徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

福島原発 IAEAレポートより 3/31

2011年03月31日 | 福島原発

昨夜、2チャンネルは下記の記事で盛り上がっていた。しかし、これは今後、再臨界が起る可能性を指摘しているものであって既に起った、と言うものではない。確かに可能性はまだあるかもしれないが、その確率は非常に小さいだろう。

3月30日(ブルームバーグ):国際原子力機関(IAEA)は30日のウィーンでの記者会見で、東京電力福島第1原子力発電について、「再臨界」の可能性もあるとみて、分析作業を進めていることを明らかにした。IAEA原子力安全局担当のデニス・フローリー事務次長は30日、「最終判断ではない」と発言。「局所的に起こる可能性があり、放出が増える可能性もある」と述べた。

 

再臨界といえば東海JCO事故ではバケツの中のウランが臨界になり、作業員2名が中性子被爆で亡くなっている。臨界状態になったウランは中性子を出し続け、そばに近づけなくなったが国からの圧力を受け、結局JCO社員の決死隊が被爆覚悟で突入しバケツを冷やすウォーター・ジャケットの水を抜くことで反応を止めることが出来た。

連鎖反応が臨界に達するには水が重要な役割をはたす。ウランが分裂するときに出る中性子は光速の5%の速度を持ち高速中性子と呼ばれる。光速の5%(1.4万km/sec)にもなると相対論的効果(ローレンツ変換)が現れ、動いている中性子から見た他の止まっているウラン原子が縮小し吸収断面積が減少する。こうなると連鎖反応が続かない。そこで中性子と干渉を起こす水を入れることで中性子は減速し、相対論効果は薄れ相対的に大きくなったウラン原子と衝突し連鎖反応が継続する。つまり、空焚きになったら連鎖反応は継続しないのである。軽水炉はこの理由で比較的安全と言われている。

IAEAの今朝の報告によると炉心温度は、1号炉ノズル281℃、炉底134℃、2号炉ノズル177℃、炉底88℃、3号炉ノズル75℃、炉底116℃ と、問題無しです。