詩人PIKKIのひとこと日記&詩

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破綻した日本会議外交<本澤二郎の「日本の風景」(3262)

2019年03月12日 | 犯罪
<「大東亜戦争は聖戦だった」論は存在した!>
 話には聞いていた。「アジア侵略ではない。アジア解放の聖戦だった」と。しかし、自らの耳を疑っていた。だが、このことは本当だった。手元にあるチラシには「大東亜戦争は聖戦だった!」とカラーで印刷したものである。2月14日に講演会、それも国会前の憲政記念館で開催されている。仰天、仰天である。靖国神社の遊就館が引っ越してきたものか。

<安倍側近集会で配布されていたチラシ>
 このチラシを郵送してくれた御仁は、小沢一郎支持者である。
 「たまたま憲政記念館の集会に参加したところ、近くの会場で稲田朋美の集まりが開かれていた。そこで配布されていたチラシなので、受け取ってびっくり。こんなことが今もあるとは」との驚きを筆者にも伝えてきたものだ。
 筆者は、現役の政治記者として20年、永田町の派閥政治を見聞してきた。政治記者としては、珍しい経歴の持ち主である。派閥には、右翼もいたが、リベラル派も少なくなかった。しかしながら「大東亜戦争」という言葉を聞いたことがなかった。いわんや、それが「聖戦である」などとういう狂気じみた言論もなかった。
 「青年将校」と揶揄されていた改憲軍拡派の中曽根康弘からも、こんな発言を聞いたことがなかった。

 間違いなく稲田の集会で配布されていたのだから、安倍との深い交流とも関係しているだろう。侵略を「聖戦」にすり替える。すり替えの名人である安倍をまねたものか。
<右翼の時代は本当だったのか>
 もう10年にもなろうか。第一次安倍内閣のころか。大阪の中山太郎秘書に電話した時、彼が「周囲は右翼ばかりですよ」と口走った。半分信じなかったが、信じたほうがよかったものか。
 彼とは、連れ立って北京を訪問、北京大学の副学長や鄧小平の長女、鄧小平の兄弟の息子などと会見、ポスト鄧小平の取材をしたものだ。通訳を、歌手のサイさんという美声の持ち主が担当した。
 この時、初めて日航のビジネスクラスに乗せてもらった思い出がある。毎度エコノミーのジャーナリストには大満足だった。不甲斐ない夫ゆえに苦労ばかりかけてきた妻の眞知子も同行、わずかな孝行をした。

 今から考えると、森喜朗ー小泉純一郎ー安倍晋三の清和会政権が、自民党右翼化の号砲だった。靖国派の台頭である。日本会議はそうして浮上したものである。
<復活した財閥と国家神道=日本会議>
 日本会議の正確な分析もいまだに終わっていない。
 極論すると、戦後占領軍は、真っ先に侵略の精神的支柱となった国家神道を廃止した。同時に実施部隊の財閥と軍閥を解体したものの、朝鮮戦争で共に復活した。

 戦前の侵略勢力の結合体が日本会議の構成員である。ドイツでは想定できない異様な事態である。隣国にフランス・英国が存在したドイツと、日本は違っていた。ドイツとの落差である。アジア・東洋のいい加減さは、人権問題その他に及ぶ。

 いまワシントンのずる賢い産軍体制・死の商人は、彼ら極右との連携に抵抗を示さない。ワシントンにリベラルが台頭すると、日本会議は厳しい状況に追い込まれるが、幸い、今はどっちつかずのトランプ政権である。
<松下政経塾・維新の会だけでなかった>
 松下幸之助が立ち上げた政経塾は、現在の日本政治に少なからず影響を与えている。右傾化は関西から浮上している。関西財界がエンジンをかけたもので、驚くなかれ中国で幸之助の本がよく売れた。彼の後継者の本もそうである。
 アジアのいい加減さが、安倍・日本会議の台頭を許したものだ。
 松下の薫陶を受けた人物が首相にもなっている。自民党の二階派と岸田派の争いの元凶も、政経塾の罠と見た方がいい。
 それは労働組合にも影響している。財閥の意向を受けた労働幹部、そこからの原発政策のいい加減さもうなづけるだろう。
 新聞テレビのいい加減さは、財閥のカネが関係している。
<自業自爆の慰安婦・徴用工判決>
 かくして財閥1%政権による「聖戦」論を下敷きにした歴史認識のもとで、寝ていた従軍慰安婦問題を提起したものの、韓国は既に軍事政権から足を洗っていた。
 慰安婦に対する当事者抜きの日韓政府の合意は、ご破算になるしかなかった。
 仕切り直しである。もたつく日本政府をあざけるように、韓国は徴用工裁判が大がかりに提起された。1%財閥政権への挑戦である。
 日本と違って三権分立の韓国である。日本財閥への有罪判決は、日本会議を真正面から見据えた判決である。
 ゆえにいきり立つ安倍と河野の主張に、欧米社会も冷ややかである。ワシントンも傍観するしかない。トランプに調整力も大義もない。

 安倍・日本外交は完璧に破たんした。これは北朝鮮、さらには中国との抜きがたいトゲである。日本会議の限界を証明したものだ。戦前派の再興は、隣国との対立で正体をさらしたことになる。自業自爆の戦前派・日本会議と決めつけられようか。
2019年3月12日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)
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2019年03月11

311と5割増米軍駐留経費<本澤二郎の「日本の風景」(3261)

<日本は重武装から平和憲法の帆船切り替えの好機>
 3月10日付の米CNNは、米軍駐留経費を5割増額させるトランプ政権の計画推進策を大きく報道した。米軍に対して、日本政府と日本国民は「思いやり予算」と喧伝して、これまでも現在も、福祉を削って、巨額の血税を米軍に支払っている。米兵の犯罪もほとんどが、事実上、お目こぼしして日本人の人権を抑圧させ、民族的屈辱を受け入れてきている。

 しかも、悪政のとばっちりで、経済大国から空前の借金大国に落ち込んでしまった。それでもでワシントン・米産軍体制・死の商人の意向を受け入れてきている日本首相は、人間を返上して犬に成り下がり、シンゾウは「トランプのポチ」と呼ばれている。
 8年を迎えた311を契機として、ここは反転攻勢の好機だ。平和憲法が政府に対して強いている、船でいえば空母から、自然エネルギーで航海する帆船に切り替える好機であろう。
<米「コストプラス50」で大攻勢>
 「コストプラス50」と称するワシントンの意向は、駐留経費を全額負担させ、そのうえで、さらに50%を積み上げたカネを駐留経費として、関係国に負担させるというものだ。
 兵士の給料も支払わせるだけでなく、装備品も負担させる。対象国は100か国に上るというが、NO1は、日本である。日本こそが、21世紀の今日において、米軍基地の負担を一番強いられている。以下、韓国・ドイツ・カタール・アラブ首長国連邦となっている。
 対して今沖縄県民こぞって、米米国防総省と国務省への衝撃は絶大であろう。
 それは日本は、アメリカのアジア太平洋戦略のための、奴隷的基地負担を拒否するというものであるためだ。自立する第一歩なのだ。歴史家は、この点を見過ごしてはならない。米軍基地のお蔭で、隣国との関係は緊張と不信が渦巻いているのだから。
<貿易でも妥協しないトランプ政権>
 ワシントンの新たな攻勢に対して、日本は甘く見てはならない。トランプの外交的権限は強力である。
 自民党的な下手な妥協は想定できない。「アメリカのポチ」では対応不能であろう。
 国民はNOである。医療・福祉・年金を削っても、ワシントンの死の商人にサービスする日本人は、まずいないのではないだろうか。
 他方、アメリカ第一を公約しているトランプ政権の貿易赤字に対する要求は、これまた強い。妥協するだろうか。この分野での日本は、中国同様に追い詰められるだろう。
<2年後の再選にかける執念>
 米不動産屋のトランプ政権の暴走は、相変わらず猪突猛進の繰り返しである。国内の反発も強い。韓国大統領のように弾劾される局面も想定されている。
 このことが逆ばねとなって、アメリカNO1の実績を追及することになる。2年後の再選に執念をたぎらせている。
 米朝和解の時期も、それに合わせていると理解すべきだ。
 米中貿易に次ぐ日中貿易での実績、そして世界100か国の駐留経費の当事国負担の大幅増による成果が、再選のカギを握っている。
<日本は空母「出雲」を沈没させ、F35Bキャンセル>
 そう見てくると、日米関係は従来とは様相を異にしている。ワシントン
の属国を前提とした日本軍国主義化で、北京とモスクワを制圧するというこれまでの路線は、日本の財閥と軍閥の構想でもあるが、トランプはそうした立場を取らない。放棄した可能性が強い。
 筆者は、これぞ日本国憲法・平和国民の好機と評価したい。吉田茂内閣の軽武装国家の日本である。いっそのこと武器弾薬を海中に投棄して、帆船・日本丸による安全航海を選択するのである。

 それは世界に冠たる、日本国憲法前文に謳っている日本の姿形である。非武装中立・9条の日本である。人殺しの武器弾薬を海中に投棄する日本だ。そのために、真っ先に軍国主義の象徴である空母「出雲」を沈めるのである。
 艦載機となるF35Bをキャンセルすればいい。
<北京・モスクワ脅威のミサイルも放棄>
 北京・モスクワを標的にした、イージス・アショアという長距離の新型ミサイル導入をやめるのである。
 秋田県と山口県の人たちは、安全が確保される。トランプが文句を言ってきたら「日本ファースト」と反論すればいい。
 これを夢とあきらめてはならない。現実にするのである。そうしないと日本は、安全航海することが出来ない。
<政権交代でアジア太平洋は波穏やか>
 戦前の財閥と戦前の国家神道が、反省することなく復活して日本会議なる極右の秘密結社を組織化して、新聞テレビを傘下に置いた今の政府は、危険極まりない。日本沈没を約束している。
 
ここは何としても政権を交代させる必要がある。日本国憲法を尊重・擁護する政権の誕生である。この一点で野党は結集して選挙戦に臨めば、間違いなくいい日本・希望の日本が再現する。
 311に向き合う、これが日本国民の使命である。
2019年3月11日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)
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