先端技術とその周辺

ITなどの先端技術サーベイとそれを支える諸問題について思う事をつづっています。

中国がリチウム権益買い占め

2023年06月03日 22時14分07秒 | 日記

 

Wall Street Journal 5月31号で中国がリチウム権益買い占め、途上国のリスク無視。世界供給量のシェア拡大目指し、中南米やアフリカの国々に報じていた。Li電池生産は、文字通り泥臭いということで、当初アメリカ企業は避けてきた。さらには、オイルシール開発でアメリカは世界最大の石油産出国になり、テスラ社以外はEVにはあまり興味を示さなかった。ところがCO2ゼロノ世界的ムーブでEVひいてはLi電池を取り上げざるを得なくなった。中国は、冬の北京とか上海に行くとわかるが、車の排気ガスや、石炭ストーブの煙で、視界が悪い。中国のCO2ゼロ政策は急務で、EV車も重視している。しかし中国はCO2ゼロでもEV化を行うには、Li屋Coが不足していると判断しており、世界最大のLI 電池会社CATLはナトリウム電池を開発して、一車種に搭載していると,ロイターかどこかが報じていた。したがって、Wall Street Journal の報道は、多少偏見がある。最近の中国政府の言動は、誰もが、いぶかっている事が多いから、やむを得ないのかも。以下、その記事をダイアモンド誌が掲載していた物の抜粋:

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 とはいえこの取り組みが成功すれば、中国は2025年までに必要な世界のリチウム鉱山生産能力の3分の1を確保する可能性がある、と業界で推計されている。

 リチウムは銀白色の柔らかい金属で、電気自動車(EV)やスマートフォンに搭載されるリチウムイオン電池の製造には欠かせない。英コンサルティング会社ベンチマーク・ミネラル・インテリジェンスによると、2020年代終わりまでに需要が供給を30万トンほど上回る可能性がある。

 中国が世界のリチウムをさらに掌握しようと躍起になるのは、米国やその同盟国との間で緊張が高まれば、成長著しいEV産業が供給源の確保に苦しむのではないかとの懸念からだ。世界有数のリチウム埋蔵量があるカナダとオーストラリアは最近、国家安全保障上の懸念を理由に中国による新規投資を禁止した。

 

 世界のリチウム埋蔵量の8%しか保有しない中国は、それでも「やってみるしかない」と、エネルギー調査会社ライスタッド・エナジーのバイスプレジデント、スーザン・ゾウ氏は指摘する。

 ライスタッドとベンチマークが集計したデータによると、中国企業は過去2年間に45億ドル(約6300億円)を投じ、約20のリチウム鉱山の権益を取得した。その大半が中南米とアフリカ諸国にある。

 そこにはテロによる安全上の脅威に直面するマリやナイジェリア、鉱物資源への統制強化を図るジンバブエやメキシコ、チリのような国々への投資が含まれる。

 ジンバブエは昨年12月、加工前のリチウムの輸出を禁止し、外国企業がリチウムを同国で加工することを実質的に義務付けた。今年2月にはメキシコの大統領がリチウム資源の国有化を迅速に進めるための大統領令に署名。4月にはチリの大統領が国内でリチウム採掘を行う民間企業には国有企業との連携を義務付けると発表した。

 チリは、ボリビア、アルゼンチンと共に、石油輸出国機構(OPEC)のようなリチウム・カルテルを結成することも協議している。

 中国が積極的に投資する国の一つであるボリビアは、鉱物資源の国有化を憲法に明記している。ボリビアは世界のリチウム埋蔵量の約2割を保有するが、外国企業とのリチウム契約を白紙に戻した過去がある。

 塩原(塩湖)で知られるボリビアのポトシ県では、かつてスペイン帝国に銀を略奪された経験から、住民の多くは資源開発を目指す部外者に警戒心を抱いている。

 2019年、中国企業と合意されていたリチウム採取計画が、このプロジェクトを推進したエボ・モラレス大統領(当時)の失脚によって中止に追い込まれた。また同年、国営リチウム企業ヤシミエントス・デ・リティオ・ボリビアノス(YLB)とドイツ企業が結んでいた別の契約も破棄された。将来のリチウム販売に対する鉱山使用料(ロイヤルティー)引き上げを求める地元住民の抗議運動が収まらないことを受けた措置だった。

 それにもかかわらず中国企業はボリビアで複数の新規プロジェクトを押し進めている。車載電池で世界最大手の寧徳時代新能源科技(CATL)は1月、国営YLBとの合弁事業でコンソーシアムを主導していると明らかにした。

労働組合や社会団体の連合組織であるポトシの市民委員会は、すでにその選定プロセスの透明性欠如を批判している。ボリビアは参加企業に提案書作成と能力の証明を求めたものの、その結果は一切公表されなかった。

 リチウム専門家によると、この合弁事業は電池グレードの炭酸リチウムを24年までに2万5000トン生産する目標を達成できそうにないという。ボリビア政府の元顧問であるテキサスA&M大学のディエゴ・ボン・バカノ教授(政治学)は、同国政府が外国企業のリチウム資源採取への参加を認める新法を成立させるまで、採掘すら始められないだろうと指摘した。

 

 中国の最高指導者である習近平国家主席は、3月に開かれた全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で最近の「リチウム・ラッシュ」の混乱ぶりを批判。中国企業に海外進出の前に相手国の市場をもっと理解するように促した。

「無敵だと思い込んで突撃し、結局ボロを出すようなことは避けるべきだ」。習氏はCATLの曽毓群(ロビン・ツェン)会長にそう告げた、と中国国営メディアは伝えた。

 課題に直面するとはいえ、中国企業は西側の競合相手よりも優位な立場にある。例えば、巨大な規模に成長したCATLは、中国政府の政治的な後ろ盾とサプライチェーン(供給網)を構成する企業の強大なネットワークを持つ。

「もし誰かがやり遂げられるとしたら、それは中国企業だろう」。鉱物コンサルティング会社SFAオックスフォードのアナリスト、エミリオ・ソベロン氏はそう話す。

 発展途上国は中国企業とパートナーを組むことを好む場合が多い。中国企業は加工や精製、電池製造まで手掛けるのが普通で、単に安価に採掘し、高値で販売するだけではなく、原材料の安定供給に重きを置いている。だからこそ資源国に着実な収入をもたらすことを保証できる、とアナリストは指摘する。

 さらに中国企業は、自らの投資がこうした国々の発展を助ける手段になることを売り込もうとしている。ボリビアのルイス・アルセ大統領は1月の調印式で、CATLの主導するコンソーシアムがプロジェクトの第1段階で10億ドル余りを投資し、道路や電力などのインフラ整備に投じられる計画だと述べた。

 ジンバブエのリチウム鉱山を1億8000万ドルで取得した中鉱資源集団(シノマイン・リソース・グループ)は、1000人以上の雇用を創出し、現地の電気や道路、橋などのインフラを改善すると約束した。

 実際、資金難のジンバブエでは中国企業は誰もが納得できる投資パートナーと見なされている、とオックスフォード・エコノミクス・アフリカのシニアエコノミスト、ジーア・ファンデアリンデ氏は言う。20年以上も米国と欧州連合(EU)の制裁を受けるジンバブエでは、多くの西側企業が資産を処分する一方で、中国企業はそうした懸念の影響を受けにくい。

 中国企業にとって「リチウム・ラッシュ」の真のリスクは財務面にあるかもしれない。アナリストの一部は、2000年代半ばには資源価格が高騰し、中国企業は鉄鉱石やアルミニウムなどの長期供給を確定するため大金を投じたが、再び価格が急落してそれを帳消しにしたと振り返る。

 リチウム価格は、中国のEV需要の急拡大に後押しされ、過去2年間に500%超上昇した。だが今年に入って急落し、過去最高値の半分以下まで落ち込んでいる。

(The Wall Street Journal/Sha Hua in Singapore and Alexandra Wexler in Johannesburg)


欧州、エネ危機乗り越えたら、食品高騰

2023年06月03日 00時41分38秒 | 日記

ウクライナ侵攻に抗議する欧米がロシア制裁施策を取っているが、そのたいこうとして、ロシアは欧州向け石油や天然ガスの禁輸をしている。幸い、この冬は、欧州は暖冬で、大きな問題は回避できているが、今は、食料が高騰していると、Wallstreetjournalが報じていた。 理由は、生産者が肥料やエネルギーの確保のため、割高な長期契約をしたのではないかと下段のように英国中央銀行総裁の話を紹介していた。日本でも食料はじめ消費者消耗品の値上がりが続いているが、欧州に比べると穏やか。差し迫っている危機の欧州とそうでない日本との斎か?

食品価格がこれほど長く、これほど急激に上昇している理由が完全に明らかになっているわけではない。国際商品市場(ここで農家に支払われる価格が決まる)において、食料価格は2022年4月以降下落が続いている。だが、一次産品のコストは最終価格のほんの一部を占めるにすぎない。消費者は加工・包装・輸送・流通のコストも支払っており、生産者と消費者の間の価格差は異例なほど広がっている。

 BOEのベイリー総裁の見立てでは、ロシアのウクライナ侵攻が始まった頃、食料生産者は先行きが不透明な時期に供給を確保しようと躍起になり、肥料やエネルギーなどの供給業者と割高な長期契約を結んだことが、BOEが食品価格に関する見通しを誤った理由の一つだという。

 だが、小売業者への目が厳しくなっていることからもうかがえるように、利益率の拡大も一因ではないかとの見方も政策立案者の中にはある。ベイリー総裁は議会での発言で、食品供給業者の責任を問うことには慎重な姿勢を示した。

「(彼らは)昨年初めに圧迫された利益率の回復を図っている」とベイリー氏は述べている。

(The Wall Street Journal/Paul Hannon)


“北極海ケーブル”で日欧をつなげ

2023年06月03日 00時10分39秒 | 日記
NHKオンラインが、北極海に光ファイバーを敷いて、日本と欧州をつなぐ北極海るーとの通信ネットワーク構想を報じていた。
 
人工衛星が安く打ち上げられる時代なのに依然、ケーブル通信かと思ったが、人工衛星の軌高度は、ISSなどの地上から200km~1000kmのと、放送とか通信用の3万6000kmのがあるが、2G とか5GhZの1G帯の大容量通信は通信距離が精々1kmだから、4万kmもあると、減衰で利用できないということ。
 
大容量通信には依然として、10Gもある光ケーブルが最適であるということか。そして北海で光ケーブルが埋設するのは
●温暖化で北海の氷が緩んでいること
●ロシアの妨害が避けられること
●下図の北米ルートや、南回りの比べると通信速度が2割早くなる(距離はかわりないのに?)
が大きな理由とか。
 
 
北極海ルートの構想図