isseyと愉快な仲間達

日々謝罪と反省なり。

サンタがやって来る

2005年12月25日 13時09分57秒 | 主義・思想
サンタがやって来る。

もうすぐ ここにやって来る。


危険だ…。


サンタから逃げなければならない。

サンタがうちのマンションの上空を旋回している…。


サンタが突入しようとしている…。




私は数年前、某国であるプロジェクトに参加していた。

それは人類に幸運と不幸をもたらす新薬の開発だった。


計画の名を「クリスマス計画」と呼んでいた。



我々の計画では、このクリスマス製剤を処方すると

「メリー症状」と呼ばれる一種の覚醒作用を引き起こし

薬を飲んだ者は三日三晩、不眠不休で活動する事が可能となり

その間は食事も休憩も不要となり、まさに超人となる

奇跡の新薬の開発だった。

中には一週間も飲まず食わずで活動できた者もいた。



しかしクリスマス製剤は諸刃の剣で

薬が切れると激しい幻覚や頭痛、中には発狂する者も出る。

これを「メリー後退」と呼び、9割の確率で廃人になる。



幾度の臨床実験の結果、我々はこのクリスマス製剤は

余りに危険を伴うものであり、国益に背くものであるとして開発を中断。

これまでの資料を封印して研究所を解散させた。



しかし某国政府はそれを認めなかった。

彼らは資料を復活させ、遂に16日間の壁を越えたのである。

そして当時研究に携わっていた研究員達の抹殺を開始した。


某国政府の特殊部隊SANTA

(Special Agency of National Tactics Act:特殊戦術国家法)は

諜報・捜査・軍事・研究・広報などを

兼ね揃えた大統領直属の部隊であり

そのイメージカラーは赤黒い突入用防弾衣。

そして複数に枝分かれした2本の砲弾を持つ護衛艦・通称トナカイ。


SANTAの手口は極めて残酷だ。

ターゲットの家宅に侵入して殺害した後

その家族の枕元に脱いだ靴下を置いて

翌朝にはグッタリと言う陰険な方法を取る。


そのサンタが我々を始末しに来ている。

臨床実験で唯一の生存者の居所を知っているのは私だけ。


私は2年間、彼の生活を観察して

独自にデータを集積してきた。

しかしSANTAに敵う事など不可能だ。



SANTAがやって来る。

もうすぐ ここにやって来る。


危険だ…。


SANTAから逃げなければならない。

SANTAがうちのマンションの上空を旋回している…。


SANTAが突入しようとしている!