(15)により、
(16)
② ∀x{仁x→∀y(親yx→~遺xy)}
に於ける、
② ∀x
といふ「量化子」は、「再読文字」ではないにせよ、「再読文字」である。