福島原発事故がレベル7との発表が保安院よりあった。事故当初はレベル4で、その後レベル5に修正し、今回一気にチェルノブイリ並みのレベル7へ引き上げた。その根拠は放出放射能(放射性物質)の量が累計37万ー63万テラBqなのでその基準に達している、との事だ。
この放射能はチェルノブイリの様に大気放出された分を言っているのか、それとも蓄積されている高濃度汚染水を含んでいるのか、が気になるところである。そこで汚染水の放射能を下記に基き計算して見た。
参照;http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/110405w.pdf
上記のデータによると、2号機スクリーン流入水の放射能濃度はI131,Ce134,Ce137の合計で9E6Bq/cm3である。少々、乱暴ではあるが現在滞留している6万トンの汚染水がこの濃度とした場合の総放射能量は、
9E6 Bq/cm3 = 9E12 Bq/Ton , 9E12 Bq/Ton x 60000Ton = 5.4E17 Bq
つまり、54万テラBqである。これが正しいとすると、保安院の主張する流出放射能の大半は汚染水に含まれていることになる。ご存知の通り、この汚染水の一部は海水に流出したが、水ガラスの注入で流出を止めることが出来、現在移送作業が進められている。よって、この手当てがキチンと行われればこれ以上、環境を汚染することは無いだろう。これを、全出力状態で炉心爆発し、放射能を大気放出したチェルノブイリと同等に扱うのは気が知れない。(下図参照)
私は、今回の保安院の発表は内外の批判に対して官僚が過剰反応したものと感じられる。いかにも、東大出の官僚には常識というものが欠如しているとしか思えない。