16日8:50
良いニュースとして、福島第一原発6号炉の非常用ディーゼル発電機が再起動したようだ。これで6号炉とそれに併設されている5号炉とそれらの使用済み核燃料プールの保全が可能となる。また、1,2,3号炉の崩壊熱は海水注入が継続されており問題のピークは過ぎたと見て良いだろう。
残るのは4号炉の使用済み核燃料プールの保全ということになる。昨日の火災は保管燃料とは関係ないとの報道であったが今朝も再火災、自然鎮火が起こりこれは保管燃料の露出による水・ジルコニウム反応による水素燃焼だと考えざるを得ない。(<-修正あり、放射線遊離水素の可能性あり、下方記事参照) 今現在プールの水はどんどん蒸発を続けており崩壊した燃料棒が下部にたまり始めていると思われる。この場合、最悪の事態は再臨界による核反応の開始だが、まだそれによる中性子検出があったとの報道は無い。
対策は保管プールへの水注入、できればホウ酸水注入を早急に行うべきだが高濃度汚染により現場には容易には近づけない。政府・東電は4号建屋の爆発穴(8m)を経由してのヘリコプターか消防放水を検討しているようだ。
ところで報道では何も言わないが、1,2,3号炉の燃料保管プールはどうなったのだろうか?4号炉が何とかなったら今度はこっちが来そうだな。1,3号炉は天井が無いのでヘリ給水が可能か?そうなると2号炉プールが問題として残る。
16日11:00
3号機付近で水蒸気と思われる白煙があがりヒヤリとした。その後、枝野長官からの会見で3号機のサプレッション・プール破壊が起こった可能性があるとの事だ。3号機は1,2号機と同様にBWR・Mark-1タイプの軽水炉で格納容器のドライ・チャンバーとサプレッション・プールをSUSジャバラで接続しており構造上のボトルネックになっている。ただ、これは不幸中の幸いとも言えることで、この脆弱な部分が破壊することで安全弁の役割を担っているとも言える。これが事実であれば2号機と同様の事象であり事態がより悪化したとは言えない。
また気になる4号燃料保管プールの注水であるが、同様に枝野さんのコメントではヘリコプター等からの急速注入をした場合は深刻な悪影響が考えられるので他の配管を通して等の方法を検討しているとの事。確かに、ここで判断を間違えればプルトニウムを含む核廃棄物を大量に巻き上げる可能性があるので慎重な判断が求められる。保管プールの件は発熱量が知れているのでそんなにあわてる必要は無い。最大の問題は作業者が致死的環境で作業を進める必要があると言うことだ。 妄想ではあるが、本田のアシモが何とかしてくれないものだろうか...
16日12:00
保安院の発表の中で3号機サプレッション・プール内圧が0.09MPaと言っていた。言ってる本人は気がついていない様であったが、つまりは1気圧ということだ。さきほどの白煙は二号機と同様の3号機SUSジャバラ破壊による水蒸気の大気開放とみて間違いは無かろう。
以下、ブルームバーグの記事より、
3月15日(ブルームバーグ):ドイツのメルケル首相は15日、同国の原子力発電所の一部原子炉について、稼働を一時停止すると明らかにした。東日本大震災による原発事故を受けて実施する安全性調査の一環。ベルリンで記者団に語った。全国規模の調査を6月まで実施するのに伴い、使用年数が最も長い原子炉7基を非稼働とする。うち2基は現在停止中。新たに停止する5基の発電能力は計5.2ギガワットと、ドイツの原子炉計17基(20.7ギガワット)の25%を占める。
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昨夜、富士山直下で震度6の地震があり我が家も揺れた。丸山説によると黒点減少が今回の地震や霧島噴火を引き起こしている可能性を示唆している。東海、東南海地震がおこる可能性は考えておくべきだろう。静岡の浜岡原発であるが、あそこが今回の福島第一のようになると首都圏を直撃することになる。ドイツは即刻5台の原発を停止した。日本も早急に浜岡原発の冷温停止を検討すべきであろう。ちなみに、浜岡は福島と同じBWRである。
16日19:30
結局、自衛隊ヘリの水投下は中止となった。隊員の被爆を考慮した結果との事である。それはそれとして、下記のような書き込みを見つけた。
4号機の火事とは弱り目に祟り目。どうしてこんなことに。停止中の原子炉だが、使用済み燃料棒を沈めてある水プール付近で水素燃焼により出火したと。使用済み燃料からの放射線で水が分解し水素が発生する。換気が行われていれば水素が溜まることはないが、停電により換気されなかったことによるのか。
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確かに、保管プールの水量は膨大で崩壊熱で簡単に蒸発してしまうとも思えない。上記のコメントが正しければヘリからの水投下で整列してある保管燃料を投下ショックでぐちゃぐちゃにしてしまうことはリスクがある。ここは正念場であり、適切な判断を願う。