姫路大手前・岡崎外科 消化器肛門クリニック ブログ・肛門科通信

姫路城が好きで姫路在住の消化器・肛門科医によるクリニックのブログです。胃腸肛門の情報あり、気軽にお越し下さい。

肛門科ってすぐ手術なの?

2009-02-22 15:36:06 | 日帰り手術(当院の指針)
肛門科を受診するのに抵抗があった、といわれる方に話を聞いてみますと、「肛門科ってすぐ手術といわれるから、こわくって」といわれる方が多くあります。本当にすぐ手術でしょうか。いいえ、そんなことはありません。

すぐ手術をしなくてはならないのは、肛門周囲膿瘍(痔瘻の初期)と、痛みで便が出せずにひどくなっていく血栓性外痔核、そして大量出血が続いている時だけです。脱出して腫れたままになった痔核(かんとん痔核)も、元にもどす処置をすることがあります。そのくらいです。

他の場合は、軟膏などの治療(保存的治療)で効果を判定し、その上で、信頼関係を作った上で手術となります。検査で大腸癌などの病気がないことを確認するのは絶対に大切です。命を取られる病気がない限り、痔は良性疾患なのです。どんなにひどい痔でも、「わたしは困ってないから、これでいいの」と言われれば、それも「あり」なのです。

ですから「手術しないと治らない」という言葉には注意が必要です。ちょっとずるい言い方だからです。これまでにお話ししました、内痔核。軟膏で腫れを引かせると症状をなくすことができます、しかし、内痔核が消えてなくなるわけではありません。ですから「手術しないと治らない」という言い方もできます。また、切れ痔に伴って出来る肛門ポリープ。これは皮膚の成分ですから、薬ではなくなりません。これも確かに「手術しないと治らない」とも言えます。でもそれで手術を強要するのは、正しくないと思っています。痔の治療では、患者さんの一番困っている事を消すことが、一番大切と思います。ですから、わたしは、最初に「何が一番困っていますか?」とお聞きすることが多いです。
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