ハ短調ソナタ D958 第1楽章の難しさは、
の3点である。
他の後期シューベルトピアノソナタ(D840,D845,D850,D894,D959,D960)だと、もっと時間を掛けて説得してくれる事象が、凝縮されて出てくる。たった1曲の中期ピアノソナタ = D784 よりも、さらに第1楽章は短い。この点が「シューベルト弾き」に、「時間不足」を感じさせるのだろう。
D958第1楽章は、「ベートーヴェン : 32の変奏曲 ハ短調 WoO.80」に冒頭が似ていることで有名。
但し、
ことは、私高本が読んだ範囲の全ての文献で書かれていなかった。つまり「ベートーヴェン WoO.80 主題を元に作曲したことは間違いないが、可能性を最大限まで引き延ばした」点が語られていないのである。
- ソナタ全4楽章が「循環ソナタ」であるのに、気付かないピアニストが多く、「有機的統一」が為され難い
- 「音域」が抜群に広く、『動機の統一』が技巧的に難しい(違う音域だと「音の処理」がピアニスティック的に異なるため)
- 他のシューベルトピアノソナタに比べて、第1楽章の「時間的空間」が短く、次から次へと重要なことが頻出する
の3点である。
他の後期シューベルトピアノソナタ(D840,D845,D850,D894,D959,D960)だと、もっと時間を掛けて説得してくれる事象が、凝縮されて出てくる。たった1曲の中期ピアノソナタ = D784 よりも、さらに第1楽章は短い。この点が「シューベルト弾き」に、「時間不足」を感じさせるのだろう。
D958第1楽章は、「ベートーヴェン : 32の変奏曲 ハ短調 WoO.80」に冒頭が似ていることで有名。
但し、
D958第1楽章第1主題の方が ベートーヴェンWoO.80 よりも「全ての面で拡大されている」
ことは、私高本が読んだ範囲の全ての文献で書かれていなかった。つまり「ベートーヴェン WoO.80 主題を元に作曲したことは間違いないが、可能性を最大限まで引き延ばした」点が語られていないのである。