詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

 年譜  青葡萄  一つの星をうたおう   李陸史(イユクサ)

2012年11月24日 | 食・環境
 
    李陸史(イユクサ) 訳/安宇植(アンウーシク)                                        
「おまえは石橋の袂(たもと)で拾ってきた」といっていた
祖母の叱言(こごと)をまこととしよう

おれは本当に堤防の傍のあの村に
捨てられた 孤児たっだのかもしれない?

だから十八歳の新春は
柳笛の調べに託してやり過ごし

初恋が流れていった港町の夜
涙混じりに飲んだ酒は 真っ赤な血よりも甘かった

功名がおれを嫌ってるといわれようと 一度でも声をかけたことがあったか
風まかせに帰ってきた村もからっぽで

霜を踏んで歩いた夜明けの路上で
肝臓ばかりが白っぽく紅葉し

蜘蛛の巣だけが足首に絡みつくにしても
鉄鎖につながれたように重くなる

雪の上を歩いていくと 足跡が地図になり
ときには不安におののき 風も吹く
(安宇植訳「李陸史詩集 韓国文学名作選」講談社より)


    青葡萄    李陸史(イユクサ) 訳/安宇植(アンウーシク)

わがふるさとの七月は
たわわの房の葡萄の季節

ふるさとの伝説は一粒一粒に実を結び
つぶらな実に遠い空の夢を宿す

空の下の青海原は胸を開き
白い帆船が滑るように訪れると

待ち詫びる人は船旅にやつれ
青袍(あおごろも)をまとって訪れるという

待ち人を迎えて葡萄を摘めば
両の手のしとどに濡れるも厭わず

童(わらべ)よ われらが食卓に銀の皿
白い苧(からむし)のナプキンの支度を


    一つの星をうたおう   李陸史(イユクサ) 訳/安宇植(アンウーシク)


一つの星をうたおう。たった一つの星を
十二星座のあのおびただしい星の群れを どうしてうたえようか

たった一つの星! 朝 消え去るときに見て 夜 現れるときに見る星
ぼくらとものすごく親しく もっとも輝かしい星をうたおう
美しい未来を切り開く 東方の大きな星を持とう

一つの星を持つことは 一つの地球を持つこと
染みだらけの悲しみよりほかに失うものとてない 古臭いこの地上で
一つの新しい地球をわがものとする 来たる日の喜びの歌を
喉も裂けよと声を張り上げ 心ゆくまでうたってみよう

乙女の瞳を感じつ帰っていく 軍需夜業の若き友たち
青いオアシスを思い描く辛い砂漠の キャラバンも心を潤すがいい
火田(かでん)に石くれを拾う農民たちも 沃野千里をわがものとしよう

だれもがおのれにふさわしい豊饒の地球の主宰者として
主(あるじ)のなき一つの星をわがものとする 歌をうたおう

一つの星一つの地球がしっかりと鍛えられたその地上に
あらゆる生産の種をわれらが手で蒔いてみよう
嬰粟(えいぞく)のような輝かしい実を穫り入れる饗宴では
礼儀にこだわることなしに半酔の歌でもうたってみよう

厭離穢土(えんりえど)し人々を治めたまう神はつねに神聖にして
新星を求めていく移民の群れに加わることはないから
新しい地球に寄せられた罪なき歌を 真珠のごとく撒き散らそう

一つの星をうたおう。たとえ一つの星であれ
一つまた一つの十二星座すべての星をうたおう


素敵な詩人はどこ国にでもいる。心惹かれる詩も・・
最近のぼくのお気に入りの詩人が戦前の朝鮮半島の詩人、李陸史(イユクサ、1904~1944年)。抗日運動家でもあった李陸史(イユクサ)が日本の官憲によって殺されたのは、まだ41歳の時だったという。
【訳注】
・火田(かでん) ・・・ 焼き畑のこと。
・罌粟(えいぞく) ・・・ ケシが嬰粟と誤伝されたのであろう。ケシは韓国では、楊貴妃と呼ばれるほうが多い。
・厭離穢土(えんりえど) ・・・ 仏教で、汚れたこの世を嫌って離れること。

最近のメモ帳からー

2012年11月24日 | 日記

ここはほんとにすごい!ほぼあらゆる分野の問題が図録されてるブログ『社会実情データ図録』はー『ここ』

管直人が街頭演説で「売国奴」と罵倒というならなら・・野田は「奴隷豚」か・・民主党はみな同じ植民地の奴隷集団。まるで反省する気がなく上から目線の世襲馬鹿ばかりの自民党は「原発事故デフレ不況反省しろ」。維新は「ペテン師詐欺師」。公明党は「ゴキブリほいほい」

これがいつも人体実験しか考えない奴らのやり口ー『ここ』

自民党が国防軍公約をマスコミで宣伝中だが、自民党の改憲の狙いは憲法の制約を無視して「集団的自衛権行使を可能に」。集団的自衛権とは、自国が攻められてもないのに同盟国が戦争開始したら参加する権利。維新も野田も同じ方向。完全な憲法違反で米軍尖兵にされる自衛隊が米軍の弾除けに

必見!翼賛民自公推薦の猪瀬都知事候補を田中康夫前長野県知事がメッタ斬りの対談『「現実主義」という名のイデオロギー』はー『ここ』

『自民党・CIA・統一教会・北朝鮮が一体物だという事実がよくわかる秀逸な資料集ですね』はー『ここ』

福田氏の引退で、自民党にはもうまともな政治家がいなくなってしまった。自民党も維新もナチスと変わりないファシズム政党に変貌中・・それについてゆく公明党は相変わらずのゴキブリほいほい党

韓国はアジア金融危機後のIMF支配(日本の金で)で構造改革、国営企業民営化と外資へ市場開放強制され、米韓FTAで植民地化完了。TPPでは日本も同じ運命に。『米ファンドが韓国政府を提訴 「韓国銀の売却巡り損失」 』はー『ここ』

自民党案:「軍事裁判所新設」って書いてある…。基本的人権の削除といい、ヤバすぎと話題に・・
『日本国憲法改正草案』がヤバすぎだ、と話題に・・・』はー『ここ』

日本はもうナチス政権樹立直前常態なんだから・・党利党略ではなくもっと大人になってファシズムに反対の統一戦線が急務!今度の選挙で、共産党は社民と生活との共闘を実現できなければ、もはや多くの国民から見放されてしまうだろう。その崖っぷちに立ってる、という自覚が必要!

「青い薔薇」で、『虚無への供物』(中井英夫)連想ー『ここ』
小栗虫太郎『黒死館殺人事件』、夢野久作『ドグラ・マグラ』とともに、日本探偵小説史上の三大奇書と並び称される

何故かいつも、他の所は大丈夫なのに・・フォローも、リツイートも、お気に入りもできない謎のツイッターはー『ここ』


小栗虫太郎は好きな女性から薦められて読んだけど、とても読みやすい作家だった(彼の家に居候してたのが、確か、懐かしい絵本『セロ弾きのゴーシュ』で有名な茂田井武)。右翼の大物の息子夢野久作もほとんど読んだけど・・こっちは映画化してもらいたい物語が多い

「独裁者ごっこ」をやってる石原や橋下や自民党を見るといつも思い出すのが・・小学校に入る前に生まれて初めて観た映画チャップリン『独裁者』ー『ここ』


子供の頃、従兄弟に借りて最初に読んだのが松本清張や開高健や坂口安吾やチェーホフだったので、どうも幻想的な作家は苦手・・
チェーホフや開高健や坂口安吾はいま読み返しても面白い。
チェーホフは現実と幻想とを行き来する描写が上手い『牡蠣』ー『ここ』