オレンジな日々

広島在住のシンガーソングライター&ピアニスト
三輪真理(マリ)のブログです。
音楽大好きな日常を綴っています。

映画『神様メール』(ネタバレあり)

2016-07-18 | おすすめ映画

今日は海の日。
『神様メール』という映画を見てきました。


すっごく面白い映画でした。
公式HPのストーリーから。


「神様はブリュッセルのアパートに家族と一緒に住んでいて、パソコンでいたずらに世界を支配している。ある日、神様の娘10歳のエアは人間に運命に縛られずに生きてほしいと思って、神さあのパソコンから人々に余命を知らせるメールを送ったから、さあ大変! エアが大パニックな世界を救う旅に出ると、彼女の小さくてヘンテコな奇跡は思いがけず人々のお悩みを解決してく。
会社員は鳥を追い北極まで大冒険、殺し屋は不死身の美女に巡り会い、主婦はゴリラと恋に落ち・・・・・皆、それぞれの生きがいを見つけていく。しかしエアが最後に出会ったウィリーは死期が迫っていて──── 。
小さな奇跡たちが呼び起こす、神様のパソコンからの人類への{最高にハッピー}なメールとは?」


こちら予告編動画です。



ここからは《ネタバレあり》なのでこれから観る人は読まないでね。


まず「神」が超イジワルなのが印象的。
人類に用意した「不快の法則」が2000以上もあって、それは例えば「洗濯物が乾くと雨が降る法則」とか「列に並ぶと隣の列が早く進む法則」とか「ジャムを塗ったパンは必ずジャムの方が下になって落ちる法則」とか「バスタブに浸かると電話のベルがなる法則」とか。
思わず「あるある」と言ってしまうイヤな法則のオンパレード。
そんな「不快の法則」で神は人間をコントロールしているのです。


神には子供が2人いて、主人公エアのお兄さんは世界的にも有名なあの人。
もちろんJ.C.ことジーザス・クライスト。
父の悪行に苦しむ人類を見かねて下界に降りて行った兄は、
「愛」の教えを説くんですが磔にあってあえなく撃沈。


そこでいよいよ妹の出番なのです。
兄が言うには兄の救済計画は使徒が12人だったから成功しなかった。
使徒は18人必要で、エアにあと6人の使徒を探すように言います。
妹が書くことになる『新・新約聖書』。


そしてエアが探し当てていく6人は、
1.事故で片手を失った女性
2.仕事だけをしてきた会社員
3.殺し屋
4.性的倒錯者
5.愛に飢えた金持ちの主婦
6.病弱な男の子
みんな現代の問題を抱えた人生を送っていました。


余命を知って混乱する彼らに出会い、彼らの中にある音楽を教えて、彼らに違う生き方を示唆していくエア。
それはあたかもJ.C.が使徒たちに新しい生き方を示唆した時のようです。
彼らが流す涙をガラス瓶に採取していくエア。
「私は泣いたことがないの」
淡々と話す主人公エアを演じるピリ・グロワーヌの表情がとってもいいんですね。


エアを追って初めて下界に降りた「神」は自分の作ったこの世の「不快」をことごとく体験することになるという。
そして最後は天国へ帰れないままベネズエラの工場で作業員として働くというオチ(笑)。


そして天国に帰れなくなった「神」に代わってパソコンを操作するのは女神である母。
18人の使徒のおかげで母は自由を得、母のパスワードでパソコンは起動します。
母の作る世界は涙のない世界。
人々は海底を散歩し、花模様のカラフルな空を楽しみ、植物と対話し、男性が子供を産み、、、不可能のない世界なんですよね。ブラボー!!!


原題は『新・新約聖書』。
ということはつまり父は『旧約聖書』の神で、兄は『新約聖書』のキリスト、そしてエアは『新・新約聖書』の新しいキリストということになるのかな。
監督なりのいろんなメタファー(暗喩)が隠されてる感じがしますね。


個人的にはそんな難しいことを考えなくても映像や音楽の面白さに時間を忘れる映画でした。
ファンタジーってこうじゃなくちゃね。
『アメリ』とか好きな人にはオススメです。


公式サイトはこちら
エンディングテーマがとっても可愛かったので貼っておきます。



原曲はベルギーのAn Pierleというシンガーソングライターの『Sing Song Sally』という曲だそうです。
とっても素敵な曲です。