徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

宇宙は何でできているのか、を読んで

2011年04月28日 | 物理

村山斉の ”宇宙は何でできているのか” の書評が良いので買って読んだ。導入部は易しいのだが次第に現代素粒子論の核心部分、つまり小林・益川理論や南部の自発的対称性の破れ、ヒッグス粒子、超ひも理論等々となかなか付いていけない内容に踏み込んでいる。数式を使わずにこれらを説明する村山の才能には驚嘆する。本質を理解していないと出来ることではない。

その村山氏があっさりと、解らないと言っているのが、宇宙が何で出来ているかだ。その部分はこう書かれている、

星やガスなど宇宙にある全ての原子をかき集めても、全エネルギーの4.4%程度にしかなりません。...実は「原子以外のもの」が、宇宙の約96%を占めている。それがわかったのは、2003年の事でした。...その一つが「暗黒物質(ダークマター)」と呼ばれるものです。...しかし、原子と暗黒物質を合わせても、まだ27%。宇宙のほんの一部にすぎません。...(残りは)名前だけ一応はついていて「暗黒エネルギー」と呼ばれています。...(これは)きわめて非常識なことに、宇宙という「箱」がいくら大きくなっても、その密度が薄まることがありません。...もっと気持ちの悪い現象...宇宙の膨張スピードが「加速している」という事実です。

ここで、思い出して頂きたいのは私がブログの初めの頃に書いた”宇宙の始まりとエネルギー保存則” と言うページだ。

http://blog.goo.ne.jp/pgpilotx/e/ff543c39b59afcfcf813d60f44d41a12

宇宙が膨張する場合、それにより重力エネルギーは負の増加を示す。しかし、エネルギー保存則を守る限りその負の値を埋める正のエネルギーが発生しないと辻褄が合わない。暗黒エネルギーとはこれに相当するものでは無いか。村山はこの点には触れていないが結局、宇宙の総エネルギーは重力エネルギーと打ち消しあってほぼゼロ(プランク質量以下)になるのだろう。 宇宙の総体が実はゼロだという認識は、私を究極の”大いなる正午”に導く。