昨日から今日にかけて村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を一気に読みました。
お正月に小説を読むってなんだかいい。
ゆっくり時間が取れるし翌日早起きの必要もないので時間を気にせず本が読める。特に村上春樹の小説は、そこにしっかりした世界観があってどっぷり入り込めるので、あたかも自分自身が白昼夢を観ているような気分になれるところが魅力。
その辺はロールプレイゲームなんかの中毒性とちょっと似てるかもしれないけど、ちゃんと決まった筋書きを追いかけて行けるところが安心。
ボーカリストのジョセフに薦められて『海辺のカフカ 』を読むまで村上春樹の本を手に取った事もなかったんだけど、この『カフカ』で一気に村上ファンになりまして。次に読んだのが、ギタリスト梶原順さんファンで村上春樹ファンのこまきさんおすすめの『東京奇譚集』。
そして次がこの『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』というわけ。
昭和60年、つまり1985年に書かれたこの作品。
音楽を聴く媒体がほとんどカセットテープだったりするところに時代を感じさせながら、奇想天外なストーリー展開に、ドキドキ&ぼんやり&ハラハラ&しんみりしながら小説を楽しみました。
いや~もう、こんなに五感をフル稼働させられる小説ってなかなかないですね。
だけど、人生を味わい尽くすのに欲張りな私としては、この表現の多種多様性は、日本料理と中華とイタリアンとフランス料理の全部のバイキング料理を食べたような満足感がありました。
ほんとにご馳走さま。
おかげでお正月三が日の暴飲暴食による胃拡張に、しばらくはストップがかけられそうです。
おいしい小説とおいしい音楽は、人生に不可欠ですね。
皆さんもぜひどうぞ。