日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(187)「選言導入の規則(∨I)」は「不自然」ではない(Ⅲ)。

2019-04-20 17:21:12 | 論理

―「午前中の記事(186)」を「補足」します。―
(01)
選言の導入または追加(または導入とも呼ばれる)[1] [2] [3]は命題論理および他のほとんどすべての推論システムの推論の法則です。規則は論理的証明に選言を導入することを可能にする。ある推論あればというPが真である場合、PまたはQが真でなければなりません。
英語での例:
ソクラテスは男です。したがって、
ソクラテスは男である、豚がイギリスの海峡を越えて編隊を組んで飛んでいる。
規則は次のように表すことができます。
形式表記
P→(P∨Q)
(英語版、ウィキペディア、グーグル翻訳改)。
然るに、
(02)
(ⅰ)
1 (1)  P   A
1 (2)  P∨Q 1∨I(選言導入の規則)
1 (3)  Q∨P 2交換法則
1 (4)~~Q∨P 2DN
1 (5) ~Q→P 4含意の規則
 6(6) ~Q   A
16(7)    P 56MPP
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)
1 (1)  P   A
1 (2)  P∨Q 1∨I(選言導入の規則)
が「妥当」である際に、「Pを真にする」ことは、「可能」である。
然るに、
(04)
(ⅱ)
1 (1)  P   A
1 (2)  P∨Q 1∨I(選言導入の規則)
1 (3)  Q∨P 2交換法則
1 (4)~~Q∨P 2DN
1 (5) ~Q→P 4含意の規則
 6(6)  Q   A
 6(7)~~Q   6DN
16(8)   ~P 57前件否定虚偽
cf.
前件否定の虚偽
仮言的三段論法において生じる虚偽。前件が否定されることから後件も否定するところに生じる(デジタル大辞泉)。
従って、
(04)により、
(05)
(ⅱ)
1 (1)  P   A
1 (2)  P∨Q 1∨I(選言導入の規則)
が「妥当」である際に、「Pを偽にする」ことは、「可能」ではない。
然るに、
(06)
(ⅲ)
1 (1)  P   A
1 (2)  P∨Q 1∨I(選言導入の規則)
1 (3)~~P∨Q 2DN
1 (4) ~P→Q 3含意の定義
 5(5) ~P   A
15(6)    Q 45MPP
15(5) P&~P は、「矛盾」である。
従って、
(06)により、
(07)
(ⅲ)
1 (1)  P   A
1 (2)  P∨Q 1∨I(選言導入の規則)
が「妥当」である際に、「Qを真にする」ことは、「可能」ではない。
然るに、
(08)
(ⅳ)
1 (1)  P   A
1 (2)  P∨Q 1∨I(選言導入の規則)
1 (3)~~P∨Q 2DN
1 (4) ~P→Q 3含意の定義
 5(5)~~P   A
15(6)   ~Q 45前件否定虚偽
従って、
(08)により、
(09)
(ⅳ)
1 (1)  P   A
1 (2)  P∨Q 1∨I(選言導入の規則)
が「妥当」である際に、「Qを偽にする」ことも、「可能」ではない。
従って、
(03)(05)(07)(09)により、
(10)
1 (1)  P   A
1 (2)  P∨Q 1∨I(選言導入の規則)
が「妥当」である際に、
(ⅰ)「Pをにする」ことは、「可能」である
(ⅱ)「Pをにする」ことは、「可能」ではない
(ⅲ)「Qをにする」ことは、「可能」ではない
(ⅳ)「Qをにする」ことは、「可能」ではない
然るに、
(11)
「排中律(P∨~P)」により、
「Pは真である、偽であるか、いづれかである。」
従って、
(10)(11)により、
(12)
(ⅰ)「Pをにする」ことは、「可能」であるが、
(ⅱ)「Pをにする」ことは、「可能」ではない
といふのであれば、
(ⅰ)「Pはである。」と、すべきである
然るに、
(13)
(ⅲ)「Qをにする」ことは、「可能」ではないし、
(ⅳ)「Qをにする」ことも、「可能」ではない
といふのであれば、必然的に、
(ⅲ)「Qはであるのかも知れない。」
(ⅳ)「Qはであるのかも知れない。」
従って、
(10)~(13)により、
(14)
1 (1)  P   A
1 (2)  P∨Q 1∨I(選言導入の規則)
が「真」であるならば、
(ⅰ)「Pである。」は「」であり、
(ⅱ)「Pでない。」は「」であり、
(ⅲ)「Qである。」は「真偽不明」であり、
(ⅳ)「Qでない。」も「真偽不明」である。
従って、
(14)により、
(15)
P=ソクラテスは人間である。
Q=豚がイギリスの海峡を越えて編隊で飛んでいる。
であるとして、
1 (1)  P   A
1 (2)  P∨Q 1∨I(選言導入の規則)
が「妥当」であるならば、
(ⅰ)「ソクラテスは人間である。」は「」であり、
(ⅱ)「ソクラテスは人間でない。」は「」であり、
(ⅲ)「豚がイギリスの海峡を越えて編隊で飛んでいる。 」は「真偽不明」であり、
(ⅳ)「豚がイギリスの海峡を越えて編隊で飛んでいない。」も「真偽不明」である。
従って、
(15)により、
(16)
P=ソクラテスは人間である。
Q=豚がイギリスの海峡を越えて編隊で飛んでいる。
であるとして、
1 (1)  P   A
1 (2)  P∨Q 1∨I(選言導入の規則)
が「妥当」であるといふことは、
「ソクラテスは人間である。従って、ソクラテスは人間であるが、豚がイギリスの海峡を越えて編隊を組んで飛んでいるかどうかは、分からない。」
といふことを、述べてゐる。
従って、
(01)(16)により、
(17)
「ソクラテスは人間である。従って、ソクラテスは人間である、豚がイギリスの海峡を越えて編隊を組んで飛んでいる。」
といふ「推論」は、実際には、
「ソクラテスは人間である。従って、ソクラテスは人間であるが、豚がイギリスの海峡を越えて編隊を組んで飛んでいるかどうかは、分からない。」
といふことを、述べてゐる。
然るに、
(18)
「ソクラテスは人間である。従って、ソクラテスは人間であるが、豚がイギリスの海峡を越えて編隊を組んで飛んでいるかどうかは、分からない。」
といふ「推論」は、明らかに、「妥当」である。
従って、
(16)(17)(18)により、
(19)
1 (1)  P   A
1 (2)  P∨Q 1∨I(選言導入の規則)
といふ「推論」は、「妥当(valid)」である。

(186)「選言導入の規則(∨I)」は「不自然」ではない(Ⅱ)。

2019-04-20 11:03:58 | 論理
―「昨日の記事(185)」を書き直します。―
(01)
An example in English:
Socrates is a man.
Therefore, Socrates is a man or pigs are flying in formation over the English Channel.
(英語版、ウィキペディア、Disjunction introduction)
然るに、
(02)
「PまたはQ」に対する真理値の割り当てを「排他的または」に対して行うと、二つの命題PとQのどちらかひとつが真のときに限って、「PまたはQ」が真になるに対し、「包含的または」に対して行うと、二つの命題PとQのどちらかひとつでも真のときに「PまたはQ」が真になる。― 中略 ―、命題論理は、「包含的または」の方を採用しており、「真理表」にもそれが反映されている(早川書房、「不可能、不確定、不完全、」、2011年、207頁改)。
従って、
(03)
真理表」に従ふ限り、
「P∨Q(PQである。)」が真であるならば、Pが偽であるならば、Qはである。
「P∨Q(PQである。)」が真であるならば、Pが真であるならば、Qはであっても、Qはであっても、かまわない
然るに、
(04)
1 (1) ~(~P∨P)  A
 2(2)   ~P     A
 2(3)   ~P∨P   2∨I
12(4) ~(~P∨P)&
       (~P∨P)  13&I
1 (5)  ~~P     24RAA
1 (6)    P     5DN
1 (7)   ~P∨P   6∨I
1 (8) ~(~P∨P)&
       (~P∨P)  18&I
  (9)~~(~P∨P)  18RAA
  (ア)   ~P∨P   9DN
  (〃)Pでない、Pである。
然るに、
(05)
# (ア)   ~P∨P   8DN
といふ風に、書くならば、
# は、
  (ア)   ~P∨P   8DN
といふ「結論」が依存する、「仮定」を示してゐる。
従って、
(05)により、
(06)
# (ア)   ~P∨P   8DN
ではなく、
  (ア)   ~P∨P   8DN
である、といふことは、
  (ア)   ~P∨P   8DN
といふ「結論」は、「仮定の数」が「0個」である。
といふことを、「意味」してゐる。
然るに、
(07)
仮定の数」が「0個」であるといふことは、「その結論」は、「常に真である」。
といふことを、「意味」してゐる。
従って、
(04)~(07)により、
(08)
「~P∨P(排中律)」は、「常に真である」。
然るに、
(09)
1(1) P        A
1(2)    P∨Q   1∨I
 (3) P→ P∨Q   12CP
 (4) ~P∨P∨Q   含意の定義
 (5)(~P∨P)∨Q  結合法則
 (6)( 排中律 )∨Q  5
 (7)( 常に真 )∨Q  6
従って、
(03)(09)により、
(10)
「真理表」に従ふ限り、
(ⅰ)「(~P∨P)∨Q」に於ける、「排中律(~P∨P)」は、「に偽」であるため、Qは真である。
(ⅱ)「(~P∨P)∨Q」に於ける、「排中律(~P∨P)」は、「に真」であるため、Qはであっても、Qはであっても、かまわない
に於いて、
(ⅰ)は有り得ないため、必ず、
(ⅱ)である。
然るに、
(11)
1(1) P        A
1(2)    P∨Q   1∨I
であれば、必然的に、
 (3) P→ P∨Q   12CP
 (4) ~P∨P∨Q   含意の定義
 (5)(~P∨P)∨Q  結合法則
 (〃)( 排中律 )∨Q  5
 (〃)( 常に真 )∨Q  6
といふ、ことになる。
従って、
(10)(11)により、
(12)
1(1) P        A
1(2)    P∨Q   1∨I
であれば、必然的に、Qはであっても、Qはであっても、かまわない
従って、
(12)により、
(13)
1(1)明日は土曜である。          A
1(2)明日は土曜である、明日は雨である。 1∨I
といふ「推論」は、
「明日は土曜である。 従って、明日は土曜である、明日は雨である。」と言ってゐる一方で、それと「同時」に、
「明日は土曜であるが、明日は雨であるか、雨でないかは、分からない。」と言ってゐるのに、「等しい」。
然るに、
(02)により、
(14)
命題論理が、「包含的または」の方を採用してゐなくて、
命題論理が、「排他的または」の方を採用してゐるのであれば、
(ⅱ)「(~P∨P)∨Q」に於ける、「排中律(~P∨P)」は、「常に真」であるため、Qは「必ず偽」である。
従って、
(14)により、
(15)
命題論理が、「排他的または」の方を採用してゐるのであれば、
1(1)明日は土曜である。           A
1(2)明日は土曜である、明日は雨である。  1∨I
1(3)          明日は雨ではない。 12「排他的または」の定義。
といふ「推論」は「妥当(valid)」である。
然るに、
(16)
「明日は土曜である。従って、明日は土曜である、明日は雨である。従って、明日は雨ではない。」
といふ「推論」は、「妥当(valid)」ではない。
従って、
(01)~(16)により、
(17)
命題論理が、「排他的または」ではなく、「包含的または」の方を採用するならば、そのときに限って、
1(1)ソクラテスは人間である。                        A
1(2)ソクラテスは人間である、豚がイギリスの海峡を越えて編隊で飛んでいる。 1UI
といふ「推論」は、
「ソクラテスは人間であるが、豚がイギリスの海峡を越えて編隊で飛んでいるかどうかは、分からない。」
といふ「推論」として、「妥当(valid)」である。