姫路大手前・岡崎外科 消化器肛門クリニック ブログ・肛門科通信

姫路城が好きで姫路在住の消化器・肛門科医によるクリニックのブログです。胃腸肛門の情報あり、気軽にお越し下さい。

ウォシュレットの功罪

2009-02-15 21:59:33 | おしりのかゆみ
その昔、「おしりだって洗ってほしい」というコピーで登場したウォシュレット(TOTO)を代表とする温水洗浄便座。これで救われた皆さんも多い事でしょう。温水洗浄便座の登場で、少しヒダのあるお尻もきれいにできるようになりました。

お尻はもともと丈夫にできていて、神経質に洗わなくても良いようにできています。しかし、きれいにしたい、さっぱりしたいは人の望み、洗い過ぎの方を時々見かけます。熱い温度で洗いすぎて、さらにペーパーで拭きすぎて、皮膚が傷つき皮膚炎になって受診される方もあります。お風呂に長く入っていますと、指先がしわしわになりますね、それと同じで、とても皮膚が傷つきやすい状態です。それをペーパーでごしごしやりますと、小さな傷ができて、そこがかゆみや痛みの原因になるのです。

また、水圧を強くして、温水洗浄を浣腸のように使っている方も多くあります。これはおすすめしません。「浣腸はくせになる」というのと同じで、熱いお湯の強い水流で直腸を刺激して排便するのは、よくありません。実は肛門とその奥には便やガスを感知する大変微妙なセンサーがあるのです。皆さん、便を出さずにガスだけ「スー」と出したりできるでしょう?これってすごいことなのです。このセンサーを壊してしまうと・・・ちょっと怖いですね。

温水洗浄は、ちょっと冷たいくらいの温度で、弱く弱く、が秘訣です。設定をちょっと見直してみてくださいね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする