その昔、私が中学生だった頃、スウェーデンの音楽グループABBAを大好きなお兄さんを持つ弟くんが同級生にいました。私がABBAが好きだと言ったかどうだったかわからないけれど、当時お兄さんのレコードからABBAの曲を全部カセットテープに録音してプレゼントしてくれました。
彼がどういう理由で私にそれをくれたのかは知りませんが、私にはそれがとっても特別なことで嬉しかったことを覚えています。それまでなんとも思ってなかったその男の子が気になる存在になると同時に、私のABBA熱もどんどん上昇していきました。
あるときラジオでABBAの特集があって、ABBAの4人が自分たちのことを語る番組というのがありました。
確か、ビヨルンだったかベニーだったかが「僕は曲を作るけど譜面は書けないんだ」と言っていて、ものすごく驚いたのを覚えています。だってABBAの曲はとっても複雑で美しい曲だったから。
「譜面が書けないのにこんな素敵な曲が作れるんなら、私だって頑張ればいい曲が作れるかも。」
歌を作り始めていた私は勇気を100倍もらった気持ちで、それからますます曲作りに励んだのでした。
(実際には彼らが譜面が書けないことはなかったと思いますけどね(笑))
それから時が経ち、、、、
同級生の彼と久しぶりに再会する機会がありました。
学校の先生になって2人のお子さんがいて、とてもいいお父さんになっている彼と中学当時の話になったとき、ふと当時のことを聞いてみました。
「あんまり覚えてない」(笑)
ABBAのこともテープをくれたこともすっかり忘れているようでした。
なるほどねー。
私の音楽人生にこんなに影響を与えたあの衝撃的な出来事は、彼にとっては記憶にも残らないほんの些細な事だったのでした。まあそんなものですよねー。一方で私はあのカセットテープからABBAにのめり込み、ABBAの音楽はその後の私の人生に多大な影響を与えてくれたのでした。
思い返せば、今までいろんな人が私に音楽のプレゼントをくれました。
その人が私の人生の登場人物からいなくなっても音楽は私の中に着実に根付いて私の曲の一部となっています。
音楽に限ったことではないと思いますが、いい作品ってその出会いのきっかけとは関係なく誰かの人生を変える力があリますね。ABBAのメンバーは、おそらく遠い島国で1人の女子中学生に起きたそんな出来事を知ることはないでしょうけど、彼らの作ったVoulez-VousやDancing Queenに心をときめかせていた女の子は、その後、音楽を作る人になっています。
いつか、、私の曲もそういう1曲になれたらと願いつつ。。
できれば遠い遠いスウェーデンかどこかの町で、当時の私のような女子に聴いてもらえることを夢見ながら、今日も渾身の1曲を作っています。
今も絶大な人気を誇るABBAの結成50周年に向けてのサイト。
https://abbasite.com/story/
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