リフティングされると体が硬直する廣川みくり
前回の新国立劇場「くるみ割り人形」で全主役&全主要脇役批評した 当ピアノミュージックジャパン。新国立劇場「くるみ割り人形」2023.12-2024.01全主役キャスト&全主要脇役キャスト批評(No.2792) - Piano Music Japan
今回は、主要脇役は諦めて、主役のみ全5キャスト観ることにした。理由は「前回観て特に良いとは思わなかった脇役キャスト」を改めて観たいとは思わなかったからである。今回が初キャストの主要脇役は全て観て、の批評である。(雪の結晶ソロ1組を観なかった)
当初スケジュールは以下の通り。
- 12/21夜
- 12/22夜
- 12/26昼
- 12/26夜
- 1/4昼
前回最も見応えあった 池田奥村組を最後に観て、と思ったからである。
12月の4公演を観て。順に、木村組、柴山組、廣川組、小野組 である。う〜ん、プリンシパル3名は見応えあるのだが、廣川の動きが ソロは良いのだが、デュオがはっきり見栄えが悪い。1回では、はっきりわからなかったので、もう1回見ることにして、1/4夜廣川速水組を追加した。観た公演は以下の通り。
- 12/21夜
- 12/22夜
- 12/26昼
- 12/26夜
- 1/4昼
- 1/4夜
2年連続で素晴らしかった新年の 池田奥村組「くるみ割り人形」
2017年イーグリング振付世界初演時は、S〜Z券全席学生団体に売って「一般客締め出し」が大原前芸術監督評価だった 池田奥村組。その後、上演の度に組んでいた。会員情報誌アトレ2024年11月号には、池田&奥村のインタビュー記事が見開きカラーで掲載されるまでに評価が上がっていたので、大いに楽しみにして足を運んだ。
インタビューで特に印象的だったのが、池田が「奥村さんと話し合って、奥村さんが動き易いようにも踊るようにした箇所がある」旨であった。多分、前々回までは「池田が踊り易い」踊りだったのを前回から改善した、と推察する次第である。
2年連続で素晴らしい新年を迎えられたことに 池田奥村組 に感謝するばかりである。
前回「くるみ割り人形」批評で、『無難な出来』と記載した 2024年1月6日昼廣川速水組だが、同日夜小野福岡組に匹敵する出来では無かった。終演後のカーテンコールも倍以上か 3倍以上か と言う反応。何が原因かは判らなかった。
足が離れる(=リフティングされる)と体が固くなる 廣川みくり
廣川は、吉田都芸術監督になってから、積極的に役付きになった1人である。イーグリング振付「くるみ割り人形」では、吉田監督が重視している「雪の結晶ソロ」「花のワルツソロ」で評価されて、「クララ」起用となった。どちらも優美に踊っていた。(雪の結晶は今回も前回も踊っている)
雪の結晶は女性だけなので、リフティング無し。花のワルツソロは、花のワルツ群舞と同じ程度の短い(5秒無い?)リフティングがある。クララは脚が舞台に着いていない時間は長い。
「速水のサポートが悪い」と主張する 廣川ファンがいるが、前回の 柴山速水組は2回観たが両回ともに素晴らしく映えた柴山をサポートしていた。速水は次回は柴山と組ませてあげて欲しい。
廣川は、吉田監督の期待に応えて、柔らかさを習得して欲しい。
脇役では圧倒的な存在感を示した 直塚美穂
全18公演に3役(雪の結晶ソロ、スペインの踊り、花のワルツソロ)が発表されていた 直塚美穂、蓋を開けたら「ルイーズの友達」まで演じていた。
雪の結晶ソロ、スペインの踊り、花のワルツソロ は、それぞれ女性ソロと組むのだが、相手役まで、昨年までよりも映えていたことは驚き。影響力の強いダンサーと感じた。今後の活躍を期待する。
昨年の批評新国立劇場「くるみ割り人形」2023.12-2024.01全主役キャスト&全主要脇役キャスト批評(No.2792) - Piano Music Japan で良かった人は今回も良かったことを述べておく。 今年の年末〜来年新年の「くるみ割り人形」も大いに期待している。
65分足らずだが、すっ飛ばし感皆無で「快速名演」を達成した ルイージ指揮N響「第九」
16型弦、金管トラ無し、オーボエ&クラリネット トラ1名、コントラファゴットはフォゴット トラ、女声55名+男声44名 新国立劇場合唱団、44名ソリスト。
第1楽章冒頭から、響きが違う。第2ヴァイオリンと(内声時の)チェロを響かせるのだ。骨格ががっちりと組み上げ、曲の立体感抜群である。管楽器は強く吹かせるのでは無く、「自然な音量」で演奏するので、各楽器の最も自然な音となり流れる。
主題呈示 → 確保 → 展開 で、テンポがほぼ一定なので、連続性が強い。例えば「歓喜の歌」がチェロで呈示される時も、勿体を付けずに 速めに呈示するのだ。
バス=トマス・トマソン & テノール=スチュアート・スケルトン は、ディクションが極めて明瞭で、2人に引っ張られて 新国立劇場合唱団ディクションも通年よりも明瞭
これほど素晴らしい「第九」を聴かせてくれるなら、来年以降毎年ルイージ指揮を希望する。
ゲンダイオンガク → 古典派 で、またも古典派アンサンブルを乱した 鈴木優人指揮
プロオーケストラ定期演奏会では「時代の古い順に演奏するのが基本」がある。バッハ → モーツァルト → ラヴェル などが1例。だが 鈴木優人 は「ゲンダイオンガク → 古典派」を読響&N響で押し通して来たのがここ数年。確か「読売日本交響楽団 指揮者/クリエイティブ・パートナー」就任以降はこのスタイルを貫いて来た。
ゲンダイオンガク → 古典派 の悪い点は唯1つ。古典派冒頭でオーケストラアンサンブルが乱れる
これだけである。
「ベルリンRIAS室内合唱団」招聘 & 日本テレビ にて放映、の力の入った公演。
- べリオ:シンフォニア
- モーツァルト:レクイエムK.626(鈴木優人補筆校訂版)
べリオ:シンフォニア は、8名の声楽家と電子オルガンに マイク&スピーカ を入れた音響で「スピーカ無しが当然」のクラシック音楽愛好家には「耐えられない音響」。終演後は ブラヴォー と ブーイング が入り乱れた。演奏が正しかったのか? 間違っていたのか? 全く不明である。
後半の モーツァルト:レクイエム 冒頭のイントロイトゥス では、オーケストラが乱れ、その影響からか 声楽(合唱&ソロ)も アルトソロ 以外は、乱れてしまった。う~ん。
最終曲 コンムニオ では、アンサンブル乱れは直っていたが、モーツァルト直筆の イントロイトゥス が乱れていたので、満足度は極めて低い。
読響のアンサンブル力が低いのでは無い。読響は終曲前にはアンサンブルは整えた。だが、N響 は6月B定期で ウェーベルン → シューベルト 交響曲第5番 で、シューベルトで徹頭徹尾アンサンブルを合わせなかった。おそらく、N響は今後 鈴木優人を招聘しないだろう。
普通に モーツァルト → べリオ で演奏すれば、アンサンブル乱れは発生し難い。但し、半数(以上?)の聴衆は、休憩時に帰宅する。私高本も帰宅組である。
来年3月に ゲンダイオンガク → 古典派 を 鈴木優人 は3公演も振る。だが、次年度は「普通のプログラミング」に戻している。今後に注目したい。
2010年9月に新国立劇場バレエ芸術監督に就任した ビントレー。着任後、気付いたことが「前芸術監督=牧阿佐美」振付しか、再演可能な「日本人振付」作品が皆無><
芸術監督を引退した老人に 次作品振付を依頼は出来ない。
ビントレー が新国立劇場芸術監督と 並行して芸術監督を勤めていた バーミンガム・ロイヤル・バレエ団 では、創立以来、
の2名だけが「振付師」として有名。つまり、『20年に1人』くらいが相場である。
・・・ってことで、ビントレー が2011年に開始した"Dance to the Future"。毎年ではないが「ほぼ毎年」開催されている。
今回で14年目であるが、これまで「ライト&ビントレー&牧阿佐美級」の振付師が出ていなくて当たり前なのである。
これまでは、プリンシパルを中心にソリスト以上の人が振付をしていたが、今回は「アーティスト」2名を起用していたので、興味が湧き、今回初めて観た。
西川慶は新国立劇場バレエ団アーティスト。5名起用の振付で、池田理沙子だけ衣裳=白、他4名衣裳=黒、池田がソロで、4名が群舞。対比が鮮やか。西川自身は群舞の一員。
橋本真央は新国立劇場バレエ団アーティスト。女性のみ6名起用の振付で、イーグリング版「眠れる森の美女」の「22名の森の精霊」を暗示するような薄い緑の同じ衣裳。群舞にも見える部分と 岸谷沙七優 がソロで5名が群舞の部分を巧みに織り交ぜた。
木村優里振付「禁じられた遊び」は振付は「反戦」のテーマが伝わって来るのだが、編曲が極めて悪い。オリジナルのギターソロで振り付けた方が数倍効果が上がる、と感じた。
西川・橋本・木村 の3名だけ 11/30昼公演で ブラヴォーが掛かった。(29日は無し)
小尻振付は「暗さが好みに合わない」が、それなりに高水準。プリンシパル振付&ファーストソリスト振付は、「小尻振付の暗い照明」を受け継いでいたが、「小尻振付の広い踊り」は全く継承していなかった。指導しなかったのか? 指導したが従わなかったか? は不明。
小尻作品のみダブルキャストだったが、2日目は 五月女遥 が転倒してしまった。大事に至らず、続けて踊っていたが、初日の池田理沙子・渡邊拓朗 組の出来には全く至らなかった。
西川慶、橋本真央、木村優里 が「牧阿佐美級」になるかどうかは解らない。1人でいいから、育って欲しい。2人以上なら、尚素晴らしい。
芸術監督を引退した老人に 次作品振付を依頼は出来ない。
ビントレー が新国立劇場芸術監督と 並行して芸術監督を勤めていた バーミンガム・ロイヤル・バレエ団 では、創立以来、
- ピーター・ライト
- ビントレー
の2名だけが「振付師」として有名。つまり、『20年に1人』くらいが相場である。
・・・ってことで、ビントレー が2011年に開始した"Dance to the Future"。毎年ではないが「ほぼ毎年」開催されている。
今回で14年目であるが、これまで「ライト&ビントレー&牧阿佐美級」の振付師が出ていなくて当たり前なのである。
これまでは、プリンシパルを中心にソリスト以上の人が振付をしていたが、今回は「アーティスト」2名を起用していたので、興味が湧き、今回初めて観た。
見応えあった 西川慶振付「Re」& 橋本真央振付「Afterglow」
西川慶は新国立劇場バレエ団アーティスト。5名起用の振付で、池田理沙子だけ衣裳=白、他4名衣裳=黒、池田がソロで、4名が群舞。対比が鮮やか。西川自身は群舞の一員。
橋本真央は新国立劇場バレエ団アーティスト。女性のみ6名起用の振付で、イーグリング版「眠れる森の美女」の「22名の森の精霊」を暗示するような薄い緑の同じ衣裳。群舞にも見える部分と 岸谷沙七優 がソロで5名が群舞の部分を巧みに織り交ぜた。
木村優里振付「禁じられた遊び」は振付は「反戦」のテーマが伝わって来るのだが、編曲が極めて悪い。オリジナルのギターソロで振り付けた方が数倍効果が上がる、と感じた。
西川・橋本・木村 の3名だけ 11/30昼公演で ブラヴォーが掛かった。(29日は無し)
小尻振付は「暗さが好みに合わない」が、それなりに高水準。プリンシパル振付&ファーストソリスト振付は、「小尻振付の暗い照明」を受け継いでいたが、「小尻振付の広い踊り」は全く継承していなかった。指導しなかったのか? 指導したが従わなかったか? は不明。
小尻作品のみダブルキャストだったが、2日目は 五月女遥 が転倒してしまった。大事に至らず、続けて踊っていたが、初日の池田理沙子・渡邊拓朗 組の出来には全く至らなかった。
西川慶、橋本真央、木村優里 が「牧阿佐美級」になるかどうかは解らない。1人でいいから、育って欲しい。2人以上なら、尚素晴らしい。
ソロは素晴らしかったが、重唱が全く映えなかった 原語フランス語日本初演 新国立劇場ロッシーニ「ウィリアム・テル」
招聘3名の主役ソロは素晴らしく「ブラヴォーの嵐」となったが、重唱(合唱付きを含む)が全く冴えず、カーテンコールも「並み」で、2回で拍手が完全に鳴り止んだ。
- 招聘3名=ミシュケタ(ウィリアム・テル)、ベルバラ(アルノルド)、ペレチャッコ(マティルド)は全員新国立劇場で実績あり
- 合唱団はベスト
- 指揮=芸術監督=大野和士
- 演出は新国立劇場「夜鳴きウグイス/イオランタ」で実績あるコッコス
と言う万全の配置だったのだが、
重唱が「最高声部だけ目立つ」曲ばかりで、全く冴えない
が延々と続く。初めは、「大野和士の指揮が原因?」と思っていたのだが、どうも違う。「セビリアの理髪師」重唱では、低音パートがアジリタで、どんどん盛り上げて行くのだが、「ウィリアム・テル」重唱低音パートは「和音の支え」なのである。う~ん、これでは指揮者が誰でも盛り上げられない曲と感じる。プログラムノートには
- オペラセリア「ウィリアム・テル」はオペラブッファ「セビリアの理髪師」と並ぶ代表作 表記
- 「ウィリアム・テル」上演は日本だけでなく、世界的に極めて少ない
が併記されているが、「ウィリアム・テルは曲の魅力が少ない」の記述は一切無い。(通常無い)
1815年作曲「セビリアの理髪師」はイタリアだけでなく、ロンドン・パリ・ウィーン・ニューヨークで大ヒットした旨、記載されているが、その後のオペラセリアは、「世界中に広がった」記載が無い。
重唱がこれだけ魅力無ければ、人気出ないだろう。
全5公演S券余裕あり=「ウィリアム・テル」は人気無いので、再演はしない → 大道具&衣装は即廃棄 して欲しい
上演時間4時間40分の ロッシーニ「ウィリアム・テル」。ワーグナー「ニーベルングの指輪 4部作」など、これ以上の時間を食う大作は存在するが、ロッシーニ「ウィリアム・テル」よりも演奏頻度は2桁以上に高い。
原因は「曲の魅力」である
重唱が全く魅力無いだけでなく、ソプラノ=マティルド役に唯一与えられたアジリタ も「セビリアの理髪師」よりも聴き応えが無いのである。ペレチャッコの演奏が悪いのでは無い。曲が魅力無いのである。「効果が無い」のである。
コッコス演出は「ブーイング」vs.「ブラヴォー」拮抗
上下の対比は素晴らしい コッコス演出だが、「反射板が皆無」で音響的には「聴こえ難い」。後ろで歌うと聴こえないのである。「後ろ」と言うか「真ん中」辺りで聴こえないのである。「ブーイングが出て当たり前」である。
昨日、 NHK交響楽団第2018回C定期公演尾高忠明指揮「白鳥の湖」抜粋批評 が第2位と第6位に入った。
第2位 NHK交響楽団第2018回C定期公演2日目2024.09.28尾高忠明指揮「白鳥の湖」抜粋批評(No.2961) - Piano Music Japan
第6位NHK交響楽団第2018回C定期公演初日2024.09.27尾高忠明指揮「白鳥の湖」抜粋批評(No.2959) - Piano Music Japan
何と、N響最新批評より上位www
https://plus.nhk.jp/watch/st/e1_2024111729847 放映が直接原因。NHK受信料払っている人は無料で 11月24日23時まで全編見れるから、見落とした人は是非是非見て下さい。
チャイコフスキー「白鳥の湖」組曲は「2管編成だけ抜粋」は知らなかったです、尾高先生(感謝
映像観たらフルートは3名でしたが。(組曲版もフルート3名)
である。
「N響2024-25シーズンベストコンサート」の予感。11月今日まででは圧倒的ベスト。ブロムシュテット指揮シューベルト「グレート」も良かったのだが、「未完成」が今一つだったので。
だった、と感じる。
「空いたNHKホールは響く」ぞwww
第2位 NHK交響楽団第2018回C定期公演2日目2024.09.28尾高忠明指揮「白鳥の湖」抜粋批評(No.2961) - Piano Music Japan
第6位NHK交響楽団第2018回C定期公演初日2024.09.27尾高忠明指揮「白鳥の湖」抜粋批評(No.2959) - Piano Music Japan
何と、N響最新批評より上位www
https://plus.nhk.jp/watch/st/e1_2024111729847 放映が直接原因。NHK受信料払っている人は無料で 11月24日23時まで全編見れるから、見落とした人は是非是非見て下さい。
チャイコフスキー「白鳥の湖」組曲は「2管編成だけ抜粋」は知らなかったです、尾高先生(感謝
映像観たらフルートは3名でしたが。(組曲版もフルート3名)
尾高忠明曰く「今日の本番をチャイコフスキーさんに聴いてほしい」自信作
である。
「N響2024-25シーズンベストコンサート」の予感。11月今日まででは圧倒的ベスト。ブロムシュテット指揮シューベルト「グレート」も良かったのだが、「未完成」が今一つだったので。
「尾高忠明一世一代の名演」
だった、と感じる。
「空いたNHKホールは響く」ぞwww
第4楽章だけ爆発させ、37歳にして「一般参賀」を受けた エストラーダ指揮ショスタコーヴィチ「革命」
第1~3楽章を音量を抑えて、第4楽章で爆発させる ストーリーを披露した 指揮者=エストラーダ。狙いは当たり、ブラヴォーの嵐が来て、一般参賀に至った。音量抑えた第3楽章まででは、ピアノ&ピアニッシモで、主旋律しか聴こえない箇所続出であったが、終演後の反応は、圧倒的支持であった。
トランペット奏者ラインホルト・フリードリヒ を迎えた ヴァインベルク作曲トランペット協奏曲 は、「ショスタコーヴィチ風」のパロディが特徴。第3楽章冒頭に打楽器を従えた カデンツァ が聴きどころ。
2つの ミュート を駆使した音色の豊かさは、他では聴けない。「息の長さ」も半端無く長い。アンコールの「さくらさくら」も含め素晴らしかった。
2024年10月20日(日)標題の演奏会が「リハーサル風景」込みでTV放映された。当該批評は以下の2本。
NHK交響楽団第2016回定期公演2024.09.14ルイージ指揮ブルックナー交響曲第8番批評(No.2945) - Piano Music Japan
NHK交響楽団第2016回定期公演2024.09.14 & 15ルイージ指揮ブルックナー交響曲第8番批評(No.2946) - Piano Music Japan
興味深かったのは、「リハーサル風景」。
になり、私高本が初日に見た配置となった。
練習番号D(97小節)から練習番号G(143小節)まで、ワーグナーチューバ4番奏者とチューバ奏者(ノヴァーク校訂楽譜には「コントラバスチューバ」と記載されている!)は「オクターブで演奏」が半分以上なので、納得の指示である。
本番については、NHK交響楽団第2016回定期公演2024.09.14ルイージ指揮ブルックナー交響曲第8番批評(No.2945)記載の通り。
実は、2022年12月3-4日ルイージ指揮ブルックナー第2番初稿 は2日共に悪い演奏では無かったのだが、感動に至らなかったので、批評は書かなかった。初日の放映を録画しておいたので、今回改めて聴いて見ると
のである。第4番や第8番では繋がっているのだが。ルイージの解釈なのか? 練習時間不足か? は分からない。
ルイージ指揮ブルックナーは、第9番 → 第4番(1878/80年稿) → 第2番初稿 → 第8番初稿 の順に演奏したハズ。第9番はナマを聴いていないのでわからない。(NHK放送では音響を操作するから)
第4番は良かったので、第2番を期待して聴きに行ったらハズレ、第8番は期待せずに行ったらアタリ、よく解らないモノです。
NHK交響楽団第2016回定期公演2024.09.14ルイージ指揮ブルックナー交響曲第8番批評(No.2945) - Piano Music Japan
NHK交響楽団第2016回定期公演2024.09.14 & 15ルイージ指揮ブルックナー交響曲第8番批評(No.2946) - Piano Music Japan
興味深かったのは、「リハーサル風景」。
第1楽章開始早々、チューバ奏者をワーグナーチューバの「隣に移動」指示、それに伴いトロンボーン奏者が左から3番、2番、1番順にチューバの右
になり、私高本が初日に見た配置となった。
練習番号D(97小節)から練習番号G(143小節)まで、ワーグナーチューバ4番奏者とチューバ奏者(ノヴァーク校訂楽譜には「コントラバスチューバ」と記載されている!)は「オクターブで演奏」が半分以上なので、納得の指示である。
本番については、NHK交響楽団第2016回定期公演2024.09.14ルイージ指揮ブルックナー交響曲第8番批評(No.2945)記載の通り。
実は、2022年12月3-4日ルイージ指揮ブルックナー第2番初稿 は2日共に悪い演奏では無かったのだが、感動に至らなかったので、批評は書かなかった。初日の放映を録画しておいたので、今回改めて聴いて見ると
ルイージ指揮ブルックナー第2番は、音と音の繋がりが悪く、「切れて聴こえる」
のである。第4番や第8番では繋がっているのだが。ルイージの解釈なのか? 練習時間不足か? は分からない。
ルイージ指揮ブルックナーは、第9番 → 第4番(1878/80年稿) → 第2番初稿 → 第8番初稿 の順に演奏したハズ。第9番はナマを聴いていないのでわからない。(NHK放送では音響を操作するから)
第4番は良かったので、第2番を期待して聴きに行ったらハズレ、第8番は期待せずに行ったらアタリ、よく解らないモノです。
ベルワルド作曲交響曲 第4番 変ホ長調「ナイーヴ」が素晴らしかったブロムシュテット指揮
- シベリウス/交響詩「4つの伝説」作品22─「トゥオネラの白鳥」
- ニルセン/クラリネット協奏曲 作品57
- ベルワルド/交響曲 第4番 変ホ長調「ナイーヴ」
プログラムであったが、メインの ベルワルド交響曲第4番が素晴らしい出来だった。
・・・だが、前半はそれほどの出来には達していなかった。シベリウス「4つの伝説」は4曲通して私高本は聴きたかったし、ブロムシュテットも振りたかった、と思う。
ニルセン クラリネット協奏曲は、小太鼓が喧しい曲。アンコールに ニルセン5重奏曲をフルート&オーボエ抜きの3重奏演奏は曲を舐めている。後半ベルワルト交響曲にフルートもオーボエも入っているのだから、舞台に挙げて5重奏曲として演奏するのが本来の姿。
来年度もN響首席クラリネット奏者に拠るクラリネット協奏曲がB定期
に組み込まれている。「1回券チケットが購入出来ないから年間B定期会員になっている=私高本」。多くのB定期会員も同じ思いのことと察する。全席完売とのことだったが、8割の入りに見えた。「協奏曲重視」と銘打ちながら、N響団員ソロで2年連続クラリネット協奏曲かよ(怒
最も心に残ったN響コンサート 中間発表
(第1位~第5位、以下すべて暫定順位)
- 第1位|12月Aプログラム
(2023年12月16日、17日)
マーラー/交響曲 第8番 変ホ長調 「一千人の交響曲」
ファビオ・ルイージ(指揮)
ジャクリン・ワーグナー、ヴァレンティーナ・ファルカシュ、三宅理恵(ソプラノ)
オレシア・ペトロヴァ、カトリオーナ・モリソン(アルト)
ミヒャエル・シャーデ(テノール)
ルーク・ストリフ(バリトン)
ダーヴィッド・シュテフェンス(バス)
新国立劇場合唱団(合唱)
NHK東京児童合唱団(児童合唱)
- 第2位|2月Aプログラム
(2024年2月3日、4日)
ヨハン・シュトラウスII世/ポルカ「クラップフェンの森で」作品336
ショスタコーヴィチ/舞台管弦楽のための組曲 第1番 -「行進曲」「リリック・ワルツ」「小さなポルカ」「ワルツ第2番」
ショスタコーヴィチ/交響曲 第13番 変ロ短調 作品113 「バビ・ヤール」*
井上道義(指揮)
アレクセイ・ティホミーロフ(バス)*
オルフェイ・ドレンガル男声合唱団(男声合唱)*
- 第3位|5月Aプログラム
(2024年5月11日、12日)
パンフィリ/戦いに生きて[日本初演]
レスピーギ/交響詩「ローマの松」
レスピーギ/交響詩「ローマの噴水」
レスピーギ/交響詩「ローマの祭り」
ファビオ・ルイージ(指揮)
- 第4位|1月Aプログラム
(2024年1月13日、14日)
ビゼー(シチェドリン編)/バレエ音楽「カルメン組曲」
ラヴェル/組曲「マ・メール・ロワ」
ラヴェル/バレエ音楽「ラ・ヴァルス」
トゥガン・ソヒエフ(指揮)
- 第5位|6月Aプログラム
(2024年6月8日、9日)
スクリャービン/夢想 作品24
スクリャービン/ピアノ協奏曲 嬰ヘ短調 作品20
スクリャービン/交響曲 第2番 ハ短調 作品29
原田慶太楼(指揮)
反田恭平(ピアノ)
「最も心に残ったN響コンサート」は全てA定期。B定期皆無
素晴らしかった前半 伊福部昭「サロメ」から「7つのヴェールの踊り」&ブラームス ヴァイオリン協奏曲
常任指揮者=ヴァイグレ指揮の定期演奏会。直後に「ヨーロッパツアー公演」に持って行くプログラムである。
「日本モノ」として選ばれた=伊福部昭「サロメ」から「7つのヴェールの踊り」である。リズムに固執する伊福部昭の特徴を掴み切った鋭い演奏。盛大なブラヴォーが冒頭曲から繰り広げられた。
続くブラームス ヴァイオリン協奏曲。初共演となるテツラフであったが、「ピアニッシモの語りと囁き」を絶妙に活かしたヴァイオリンの妙技を披露、ブラヴォーの嵐となった。アンコールのバッハを含め、「ヴァイオリン ピアニッシモの魅力」を余すところなく発揮した。
後半のラフマニノフ交響曲第2番は、好悪別れる演奏。読響は充分に鳴っているのだが、効果が伊福部&ブラームスに比べて希薄なのである。第1楽章終了時、退出者出たのは理解できる。ヨーロッパ公演も後半大丈夫?
終演時間=21時16分。
井上道義 最後のオペラ指揮は「真剣道義」の顔で締めた
井上道義指揮オペラは「真剣」と「おふざけ」の回があった。最後のオペラにプッチーニ「ラ・ボエーム」を選んだが、どちらになるかは、解らなかった。今回もダンサー4名が事前発表されており、不安は尽きなかった。ジャコモ・プッチーニ/歌劇『ラ・ボエーム』 東京芸術劇場
ミミ:ルザン・マンタシャン
ムゼッタ:イローナ・レヴォルスカヤ
コッリーネ:スタニスラフ・ヴォロビョフ
と3名も外国人招聘しているので、期待も大きかったが。
演出・振付・美術・衣裳=森山開次 は、プッチーニ音楽&ト書き に忠実
ダンサー出身の森山だが、歌中心の演出である。東京芸術劇場は「オペラ用ホール」では無いので、しっかりした大舞台は不可能。その中で「パリの屋根裏部屋」「パリ、カルティエ・ラタンにあるカフェ・モミュス」を(安普請だが)雰囲気を醸成する。女性主役2名は、しっかりした歌唱。ロドルフォ:工藤和真 も伸びのある高音を響かせる。読売日本交響楽団は弦8-9-6-6-4 編成で左から第1Vn, 第2Vn, Vc, Va で第2Vn 左奥に Cb と言う「低音分断配置」であったが、特に不都合も無かった。
1階1~6列の座席を取り外し、オケピットにした。
NHK-BS4K にてこの日の演奏を放映とのこと、来年だが。関西や川崎公演がこれからあるので、興味ある方はお聴き下さい。
音楽的に大成功を収めたベニーニ指揮ムスキオ+シラグーザ「夢遊病の女」
10月5日に還暦を迎えるシラグーザがエルヴィーノ役、欧米で大活躍若手ムスキオがアミーナ役と主役2名に超大物が起用されたシーズンオープニング「夢遊病の女」初日。女声23名+男声29名の新国立劇場合唱団は、迫力十二分。ベニーニ指揮は安定しており、細かな指示が次々に繰り出される。主役2名の高音のメリスマは、それは見事なこと!アリア直後に「ブラヴォーの嵐」が毎回出る!
に主役だけでなく、指揮者や合唱指揮者や振付家などのビデオが豊富にあるが、全日C席以上余裕あり、である。最近の新国立劇場オペラはつまらないことが多かったことが、裏目に出ているようである。
シーズンオープニングで新演出(リュック)なのに、演出家がカーテンコールに出て来なかった。テアトロ・レアル & 新国立劇場 & リセウ大劇場 & パレルモ・マッシモ劇場 の4オペラハウス共同演出で、最初がテアトロ・レアル。その時に盛大なブーイングを喰らったのだろうか?
第1幕も第2幕もオーケストラ演奏開始前に延々と「アミーナ役に10名のダンサーが絡む」を見せつけられた。ダンサーは主役の歌は邪魔しないが、オーケストラと合唱団の音を妨げる雑音を「わざと」出す。「演出家はブーイングだろう」と私高本は感じたが、出て来ない、は意表を突いた。演出以外=音楽は充分に満足行くシーズンオープニング「夢遊病の女」であった。
【2024.10.04 19:30 追記】
(本日平日だが昼公演観に行ったので、夜追記しました)
4オペラハウス共催なのに、大道具も衣装も安っぽいリュック演出「夢遊病の女」
第1幕1場、2場、第2幕1場、2場と「4場面の大道具が転換される」リュック演出だが、全てが安っぽいのだ。4場面全ての大道具全部価格は、新国立劇場粟国淳演出「ラ・ボエーム」第1幕冒頭の「パリの屋根裏部屋」だけよりも安い、感じ。第1幕は真ん中に1本の木があって、1場は5本の棒に8枚の布切れ、2場は2本の棒に8枚の布切れ、これほど安っぽい大道具は初めて見た。「段ボールのフィガロの結婚」未満の安っぽさである。
ダンサーの「オーケストラ&合唱団妨害騒音」も含めて、『演出家登壇ならばブーイング大炸裂』の演出であった。即廃棄して欲しい。
ベッリーニ「夢遊病の女」は、原純 or 粟国淳 で新演出して欲しい
外国人でも良いぞ! 初日登壇出来ない演出は、即廃棄。
終曲が初日を上回り盛り上げた2日目 尾高忠明指揮N響「白鳥の湖」抜粋
初日が圧倒的な聴衆の支持を受けた 尾高忠明指揮「白鳥の湖」。2日目は終曲第29曲が初日以上に「ハープの入り」以降が盛り上がり、終演後の「ブラヴォーの嵐 + 一般参賀」が連日繰り広げられた。出来れば本日2日目を収録放映して欲しいがそれは無理。来期以降、尾高忠明指揮を「年に2定期以上」聴きたい。チャイコフスキーバレエは得意そうなので、「眠れる森の美女 + くるみ割り人形」も期待したい。
NHKホール音響を全て把握した 尾高忠明
NHK交響楽団正指揮者 と言うのは、日本人にしか出されたことのない肩書で、現在は 尾高忠明 と 下野竜也 が就任している。ここ数年見ていると、「Ñ響定期年1回」振る、である。つまり、「年1回のN響定期を見事に振れないとそこまで」の判断である。2024年9月-2025年6月シーズンも この 2024年9月C定期 のみである。
前半の チャイコフスキー「ロココ風の主題による変奏曲」は10型オーケストラによる「小さな音」の演奏。私高本は「チャイコフスキー協奏曲は16型オーケストラを突き抜けるが醍醐味」と信じているので、好みに全く合わない演奏。尾高忠明の意向なのか? チェロソリスト=N響首席チェロ=辻本玲の意向なのか? は不明。
後半のチャイコフスキー「白鳥の湖」抜粋が始まって直ぐに耳を疑った。
前々週 ルイージ指揮ブルックナー第8番 よりも「弦が鳴っている」
のだ。ルイージ指揮ブルックナー も充分に弦も鳴っていた。それ以上なのである! 同じ16型なのに。序奏 演奏中、耳と眼に神経を集中した。発見!!!
N響弦楽器が「ルイージよりも1m以上舞台奥配置」
NHKホールは元来、オペラやバレエで「オーケストラピット使用」時が『現在のN響定期公演』の座席であった。オープニング時は、「ピット」相当に5列座席を配置して、客席数を増やしていた。それが、1996年には、前3列を潰して、オーケストラ用に張り出し、2列だけ客席を配置し、P4列P5列として販売していた。ルイージ指揮ブルックナー第8番は未放映なので、直近放映の6月C定期第2014回定期=沖澤のどか指揮映像で確認した。相当に客席寄りに指揮台配置である。沖澤 はN響定期初登場だったので、これが「N響NHKホールでの通常配置」であろう。
尾高忠明指揮「白鳥の湖」は終演後「ブラヴォーの嵐」
尾高忠明ブラヴォーの嵐は、私高本の記憶に無い。ルイージ指揮ブルックナー第8番並みである。客入りは半分以下に2~3階は見えたので、支持率は尾高忠明 の方が高い。
「一般参賀」で尾高忠明は呼び戻された。日本人指揮者では、朝比奈隆晩年や引退発表後の井上道義くらいであった。圧倒的な聴衆支持。私高本 は2日目も「白鳥の湖」聴きに行く。