徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

福島原発事故 続報-1

2011年03月15日 | 福島原発

今朝の朝刊は”原子炉空焚き”の特大文字が踊って、センセーショナルな一面になっています。あまり批判的なことは言いたくはありませんが、新聞記者は”阿呆”なのでしょうか、或いは文系はやっぱり文系なのでしょうか。事実を伝えることは必要ですが、己の無知に基き他人のパニックを煽るような振る舞いは許せません。すでに炉停止から4日が経ち崩壊熱の緩和はかなり進んでいます。空焚きになったとしてもメルトダウンはまず起こらないでしょう。下記で非常に有用な試算をされているので是非参考にしてください。 http://d.hatena.ne.jp/nushio/20110314#c

ちなみに、メルトダウンで恐れるべき事は溶け出した燃料棒が圧力容器の底を破って格納容器に崩落し格納容器底の水と反応して水蒸気爆発を起こすことです。しかし、現実には圧力容器の底にいくらかでも水が残っていれば崩落した燃料棒は気化熱で数百度レベルまで降温し圧力容器底は全く問題ありません。決定的なことは徐々に燃料棒が崩落しても、ある程度の水が残っていれば爆発は起こらないという事です。また、崩壊熱は問題ないレベルまで低下しつつあるので、私自身はリスクは回避できているのでは、と思っています。

追記:2号機のサプレッションプール・圧力抑制室が破壊して大気開放になったようだ。結果として今まで120m高の煙突から放出されていた水蒸気が下部の損傷部分から漏洩することになる。問題は現場作業員への影響が深刻になり今後の作業に支障が発生する。海水注入はまだしばらく継続する必要があるが、これは決死的作業となる。

一方、良いニュースとしては福島第二原発全号機が冷温停止したとの報告があった。崩壊熱の緩和過程は核反応であり熱履歴等の外部環境に影響されない。第二原発が停止した事が事実であれば、今問題となっている第一原発の1-3号機の崩壊熱も同様な状況にあると見られる。つまり、ある程度の海水補給が今日、明日継続できれば事態は収束に向かうものと思われる。

追記2: 4号炉の使用済み核燃料から水素が発生し火災発生したが鎮火したようだ。これは1,2,3,4,5,6号炉全てに共通な問題です。特に5,6号機はまだ建屋が健全なだけに水素爆発の可能性が残っている。だれか400mSvの致死環境下で保管プールへの海水注入作業を行っているのだろうか? <- 訂正、5,6号炉はレイアウト上1,2,3,4号炉とは離れた場所にあるので比較的安全な作業環境であるといえます。5,6号炉の使用済み燃料に適切な手当てが出来ていることを祈ります。また、4号炉の鎮火は米軍のサポートがあったようです。これはアメリカに素直に感謝したいと思います。 <- 到着前に自然鎮火したようですが高濃度汚染地帯にも関わらず出動してくれた事に対してだけでも感謝です。

追記3: 枝野報告で4号機の火災は使用済み燃料とは関係ないようです。4号機の使用済み燃料プールの水温は40℃から85℃に昇温していますが沸点には達していません。また、5,6号機の使用済み燃料も問題ないようです。また、ぞっとするような400mSvの放射線量ですが昨日の3号機水素爆発の瓦礫から出ているようで広く拡散する類ではなさそうです。その証拠に第一原発正面のレベルも500uSvに落ちてきています。 そろそろ打ち止め...かな。