電波を通さない遮へい物が多くて、無線LANシステムの構築が上手くいかない――。そんな悩みを解消し、安定的かつ快適なWi-Fi環境を作るのに最適なソリューションがある。エイチ・シー・ネットワークス社の「漏洩同軸ケーブル(LCX)」。ケーブルを敷設した周辺をWi-Fiエリア化するもので、オフィスや倉庫、トンネル、ホテル、マンション、学校など様々な場所で活躍している。便利になったもの!
今や地下鉄のトンネル内でも当然のように携帯電話/スマートフォンが使えるようになった。電波の届かない場所は着実に減っているが、この地下鉄の“携帯エリア化”に貢献しているのが、「漏洩同軸ケーブル(LCX)」。
トンネル内で電波を発しているのは、地上で一般的に用いられているアンテナとは異なるものだ。壁面を這うケーブルがその周辺に電波を発することで、細長い閉空間を効率的にカバーしている。「漏洩同軸ケーブル(LCX)」と呼ばれるもので、陸上でも線路沿いに敷設され、列車との通信に使われている。
このLCX、実は無線LAN(Wi-Fi)システムにも使える。次ページで詳しく紹介していこう。
漏洩同軸ケーブル(LCX)。Arubaのアクセスポイント「Aruba314」(右)に
接続して外部アンテナとして使用する
波を通さない遮へい物が多くて、無線LANシステムの構築が上手くいかない――。そんな悩みを解消し、安定的かつ快適なWi-Fi環境を作るのに最適なソリューションがある。「漏洩同軸ケーブル(LCX)」だ。ケーブルを敷設した周辺をWi-Fiエリア化するもので、オフィスや倉庫、トンネル、ホテル、マンション、学校など様々な場所で活躍している。
ケーブル周辺をWi-Fiエリア化 電波が届きにくい閉空間に最適電波が届きにくい閉空間はオフィスや工場、倉庫など至るところに存在する。通常は、無線LANアクセスポイント(AP)を多数設置してカバーしなければならないところだが、LCXを使えば“ケーブルを這わせる”だけで、その周辺を簡単にWi-Fiエリア化することが可能だ。APの台数を減らせるうえ、Wi-Fiを使いたい場所にピンポイントに無線環境を構築できる。
LCXを使ったWi-Fiシステムを提供しているエイチ・シー・ネットワークス 営業本部 第二営業部 第二営業グループ課長の不破大介氏は「遮へい物が多いところのほか、一般的な通信機が置けない冷凍庫や、金属物が多くてエリア設計が困難な場所など様々なシーンで使われている」と話す。
LCXは図表1のような構造をしており、APに接続する外部アンテナとして用いる。図中の①ケーブル部から電波を漏洩させることで端末と通信する。例えば図表2のように、APの設置場所から壁の向こうにLCXを這わせることで、不感知/死角エリアを簡単に解消できるのだ。なお、電波の放射量は変更が可能である。
図表1 LCXの構成
図表2 LCXの適用例(電波が遮へい物で届かない場所)
この特徴を活かして「最近は、ホテルやマンションでも採用が増えている」と語るのは営業推進部 営業推進グループ 課長代理の山田良氏だ。リノベーションにあたって宿泊者/居住者向けのWi-Fiを導入するケースが増えているが、その場合、すべての部屋にAPを置くとコストが高くつく。そこで「建物内の管路にLCXを這わせれば、少ないAP数で多くの部屋をカバーできる」というわけだ。
エイチ・シー・ネットワークスでは、2.4GHz帯のみに対応する「F-42D-LCX」と、2.4GHzと5GHz帯の両方に対応する「F-8D-LCX」の2モデルを用意。Aruba製のAPと組み合わせて提供している。F-42Dは通信距離が最大300mと長いのが特徴で、一方、F-8Dは屋外利用が可能なW56に対応した初のLCXである。5GHz帯は2.4GHz帯に比べて電波干渉が起きにくいメリットもあり、そのため屋内外問わず幅広いシーンで使われているという。
どうも、LCX利用の場合DFS義務の関係がクリアーできないための制限のようです。
どうも、LCX利用の場合DFS義務の関係がクリアーできないための制限のようです。