Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

本日コンサートのリハーサル報告(No.1725)

2010-01-07 00:27:16 | ピアニスト・佐伯周子
 昨日 1/6 に、岡原さんに大阪から1日早く東京にお越し頂き、演奏会会場の東京文化会館にて夕方から「リハーサル」を行った。ここだけの話だが速報する。
 まず連弾の2曲。

変奏曲 変ロ長調 D968A 作品82/2


 岡原慎也Primo。佐伯周子Secondo。「シューベルトの器楽曲」としては徹頭徹尾明るく楽しい曲想が巡る巡る。格調高い序奏から、「主題」が生まれ、4変奏曲を経て、フィナーレに飛翔する。とくにフィナーレは聴きごたえ満点の曲であり、演奏であった。

ソナタ ホ短調 D823 作品63+作品84


 佐伯周子Primo。岡原慎也Secondo。全4曲中、最大規模の曲。直前に出版された(ソロの)ニ長調ソナタD850 作品53 をさらに技巧的に凝らした曲であり、同時期に作曲していた「交響曲グレート D944」の響きがあちらからもこちらからも聞こえて来る。岡原慎也の豊かなリズムの上に、佐伯周子の「歌」が奏でられるフレーズが多いが、色彩感豊かなこと!
 演奏会当日の「トリ」にしたのは大正解だった!!
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 ここからは佐伯周子のソロ。

ソナタ 変ホ長調 D568 作品122


 テンポ変化の小さい曲だが、細やかな表情変化が巧み! 佐伯周子の見解では「循環ソナタ形式」との指摘があり、聴いてみると確かに「循環ソナタ」である。これまで出て来た全曲録音はほぼ全て聴いているのだが、佐伯ほどの説得力は初めてである。第2楽章と第4楽章の盛り上がりは、これまでのピアニストでは聴けなかった水準。是非、聴いてほしい。

ソナタ イ長調 D664 作品120


 この曲は「旧シューベルト全集」(1888)以来、多くの方に「若い(=幼い)女流ピアニスト向け」と完全に誤解された曲。跳躍あり、難しいオクターブ進行あり、の曲で、真価は今日まで聴けなかった曲のように佐伯周子の演奏を聴きながら感じた。やや小振りな第1楽章の後に、信じられない静寂が支配する第2楽章。そして「ウェーバー礼賛」の第3楽章。これは佐伯並みの技巧が無いと聞くことは難しいだろうなぁ。ウェーバーの「舞踏への勧誘」と同等かそれ以上の華やかさを聴かせてくれる。
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 アンコール曲について、ここでバラすと 岡原慎也 と 佐伯周子 に怒られるんだろな。名演を聴かせてもらいました。
 ご来場の皆様が、演奏に満足したならば、拍手喝采下さい!

本日のご来場を心よりお待ち申しあげます。当日券確実にあり


です。
 「プレトーク」は「第3グランドソナタの謎」がテーマになります。演奏にのみ興味ある方は聞く必要皆無です。「D568,D664,D823 のどれが第3グランドソナタ?」と思っていらっしゃる方は聞くと少しは役立つかも。「シューベルトの番号付け」は謎が多くて、学者毎に学説があるかのようです(爆
コメント
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