イギリス南部、ウェスト・サセックス州にある「ワージング病院」。地方都市の病院が、“腎臓”に焦点をあてた先進的な医療で注目を浴びている。
腎臓ケアに注力する、イギリス南部にあるワージング病院(画像:NHK)
イギリスの医師によると高血圧の薬が、腎臓にダメージを与えることが多いという。高血圧の薬の中には、腎臓にダメージを与えるものがあり、腎臓が弱っている時はやめるべきだという。「急性腎障害(AKI)」になる可能性があるからだという。。
「AKIになった場合、10~15%が死亡することもある非常に致死率の高い病気であることがわかってきました」と、京都大学大学院医学研究科の柳田素子教授は言う。AKIはいま、世界の医療現場で大きな問題となっているという。
アメリカ腎臓学会の調査チームが、154本の医学論文から300万人を超える患者のデータを抽出・分析したところ、入院患者全体のうち5人に1人がAKIを発症していたと発表した。AKIの発症率は、西ヨーロッパで20.1%、北米では24.5%、東アジアで14.7%。医療体制が整った病院という環境下にいるはずの入院患者が、AKIを発症。
さらに「集中治療室(ICU)の患者に限ると、発症率が30%を超えるという。患者の発症率が高いうえ、致死率も高いという実態人工透析技術の発達のおかげで、“腎臓が悪くなっただけで”死に至ることはほとんどなく、死因として書かれることも少ない。脳や心臓といった「生命に直接関わる」臓器と比べるとどうしても地味な印象で、腎臓病も一般にはあまり恐れられていない傾向がある。「AKIになると、それに伴って肺や心臓、あるいは脳といった重要な臓器に炎症が出たり、障害が起きたりすることがわかってきました。そのため、結果として多臓器不全を引き起こしてしまうという。
ヨーロッパ集中治療医学会の研究委員長を務める英サリー大学のルイ・フォルニ名誉教授は、これまで単に「多臓器不全」といわれて亡くなっていた患者の中に、AKIが関係している人が大勢いる可能性があると指摘する。「AKIは世界的な問題です。少し治療を変えるだけで助けられた可能性のある患者が、毎年大量に亡くなっています。その数は、ヨーロッパだけで毎年20万人にもなります」
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