ブルックナー演奏で最重要なことは「指揮者がブルックナースケッチを読み解きオケメンバーに伝えること」。版問題、稿問題は二の次。を実証したロジェストヴェンスキー+読響
贅沢な演奏会であった。第4楽章だけのために13名(コントラファゴット1名、シンバル1名、トライアングル1名、バンダ10名)を待機させるシャルク版。その費用以外にも、スコア+パート譜の購入またはレンタル費用までかかってしまう。スクロヴァチェフスキ死去に伴うピンチヒッターの人選は難航したことが推察できるが、何と読響名誉指揮者=ロジェストヴェンスキーが引き受けてくれた。有難い限りである。だが「シャルク版」と言う21世紀の現代では考え難い『版』の選択であった。私高本は、昔々「クナーパーツブッシュ指揮」のLPで聴いたことがある。ブルックナーとは思えない、「さらさら演奏」で確か56分くらいであった。LP1枚で音質を損ねずプレスできる範囲であった記憶がある。本日配られた「金子建志執筆ライナーノート」は非常に素晴らしいのだが、演奏時間だけ大空振りw
「63分表示」だったが、おそらく「80分大巾越え」だった。多分85分前後。練習開始前にライナーノートは提出するから、時間は憶測になる。(前の公演前に刷り上がっている必要あり!)
ロジェストヴェンスキーの最大のポイントは「テンポ」。"Adagio" を本当に「極めて遅く」演奏するのだ。
第1楽章序奏
第2楽章
第4楽章序奏
これらが全て尋常ならざる "Adagio" で演奏される。弦楽器奏者は良いが、管楽器奏者は「息」が足りるのか? と言う遅さ。第1~第2楽章で50分は掛かっていたように感じる。