徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

放射能ほうれん草を食べると、どうなるか?

2011年03月24日 | 福島原発

上の図は中央電力研究所がまとめた生体に与える放射線の影響です。

http://www.anshin-kagaku.com/kaneko.pdf

横軸は一時間あたりの放射線量率、放射線の強さです。ここではGyですがSvでも同じと考えてください。

縦軸はその放射線を浴び続けた総量。放射線の強さ x 時間で、例えば左下にある自然放射線:10^-7Gy/hrを50年間浴び続けると10^-7x24x365x50=4.38x10^-2 となります。

今回問題となっている放射性元素はヨウ素131とセシウム134ですが、ヨウ素131は半減期が8日で、一ヶ月も経てば10分の一に減ります。これなら、ひと月くらいほうれん草を食べるのを止めれば済む話です。ところがセシウム134の半減期は30年なのでそうは行きません。

茨城県高萩市で取れたほうれん草のセシウム134は、国の暫定基準の500Bq/kgに対して524Bq/kgという値を示しました。ベクレル単位をSv・Gy単位に変換するのは簡単にいかないのですが変換に便利なサイトがあります。http://testpage.jp/m/tool/bq_sv.php?guid=ON

コチラを使わせてもらうと、524Bq/kgのセシウム134は9.956uSv(uGy)に換算されます。この値はこのほうれん草を1kg食べ、50年間体内に留まり続けた場合、これだけ被爆する、という値です。

上の図では9.956uGyは枠外なので、例えばこのほうれん草を1トン食べると9.956mGyと言うことになり、やっと左端の下から2メモリ目に張り付きます。体に悪影響を及ぼすレベルとなると、そのまた1000倍近くを食べる必要があります。半減期を考慮に入れないとしても、1000トンの、この汚染ほうれん草を食べると50年後に何か悪影響が出るかもしれない、という事です。 つまり、ケッコウあほらしい話をしている、と言うことが御理解いただけると思います。

また、この図では空色で”生体に有効な領域”というのが示していますが、これが被爆者が一般人より長生きできる範囲です。このほうれん草を1000トンは食べすぎですが、100トン位に抑えておけば近藤先生みたいに長生きが出来そうです。

ちなみに、ヨウ素131は年齢依存性があり40歳以上の成人には影響は有りません。しかし小さな子供は甲状腺がん、になる可能性があるため、ここ一ヶ月ほどは汚染食品を与えず、ヨウ素剤を飲ませておく方が気分的には安心でしょう。(もっとも、1トンもほうれん草を食べる子供がいるとは思えませんが。)