(01)
一階述語論理(いっかいじゅつごろんり、first-order predicate logic)とは、個体の量化のみを許す述語論理 (predicate logic) である。述語論理とは、数理論理学における論理の数学的モデルの一つであり、命題論理を拡張したものである(ウィキペディア)。
(02)
完全性定理により、(古典一階述語論理については)その形式体系が論理的に成り立つ事柄を余すところなく捉えていること、つまり、もうこれ以上推論規則を加える必要がないことが示されるのである(飯田隆 編、論理の哲学、2005年、97頁)。
(03)
自然言語の文を論理式に翻訳するというプログラムを遂行する上で、まず考えなければならないことは、翻訳先の形式言語としてどのような言語を採用すべきかという問題である。ひとつの基準となるのは、一階述語論理である(飯田隆 編、論理の哲学、2005年、226頁)。
(04)
① 私は大野です。
といふ「日本語」は、
① ∃x(私x&大野x)⇔
① あるxは私であって大野である。⇔
① 私であって大野であるxが存在する。
といふ「一階述語論理」に相当する。
然るに、
(05)
(3)
この組み合わせは次のような場合に現われる。
私が大野です。
これは、「大野さんはどちらですか」というような問いに対する答えとして使われる。
大野は私です。
に置きかえてもほぼ同じ意味を表わすといえる(大野晋、日本語の文法を考える、1978年、34頁)。
然るに、
(06)
Q:大野さんはどなたですか。
A:私が大野です。
といふのであれば、
A:私は大野であり、私以外は大野ではない。
然るに、
(07)
② ∀x(私x→大野x&~私x→~大野x)⇔
② すべてのxについて、xが私であるならばxは大野であり、xが私ではないならばxは大野ではない。
といふのであれば、
② 私は大野であり、私以外は大野ではない。
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
② 私が大野です。
といふ「日本語」は、
② ∀x(私x→大野x&~私x→~大野x)⇔
② すべてのxについて、xが私であるならばxは大野であり、xが私ではないならばxは大野ではない。
といふ「一階述語論理」に相当する。
然るに、
(09)
(a)
1 (1)∀x(私x→大野x&~私x→~大野x) A
1 (2) 私a→大野a&~私a→~大野a 1UE
1 (3) 私a→大野a 2&E
1 (4) ~私a→~大野a 2&E
5 (5) ~私a A
6(6) 大野a A
56(7) ~大野a 45MPP
56(8) 大野a&~大野a 67&I
6(9) ~~私a 58RAA
6(ア) 私a 9DN
(イ) 大野a→私a 6アCP
1 (ウ) 私a→大野a&大野a→私a 3イ&I
1 (エ)∀x(私x→大野x&大野x→私x) ウUI
(b)
1 (1)∀x(私x→大野x& 大野x→ 私x) A
1 (2) 私a→大野a& 大野a→ 私a 1UE
1 (3) 私a→大野a 2&E
1 (4) 大野a→ 私a 2&E
5 (5) 大野a A
6(6) ~私a A
56(7) 私a 45MPP
56(8) ~私a&私a 67&I
6(9) ~大野a 58RAA
(ア) ~私a→~大野a 69CP
1 (イ) 私a→大野a&~私a→~大野a 3ア&I
1 (ウ)∀x(私x→大野x&~私x→~大野x) イUI
従って、
(09)により、
(10)
(a)∀x(私x→大野x&~私x→~大野x)
(b)∀x(私x→大野x&大野x→ 私x)
に於いて、
(a)ならば(b)であり、
(b)ならば(a)である。
従って、
(10)により、
(11)
(a)∀x(私x→大野x&~私x→~大野x)
(b)∀x(私x→大野x&大野x→ 私x)
に於いて、
(a)=(b) である。
従って、
(08)(11)により、
(12)
② 私が大野です。
といふ「日本語」は、
② ∀x(私x→大野x&大野x→ 私x)⇔
② ∀x(私x→大野x&~私x→~大野x)⇔
② すべてのxについて、xが私であるならばxは大野であり、xが大野であるばらばxは私である。⇔
② すべてのxについて、xが私であるならばxは大野であり、xが私ではないならばxは大野ではない。
といふ「一階述語論理」に相当する。
然るに、
(13)
③ ∃x(私x&大野x)&~∀x(~私x→~大野x)⇔
③ あるxは私であって大野であるが、すべてのxについて、xが私ではないならばxは大野ではない。といふわけではない。
といふのであれば、
③ 私以外にも、大野はゐる、ことなり、
③ 私以外にも、大野はゐる、のであれば、
③ 私も大野です。
といふ、ことになる。
従って、
(13)により、
(14)
③ 私も大野です。
といふ「日本語」は、
③ ∃x(私x&大野x)&~∀x(~私x→~大野x)⇔
③ あるxは私であって大野であるが、すべてのxについて、xが私ではないならばxは大野ではない。といふわけではない。
といふ「一階述語論理」に相当する。
然るに、
(15)
(a)
1 (1)~∀x(~私x→ ~大野x) A
1 (2)∃x~(~私x→ ~大野x) 1量化子の関係
3(3) ~(~私a→ ~大野a) A
3(4) ~(~~私a∨ ~大野a) 3含意の定義
3(5) ~(私a∨ ~大野a) 4DN
3(6) (~私a&~~大野a) 5ド・モルガンの法則
3(7) (~私a& 大野a) 6DN
3(8) ∃x(~私x& 大野x) 7EI
1 (9) ∃x(~私x& 大野x) 238EE
(b)
1 (1) ∃x(~私x& 大野x) A
2(2) (~私a& 大野a) A
2(3) ~~(~私a& 大野a) 2DN
2(4) ~(~~私a∨ ~大野a) 3ド・モルガンの法則
2(5) ~(~私a→ ~大野a) 4含意の定義
2(6)∃x~(~私x→ ~大野x) 5EI
1 (7)∃x~(~私x→ ~大野x) 126EE
1 (8)~∀x(~私x→ ~大野x) 7量化子の関係
従って、
(15)により、
(16)
(a)~∀x(~私x→~大野x)
(b) ∃x(~私x& 大野x)
に於いて、
(a)ならば(b)であり、
(b)ならば(a)である。
従って、
(16)により、
(17)
(a)~∀x(~私x→~大野x)
(b) ∃x(~私x& 大野x)
に於いて、
(a)=(b) である。
従って、
(14)(17)により、
(18)
③ 私も大野です。
といふ「日本語」は、
③ ∃x(私x&大野x)& ∃x(~私x& 大野x)⇔
③ ∃x(私x&大野x)&~∀x(~私x→~大野x)⇔
③ あるxは私であって大野であるが、あるxは私ではなく、大野である。⇔
③ あるxは私であって大野であるが、すべてのxについて、xが私ではないならばxは大野ではない。といふわけではない。
といふ「一階述語論理」に相当する。
(19)
④ 象は動物である。
といふ「日本語」は、
④ ∀x(象x→動物x)⇔
④ すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物である。
といふ「一階述語論理」に相当する。
(20)
⑤ 象は鼻は長い。
といふ「日本語」は、
⑤ すべて象には長い鼻がある。
といふ風に、解することが出来る。
然るに、
(21)
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}⇔
⑤ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であってyは長い。
といふ「述語論理」は、
⑤ すべて象には長い鼻がある。
といふ「意味」である。
従って、
(20)(21)により、
(22)
⑤ 象は鼻は長い。
といふ「日本語」は、
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}⇔
⑤ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であってyは長い。
といふ「一階述語論理」に相当する。
然るに、
(23)
⑤ 象は鼻は長い。
といふのであれば、
⑤ 象の鼻以外は、長いのか、長くないのかが、分からない。
然るに、
(24)
⑥ 象は鼻が長い。
といふのであれば、
⑥ 象は、鼻以外は長くない。
然るに、
(25)
⑥ 象は鼻が長い。
といふのであれば、当然、
⑤ 象は鼻は長い。
従って、
(23)(24)(25)により、
(26)
⑥ 象は鼻が長い。
といふ「日本語」は、
⑥ 象は鼻は長い。象は鼻以外は長くない。
といふ「意味」である。
従って、
(26)により、
(27)
⑥ 象は鼻が長い。
といふ「日本語」は、
⑥ 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
といふ「意味」である。
従って、
(22)(27)により、
(28)
⑥ 象は鼻が長い。
といふ「日本語」は、
⑥ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
⑥ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であってyは長く、すべてのzについて、zが象の鼻でないならば、zは長くない。
といふ「一階述語論理」に相当する。
然るに、
(29)
(1)象は鼻が長い。 従って、
(2)象は鼻以外は長くない。 然るに、
(3)兎の耳は長いものの、兎の耳は鼻ではない。従って、
(4)兎は鼻以外(耳)も長い。 従って、
(5)兎は象ではない。
といふ「日本語による推論」は、「妥当(Valid)」である。
然るに、
(30)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
2 (2)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
3 (3)∃x(兎x&象x) A
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 1UE
6 (6) 兎a&象a A
6 (7) 兎a 6&E
6 (8) 象a 6&E
1 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 47MPP
2 6 (ア) ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 58MPP
1 6 (イ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
2 6 (ウ) ∃y(耳ya&長y) ア&E
エ (エ) 鼻ba&長b A
オ(オ) 耳ba&長b A
1 6 (カ) ∀z(~鼻za→~長z) 9&E
1 6 (キ) ~鼻ba→~長b カUE
2 6 (ク) ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
2 6 (ケ) 耳ba→~鼻ba クUE
オ (コ) 耳ba オ&E
2 6オ (サ) ~鼻ba ケコMPP
12 6オ (シ) ~長b キサコMPP
オ (ス) 長b オ&E
12 6オ (セ) 長b&~長b シス&I
12 6 (ソ) 長b&~長b ウオセEE
123 (タ) 長b&~長b 36ソEE
12 (チ)~∃x(兎x&象x) 3タRAA
12 (ツ)∀x~(兎x&象x) チ量化子の関係
12 (テ) ~(兎a&象a) ツUE
12 (ト) ~兎a∨~象a テ、ド・モルガンの法則
12 (ナ) 兎a→~象a ト含意の定義
12 (ニ)∀x(兎x→~象x) ナUI
12 (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。 ナUI
12 (〃)兎は象ではない。
従って、
(28)(29)(30)により、
(31)
(1)象は鼻が長い。 従って、
(2)象は鼻以外は長くない。 然るに、
(3)兎の耳は長いものの、兎の耳は鼻ではない。従って、
(4)兎は鼻以外(耳)も長い。 従って、
(5)兎は象ではない。
といふ「推論」は、「述語論理」としても、「妥当(Valid)」である。
然るに、
(32)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
ではなく。
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)} A
とするならば、
12 (ニ)∀x(兎x→~象x) ナUI
12 (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。 ナUI
12 (〃)兎は象ではない。
といふ「結論」を得ることが、出来ない。
従って、
(31)(32)により、
(33)
⑥ 象は鼻が長い。
といふ「日本語」を、
⑥ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
⑥ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であってyは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
ではなく、
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}⇔
⑤ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であってyは長い。
とすることは、出来ない。
然るに、
(34)
沢田充茂の『現代論理学入門』(一九六ニ年)には楽しい解説が載っています。
・・・・・・たとえば「象は鼻が長い」というような表現は、象が主語なのか、鼻が主語なのかはっきりしないから、このままではその論理的構造が明示されていない。いわば非論理的な文章である、というひともある。しかしこの文の論理的な構造をはっきりと文章にあらわして「すべてのxについて、もしそのxが象であるならば、yなるものが存在し、そのyは鼻であり、xはyを所有しており、このyは長い」といえば・・・・・・たとえば動物園で象をはじめて見た小学生が、父親にむかってこのような文章で話しかけたとすれば、その子供は論理的であるといって感心されるまえに社会人としての常識をうたがわれるにきまっている。常識(すなはち共通にもっている情報)でわかっているものはいちいち言明の中にいれないで、いわば暗黙の了解事項として、省略し、できるだけ短い記号の組み合せで、できるだけ多くの情報を伝えることが日常言語の合理性の一つである。・・・・・・
(山崎紀美子、日本語基礎講座―三上文法入門、2003年、214頁)
然るに、
(35)
⑤「すべてのxについて、もしそのxが象であるならば、yなるものが存在し、そのyは鼻であり、xはyを所有しており、このyは長い。」
といふ「日本語」は、
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}⇔
⑤ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であってyは長い。
といふ「一階述語論理」に相当する。
従って、
(33)(34)(35)により、
(36)
⑤ 象は鼻は長い=「すべてのxについて、もしそのxが象であるならば、yなるものが存在し、そのyは鼻であり、xはyを所有しており、このyは長い。」
であって、
⑥ 象は鼻が長い=「すべてのxについて、もしそのxが象であるならば、yなるものが存在し、そのyは鼻であり、xはyを所有しており、このyは長い。」
ではない。
(37)
⑦ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
⑦ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であってyは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。といふわけではない。
といふのであれば、
⑦ 象の体には、鼻以外にも、長い部分があることになる。
然るに、
(38)
⑦ 象の体には、鼻以外にも、長い部分があることになる。
といふのであれば、
⑦ 象は鼻も長い。
従って、
(37)(38)により、
(39)
⑦ 象は鼻も長い。
といふ「日本語」は、
⑦ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
⑦ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であってyは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。といふわけではない。
といふ「一階述語論理」に相当する。
然るに、
(40)
(a)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→ ~長z)} A
1 (2) 象a→∃y(鼻ya&長y)&~∀z(~鼻za→ ~長z) 1UE
1 (3) 象a→∃y(鼻ya&長y) 2&E
1 (4) ~∀z(~鼻za→ ~長z) 2&E
1 (5) ∃z~(~鼻za→ ~長z) 4量化子の関係
6(6) ~(~鼻ca→ ~長c) A
6(7) ~(~~鼻ca∨ ~長c) 含意の定義
6(8) ~(鼻ca∨ ~長c) 7DN
6(9) (~鼻ca&~~長c) 8ド・モルガンの法則
6(ア) (~鼻ca& 長c) 9DN
6(イ) ∃z(~鼻za& 長z) アEI
1 (ウ) ∃z(~鼻za& 長z) 56イEE
1 (エ) 象a→∃y(鼻ya&長y)& ∃z(~鼻za& 長z) 3エ&I
1 (オ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)} エUI
(b)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)} A
1 (2) 象a→∃y(鼻ya&長y)& ∃z(~鼻za& 長z) 1UE
1 (3) 象a→∃y(鼻ya&長y) 2&E
1 (4) ∃z(~鼻za& 長z) 2&E
1 (5) ~~∃z(~鼻za& 長z) 4DN
1 (6) ~∀x~(~鼻za& 長z) 5量化子の関係
1 (7) ~~(~鼻ca& 長c) 6UE
1 (8) ~(~~鼻ca∨ 長c) 7ド・モルガンの法則
1 (9) ~(~鼻ca→ 長c) 8含意の定義
1 (ア) ∃z~(~鼻za→ 長z) 9EI
1 (イ) ~∀z(~鼻za→ 長z) ア量化子の関係
1 (ウ) 象a→∃y(鼻ya&長y)&~∀z(~鼻za→ 長z) 3イ&I
1 (エ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→ ~長z)} ウUI
従って、
(40)により、
(41)
(a)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}
(b)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}
に於いて、
(a)ならば(b)であり、
(b)ならば(a)である。
従って、
(41)により、
(42)
(a)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}
(b)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}
に於いて、
(a)=(b) である。
従って、
(39)(42)により、
(43)
⑦ 象は鼻も長い。
といふ「日本語」は、
⑦ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}⇔
⑦ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
⑦ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であってyは長く、あるzは、xの鼻ではないが、長い。⇔
⑦ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であってyは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。といふわけではない。
といふ「一階述語論理」に相当する。
(44)
⑧ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}&∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}⇔
⑧ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であってyは長く、すべてのxについて、xが象でないならば、あるyがxの鼻であって、長い。といふことはない。
といふのであれば、
⑧ 象は鼻は長く、象以外の動物の鼻は長くはない。
然るに、
(45)
⑧{象、兎、キリン、河馬、ライオン}
であれば、
⑧ 象が鼻は長い。⇔
⑧ 象は鼻は長い。象以外の動物(兎、キリン、河馬、ライオン)の鼻は長くはない。
従って、
(44)(45)により、
(46)
⑧ 象が鼻は長い。
といふ「日本語」は、
⑧ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}&∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}⇔
⑧ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であってyは長く、すべてのxについて、xが象でないならば、あるyがxの鼻であって、長い。といふことはない。
といふ「一階述語論理」に相当する。
然るに、
(47)
(a)
1(1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}&∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)} A
1(2)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)} 1&E
1(3) ∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)} 1&E
1(4) 象a→∃y(鼻ya&長y) 2UE
1(5) ~象a→~∃y(鼻ya&長y) 3UE
1(6) 象a→∃y(鼻ya&長y) & ~象a→~∃y(鼻ya&長y) 47&I
1(7)∀x{象x→∃y(鼻ya&長y) & ~象x→~∃y(鼻ya&長y)} 6UI
(b)
1(1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y) & ~象x→~∃y(鼻yx&長y)} A
1(2) 象a→∃y(鼻ya&長y) & ~象a→~∃y(鼻ya&長y) 1UE
1(3) 象a→∃y(鼻ya&長y) 2&E
1(4)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)} 3UI
1(5) ~象a→~∃y(鼻ya&長y) 2&E
1(6) ∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)} 5UI
1(7)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}&∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)} 46&I
従って、
(47)により、
(48)
(a)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)} &∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}
(b)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y) & ~象x→~∃y(鼻yx&長y)}
に於いて、
(a)ならば(b)であり、
(b)ならば(a)である。
従って、
(48)により、
(49)
(a)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)} &∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}
(b)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y) & ~象x→~∃y(鼻yx&長y)}
に於いて、
(a)=(b) である。
従って、
(46)(49)により、
(50)
⑧ 象が鼻は長い。
といふ「日本語」は、
⑧ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y) & ~象x→~∃y(鼻yx&長y)}⇔
⑧ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}&∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}⇔
⑧ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であってyは長く、xが象でないならば、あるyがxの鼻であって、長い。といふことはない。⇔
⑧ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であってyは長く、すべてのxについて、xが象でないならば、あるyがxの鼻であって、長い。といふことはない。
といふ「一階述語論理」に相当する。
従って、
(22)(28)(39)(50)により、
(51)
⑤ 象は鼻は長い。
⑥ 象は鼻が長い。
⑦ 象は鼻も長い。
⑧ 象が鼻は長い。
といふ「日本語」は、それぞれ、順番に、
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}
⑥ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}
⑦ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}
⑧ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)}
といふ「一階述語論理」に相当する。
従って、
(51)により、
(52)
⑧ 象が鼻は長い。
⑨ 象が鼻が長い。
⑩ 象が鼻も長い。
といふ「日本語」は、それぞれ、順番に、
⑧ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)}
⑨ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}
⑩ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}
といふ「一階述語論理」に、すなはち、
⑧ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であってyは長く、xが象でないならば、あるyがxの鼻であって、長い。といふことはない。
⑨ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であってyは長く、xが象でないならば、あるyがxの鼻であって、長い。といふことはなく、すべてのzについて、zが象の鼻でないならば、zは長くない。
⑩ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であってyは長く、xが象でないならば、あるyがxの鼻であって、長い。といふことはなく、すべてのzについて、zが象の鼻でないならば、zは長くない。といふことはない。
といふ「一階述語論理」に相当する。
然るに、
(53)
(a)
1 (1) P→ Q A
2 (2) ~Q A
3(3) P A
1 3(4) Q 13MPP
123(5) ~Q&Q 24&I
12 (6)~P 35RAA
1 (7)~Q→~P 26CP
(b)
1 (1)~Q→~P A
2 (2) P A
3(3)~Q A
1 3(4) ~P 13MPP
123(5) P&~P 24&I
12 (6) ~~Q 35RAA
12 (7) Q 6DN
1 (8) P→ Q 27CP
従って、
(53)
(a) P→ Q
(b)~Q→~P
に於いて、
(a)=(b) である。
cf.
「対偶(Contraposition)」は「等しい」。
従って、
(54)
(a) Q→ P
(b)~P→~Q
に於いて、
(a)=(b) である。
従って、
(53)(54)により、
(55)
(c)(P→Q)&( Q→ P)
(d)(P→Q)&(~P→~Q)
に於いて、
(c)=(d) である。
然るに、
(56)
すなわち記号で書けば、
(P→Q)&(Q→P)
である。しかしこの複合的表現を用いるよりは、2重の矢印を採用して、省略記号として、
P⇔Q
と書くのが便利であろう。
(論理学初歩、E.J.レモン 著、 竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、38頁)
従って、
(55)(56)により、
(57)
(e) P⇔Q
(d)(P→Q)&(~P→~Q)
に於いて、
(e)=(d) である。
従って、
(57)により、
(58)
(e)∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)}
(d)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)}
に於いて、
(e)=(d) である。
然るに、
(59)
(e)∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)}⇔
(e)すべてのxについて、xが象であるならば、そのとき限って、あるyはxの鼻であって、yは長い。
従って、
(52)(59)により、
(60)
⑧ 象が鼻は長い。
⑨ 象が鼻が長い。
⑩ 象が鼻も長い。
といふ「日本語」は、それぞれ、順番に、
⑧ ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)}
⑨ ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}
⑩ ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}
といふ「一階述語論理」に、すなはち、
⑧ すべてのxについて、xが象であるならば、そのとき限って、あるyはxの鼻であって、yは長い。
⑨ すべてのxについて、xが象であるならば、そのとき限って、あるyはxの鼻であって、yは長く、すべてのzについて、zが象の鼻でないならば、zは長くない。
⑩ すべてのxについて、xが象であるならば、そのとき限って、あるyはxの鼻であって、yは長く、すべてのzについて、zが象の鼻でないならば、zは長くない。といふことはない。
といふ「一階述語論理」に相当する。
(61)
(a)
1 (1) ∃z[~象z& ∃w(鼻wz&長w)] A
2(2) ~象c& ∃w(鼻wc&長w) A
2(3) ~~[~象c& ∃w(鼻wc&長w)] 2DN
2(4) ~[~~象c∨~∃w(鼻wc&長w)] 3ド・モルガンの法則
2(5) ~[~象c→~∃w(鼻wc&長w)] 4含意の定義
1 (6)∃z~[~象z→~∃w(鼻wz&長w)] 125EE
1 (7)~∀z[~象z→~∃w(鼻wz&長w)] 6量化子の関係
(b)
1 (1)~∀z[~象z→ ~∃w(鼻wz&長w)] A
1 (2)∃z~[~象z→ ~∃w(鼻wz&長w)] 1量化子の関係
3(3) ~[~象c→ ~∃w(鼻wc&長w)] A
3(4) ~[~~象c∨ ~∃w(鼻wc&長w)] 3含意の定義
3(5) ~[象c∨ ~∃w(鼻wc&長w)] 4DN
3(6) [~象c&~~∃w(鼻wc&長w)] 5ド・モルガンの法則
3(7) [~象c& ∃w(鼻wc&長w)] 6DN
3(8) ∃z[~象z& ∃w(鼻wz&長w)] 7EI
1 (9) ∃z[~象z& ∃w(鼻wc&長w)] 238EE
従って、
(62)
(a) ∃z[~象z& ∃w(鼻wz&長w)]
(b)~∀z[~象z→~∃w(鼻wz&長w)]
に於いて、
(a)ならば(b)であり、
(b)ならば(a)である。
従って、
(62)により、
(63)
(a) ∃z[~象z& ∃w(鼻wz&長w)]
(b)~∀z[~象z→~∃w(鼻wz&長w)]
に於いて、
(a)=(b) である。
従って、
(64)
(a)あるzは象ではなく、あるwはzの鼻であって長い。
(b)すべてのzについて、zが象でないならば、zの鼻であって長い所のwが存在しない。といふわけではない。
に於いて、
(a)=(b) である。
然るに、
(65)
(a)あるzは象ではなく、あるwはzの鼻であって長い。
といふことは、
(a)象以外にも鼻の長い動物がゐる。
といふ、ことである。
然るに、
(66)
(a)象以外にも鼻の長い動物がゐる。
といふのであれば、
(a)象も鼻は長い。
といふ、ことになる。
従って、
(62)(66)により、
(67)
⑪ 象も鼻は長い。
といふ「日本語」は、
⑪ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z[~象z&∃w(鼻wz&長z)]}⇔
⑪ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であってyは長く、あるzは象ではなく、あるwはzの鼻であって長い。
といふ「一階述語論理」に相当する。
従って、
(22)(28)(39)(67)により、
(68)
⑤ 象は鼻は長い。
⑥ 象は鼻が長い。
⑦ 象は鼻も長い。
⑪ 象も鼻は長い。
といふ「日本語」は、それぞれ、順番に、
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}
⑥ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}
⑦ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}
⑪ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z[~象z&∃w(鼻wz&長z)]}
といふ「一階述語論理」に相当する。
従って、
(68)により、
(69)
⑪ 象も鼻は長い。
⑫ 象も鼻が長い。
⑬ 象も鼻も長い。
といふ「日本語」は、それぞれ、順番に、
⑪ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z[~象z&∃w(鼻wz&長z)]}
⑫ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z[~象z&∃w(鼻wz&長z)]& ∀z(~鼻zx→~長z)}
⑬ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z[~象z&∃w(鼻wz&長z)]&~∀z(~鼻zx→~長z)}
といふ「一階述語論理」に、すなはち、
⑪ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であってyは長く、あるzは象ではなく、あるwはzの鼻であって長い。
⑫ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であってyは長く、あるzは象ではなく、あるwはzの鼻であって長く、すべてのzについて、zが象の鼻でないならば、zは長くない。
⑬ すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であってyは長く、あるzは象ではなく、あるwはzの鼻であって長く、すべてのzについて、zが象の鼻でないならば、zは長くない。といふことはない。
といふ「一階述語論理」に相当する。
従って、
(04)~(69)により、
(70)
① 私は大野です。
② 私が大野です。
③ 私も大野です。
④ 象は動物である。
⑤ 象は鼻は長い。
⑥ 象は鼻が長い。
⑦ 象は鼻も長い
⑧ 象が鼻は長い。
⑨ 象が鼻が長い。
⑩ 象が鼻も長い。
⑪ 象も鼻は長い。
⑫ 象も鼻が長い。
⑬ 象も鼻も長い。
といふ「日本語」は、それぞれ、順番に、
① ∃x(私x&大野x)
② ∀x(私x→大野x&~私x→~大野x)
③ ∃x(私x&大野x)&∃x(~私x&大野x)
④ ∀x(象x→動物x)
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}
⑥ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}
⑦ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}
⑧ ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)}
⑨ ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}
⑩ ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}
⑪ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z[~象z&∃w(鼻wz&長z)]}
⑫ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z[~象z&∃w(鼻wz&長z)]& ∀z(~鼻zx→~長z)}
⑬ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z[~象z&∃w(鼻wz&長z)]&~∀z(~鼻zx→~長z)}
といふ「一階述語論理」に相当する。
然るに、
(71)
① 私は大野です。⇔
① ∃x(私x&大野x)⇔
① あるxは私であって大野である。⇔
① 私であって大野であるxが存在する。
であるため、
① 大野は学生です。⇔
① ∃x(大野x&学生x)⇔
① あるxは大野であって学生である。⇔
① 大野であって学生であるxが存在する。
である。
従って、
(71)により、
(72)
私が理解するところの「述語論理」に於いては、「私・大野・学生」も「すべて名詞(述語)」であって、「区別」が付かない。
然るに、
(73)
「日本語に即した文法の樹立を」を目指すわれわれは「日本語で人称代名詞と呼ばれているものは、実は名詞だ」と宣言したい。どうしても区別したいなら「人称名詞」で十分だ。日本語の「人称代名詞」はこれからは「人称名詞」と呼ぼう(金谷武洋、日本語文法の謎を解く、2003年、40・41頁)。
従って、
(73)により、
(74)
金谷武洋先生も、所謂、「人称代名詞」を、例へば、「学生」といふ「語」もさうである所の「名詞」としてゐる。
然るに、
(75)
第1に、固有名詞をつぎの符号のひとつとして定義する。
m,n,・・・・・
第2に、任意の名前をつぎの符号のひとつとして定義する。
a,b,c,・・・・・
第3に、個体変数をつぎの符号のひとつとして定義する。
x,y,z,・・・・・
第4に、述語文字をつぎの符号のひとつとして定義する。
F,G,H,・・・・・
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、176頁)
従って、
(75)により、
(76)
E.J.レモンの「述語論理」の場合、
① 大野は学生です(大野 is a student)。
といふ「命題」は、
① 学生m
といふ風に、書くことになる。
然るに、
(75)により、
(77)
E.J.レモンの「述語論理」の場合、「人称代名詞」がない。
従って、
(71)(77)により、
(78)
① 私は大野です。⇔
① ∃x(私x&大野x)⇔
① あるxは私であって大野である。⇔
① 私であって大野であるxが存在する。
としないのであれば、
① 私は大野です(I am 大野)。
を、どのやうに「翻訳」してよいのかが、分からない。
(79)
練習問題2 つぎの論証の妥当性を示せ。
(b) すべての駱駝はやさしい馭者を好む。幾らかの駝駝はモハメッドを好まない。モハメッドは馭者である。故にモハメッドは優しくない。
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英、1973年、174頁)。
(80)
解答(b)
1 (1)∀x{駱駝x→∀y(馭者y&優y→好xy)} A
2 (2)∃x(駱駝x&~好xm) A
3 (3)馭者m A
4 (4) 優m A
1 (5) 駱駝a→∀y(馭者y&優y→好ay) 1UE
1 (6) 駱駝a→ 馭者m&優m→好am 1UE
7(7) 駱駝a&~好am A
7(8) 駱駝a 7&E
1 7(9) 馭者m&優m→好am 68MPP
34 (ア) 馭者m&優m 34&I
1 347(イ) 好am 9アMPP
7(ウ) ~好am 7&E
1 347(エ) ~好am&好am イウ&I
1 3 7(オ) ~優m 4エRAA
123 (カ) ~優m 27オEE
123 (〃)モハメッド(m)は優しくない。
然るに、
(81)
別解(b)
1 (1)∀x{駱駝x→∀y(馭者y&優y→好xy)} A
2 (2)∃x∃y(駱駝x&モハメッドy&~好xy) A
3 (3) ∃y(駱駝a&モハメッドy&~好ay) A
4 (4) 駱駝a&モハメッドb&~好ab A
4 (5) 駱駝a 4&E
4 (6) モハメッドb 4&E
4 (7) ~好ab 4&E
8 (8) ∃y(モハメッドy&馭者y) A
9 (9) モハメッドb&馭者b A
9 (ア) 馭者b 9&E
イ (イ) ∃y(モハメッドy&優y) A
ウ(ウ) モハメッドb&優b A
ウ(エ) 優b ウ&E
1 (オ) 駱駝a→∀y(馭者y&優y→好ay) 1UE
1 4 (カ) ∀y(馭者y&優y→好ay) 5オMPP
1 4 (キ) 馭者b&優b→好ab カUE
9 ウ(ク) 馭者b&優b アエ&I
1 4 9 ウ(ケ) 好ab キクMPP
1 4 9 ウ(コ) ~好ab&好ab 7ケ&I
1 4 9 (サ) ~優b エコRAA
1 4 9 (シ) モハメッドb&~優b 6サ&I
1 4 9 (ス) ∃y(モハメッドy&~優y) シEI
1 48 (セ) ∃y(モハメッドy&~優y) 89スEE
1 3 8 (ソ) ∃y(モハメッドy&~優y) 34セEE
12 8 (タ) ∃y(モハメッドy&~優y) 12ソEE
12 8 (〃)或るyはモハメッドであってyは優しくない。
12 8 (〃) モハメッドは優しくない。
従って、
(75)(80)(81)により、
(82)
第1に、固有名詞をつぎの符号のひとつとして定義する。
m,n,・・・・・
といふ「定義」は、実際には、「不要」である。