プリマドンナオペラ = アルファーノ「復活」カチューシャ役 を歌いきった橋爪ゆか!
アルファーノは偉大なイタリアオペラ作曲家であることは、東京オペラプロデュース 2012年12月「シラノ・ド・ベルジュラック」日本初演公演で既に確認できていたが、本日の「復活」はその時を遥かに上廻る出来。
「椿姫」「トスカ」と並ぶかそれ以上の プリマドンナオペラ であるが、橋爪ゆか は新国立劇場中劇場を震わせる声で歌い切った。脇役陣+合唱+オーケストラ もこれまでの東京オペラプロデュース公演よりも、「スビトフォルテ」が極めて効果的に用いられ、陰影の深い演奏になっていたことにも感動。
明るい未来がすぐに来るか? のような展開の直後の カチューシャ が 相手役=ディミトリ に捨てられた第2幕の 橋爪ゆか の歌と演技に私高本は涙が止まらなくなってしまった。
東京オペラプロデュースのチラシには、原作トルストイ の「重い」ストーリー展開を基軸にして粗筋紹介がされているが、
アルファーノの音楽は、モーツァルト「ダ・ポンテ3部作」クラスの明るい音楽が付けられている!
「ドン・ジョヴァンニ」も粗筋を読むと、聴く気が起き難いオペラであるのに極似しているかな???
アルファーノ は、オペラファンには結構有名な作曲家である。
・・・にも関わらず、代表作が近年、東京オペラプロデュースに拠って 「シラノ・ド・ベルジュラック」「復活」と日本初演となっているワケは
アルファーノが有名なのは、プッチーニ「トゥーランドット」の補筆完成版を作成したが、世界初演指揮者=トスカニーニに拠って『作曲家が書いたのはここまでです』と初演時に言われたことがあまりにも有名だから(泣
アルファーノの「オーケストレーション技法」は(同時代作曲家の)プッチーニを理想とはしていない。プッチーニよりは「低音指向」があり、むしろ1時代前の ヴェルディ に近い、と私高本は感じる。アリア や デュオ の時に、ソリストメロディーをオクターブ下で「そーっと」フォローしてくれるのは、プッチーニとは全く色合いが異なる。
「トゥーランドット」アルファーノ補筆完成版は私高本も聴いたことがあるが、プッチーニオリジナルまでとの「違和感」があることは否めない。だが、『アルファーノオリジナルオペラ』はいいぞ! プッチーニの後に「ヴェルディ風」が来ると、違和感あるよな(藁
合唱団 と オーケストラ の出来は過去最高!
これは明言しておきたい。
指揮者 = 飯坂純 の腕は凄い!
新国立劇場中劇場「前9列目まで撤去してオーケストラピットを前に出し、舞台も前に出し、音響を再優先する!」東京オペラプロデュースの手法が益々「手の内に入った」ように感じる。オケは8型、合唱団は女声12+男声12 なのだが、(4幕フィナーレで「弦楽器が足りないよな!」と感じた箇所以外では、「不足感」は無かったことをここに記す。
カーテンコールに今回は「合唱指揮者 = 中橋健太郎左衛門」を舞台に上げて欲しかった、ほど 東京オペラプロデュース合唱団 は出来が良かった。橋爪ゆか の歌唱&演技が廻りに影響を与えたのか? 廻りが 橋爪ゆか に影響を与えたのか? 双方なのか?
明日の楽日公演も聴きに行く。批評も掲載する。
イタリアオペラファンならば、是非是非聴き逃して欲しくない公演 = 東京オペラプロデュース「アルファーノ:復活」日本初演
明日 = 楽日公演 も チケット当日販売するとのことだ。