マヤ | |
Jostein Gaarder,池田 香代子 | |
日本放送出版 |
実家に里帰りしてきました。
田舎に帰ってちょっとリフレッシュ!!
ヨースタイン・ゴルデルの長編小説『マヤ』を読み終えました。
『ソフィーの世界』でも有名なゴルデルの長編。
なかなか読み応えがありました。
プロローグとエピローグを記すジョンという男、本編はそのジョンの書いた長編小説という形で描かれる。
長編小説の主人公フランクはジョンが旅先で出会った男。
物語を読んでいるとその内容をジョンが書いているという事実を忘れそうになる。
まるで劇中劇のように物語は進む。
パイ皮のように何層にも重なった小説の描写の面白さと複雑さにたまに辟易となりながらも、小説っていいな~って改めて思いましたね。
いのちっていつが始まりでいつが終わりなんでしょうね。
自分がこの世に生まれたとき?それとも宇宙に意識が生まれたとき?
イマジネーションがぐるぐる回って、不思議な感覚を覚えました。
最後に記された52のマニフェスト。
どれも神秘に満ちてステキです。
「世界が存在する。その可能性はかぎりなく不可能に近い。もしも、たまたま世界などなかったら、そのほうがはるかにしまつがいい。なぜなら、そうすれば、なぜなにも存在しないのか、たずねる者はいないから。」
「妖精たちは、今おとぎ話のなかにいる。でも妖精たちにはそのことがわからない。もしおとぎ話がおとぎ話であることを自覚していたら、そのおとぎ話はほんもののおとぎ話?日常が自分自身についてとぎれることなく説明をするなら、日常は奇跡になりうる?」
「ジョーカーは苦悩する天使だ。致命的な過ちから、血と肉からなる体をまとってしまった。この天使は、宇宙時間のほんの数秒、霊長類の運命にあずかろうとしただけだった。ところが、天使は天国への梯子を倒してしまった。今誰かが天使を迎えに来なければ、生物時計はますます速く時を刻み、天国へと帰るにはもう遅すぎる。」
「ひとりの人間が作られるには数十億年かかる。死ぬにはたったの数秒しかかからない。」
イマジネーションを刺激してくれるこれらの言葉は、ぜひノートに書き写しておこうと思います。
シンガーソングライターも、ある意味、作家みたいなもの。
歌の中にいろんな世界観や物語を織り込んでいきます。
登場人物は実在の人物のような架空の人物。
「私」や「僕」は自分であったりなかったり。
歌を聴きながらいろんな世界にトリップできる、私はそんな歌が好きです。
いい刺激を受けたので、また新しく曲を書いてみようと思います。