徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

放射能について

2011年03月21日 | 福島原発

大衆は簡単にパニックを起こす(私もその一人だが)。今回の東京の物不足がその一つの証拠だ。私が高校か大学の頃トイレットペーパーが無くなった時期がある。生産量は需要を十分カバーしているにも関わらずパニックに陥った消費者が必要以上に買い込み生産が追いつかなくなり、市場からトイレットペーパーが消えた。これは火事のとき出口に人々が殺到し、スムーズに逃げれば死ななくて済むのに、ほとんどの人が出口に折り重なって焼け死ぬのと同じ状況である。

ガラス張りの政府とか、全ての情報を開示せよ、などとマスコミは簡単にいうが、たとえば今回の福島第一の事故で発生した放射能(放射性物質)の問題を、政府はありのまま大衆に伝えるわけには行かないのだ。

その上で敢えて、低線量放射能は余り危険ではない、という事を主張したい。おいおい、お前いつから御用ブロガーになったんだ?という皆さんの反応が目に見えるようだが、私は科学的観点からこの問題を考えて見たいと思う。

一つの興味深いデータがある。 たとえば、こんな記述がある。

http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-02-05-05

(3) 低線量放射線による寿命延長

 高バックグランド地方に住む人々、核施設や原子力潜水艦に従事した人々は、しばしば低い死亡率を示すが、原子力産業で働いている作業員では骨髄性白血病のリスクが高いという報告もある。

実は、広島、長崎で被爆し被爆者手帳を持っている方々の寿命は我々より長い。それは多くの厳密な学術調査で確認されている。

http://157.1.40.181/naid/110001132359

今現在の食品等の放射線レベル基準は ”低線量毒性説”に基いて決められている。これは放射線被爆に閾値(しきいち)はなく、被爆量は少ないほど良いという仮説である。

しかし、考えてみれば我々は誰でも通常10mgの天然由来の放射性カリウム40を持っており常に3000ベクレルの内部被爆をしている。これは1mSv/年に相当する。確か、今回の汚染牛乳を1L飲むと33uSvになるらしいから、これは天然カリウム40被爆の30分の一である。

問題は、人類を含む生命体が放射線ダメージにたいして何らかの修正機構を持っているかどうかによる。近年の研究によればDNAは何重もの誤り訂正の修復機能があり低線量ダメージには十分適応できる機能が備わっていることが判ってきている。逆に、低線量を照射したラットの実験では放射線耐性が著しく向上するとのデータもありホルミシス効果として議論になっている。つまり、生命は進化の過程で放射線耐性の能力を得ているのだろう。

以上、現行法を規定している低線量毒性説には黄色信号が点り始めており、健康には全く影響の無いレベルで騒いでいる可能性が高い。

とにかく、正確な情報を知ることがパニックを起こさない唯一の方法なので各自がきちんと放射線被害に関する勉強をすることでしょう。(マスコミ情報は駄目ですよ。)

私は ”人は放射線になぜ弱いか 近藤宗平” を読むことをお勧めします。