宮本顕二さんという内科医が、欧米には寝たきり老人がいないと言う本をだっされている。欧米では高齢者の健康管理が日本bによりすぐれていたり、高齢者の体力が日本人よりすぐれているかと思ったらそうではなく医療制度の問題と言う事であった。
身内にも、歯の咀嚼力が無くなったり胃の消化力が無くなった高齢老人が、のどから、栄養剤を定期的に、注入されていた。病院に入った時点で意識は全くなかった。病院に見舞いに行くと、意識がないと思われる、鼻かいから栄養剤を流し込まれている高齢老人の病床がずらりと並んでいた。
寝たきり老人の総数の統計は見当たらないが、通説では寝たきり老人の数は、社会の高齢化とともに増え続け、現在約200万人。このままいくと2025年には300万人に達すかもしれないといわれている。
更にこの本が ヨーロッパの福祉大国であるデンマークやスウェーデンには、いわゆる寝たきり老人はいないと、どの福祉関係の本にも書かれています。他の国ではどうなのかと思い、学会の招請講演で来日したイギリス、アメリカ、オーストラリアの医師をつかまえて聞くと、「自分の国でも寝たきり老人はほとんどいない」とのことでした。一方、我が国のいわゆる老人病院には、一言も話せない、胃ろう(口を介さず、胃に栄養剤を直接入れるため、腹部に空けた穴)が作られた寝たきりの老人がたくさんいます。
不思議でした。日本の医療水準は決して低くありません。むしろ優れているといっても良いくらいです。
「なぜ、外国には寝たきり老人はいないのか?」
答えはスウェーデンで見つかりました。今から5年前になりますが、認知症を専門にしている家内に引き連れられて、認知症専門医のアニカ・タクマン先生にストックホルム近郊の病院や老人介護施設を見学させていただきました。予想通り、寝たきり老人は1人もいませんでした。胃ろうの患者もいませんでした。
その理由は、高齢あるいは、がんなどで終末期を迎えたら、口から食べられなくなるのは当たり前で、胃ろうや点滴などの人工栄養で延命を図ることは非倫理的であると、国民みんなが認識しているからでした。逆に、そんなことをするのは老人虐待という考え方さえあるそうです。
ですから日本のように、高齢で口から食べられなくなったからといって胃ろうは作りませんし、点滴もしません。肺炎を起こしても抗生剤の注射もしません。内服投与のみです。したがって両手を拘束する必要もありません。つまり、多くの患者さんは、寝たきりになる前に亡くなっていました。寝たきり老人がいないのは当然でした。
さて、欧米が良いのか、日本が良いのかは、わかりません。しかし、全くものも言えず、関節も固まって寝返りすら打てない、そして、胃ろうを外さないように両手を拘束されている高齢の認知症患者を目の前にすると、人間の尊厳について考えざるを得ません。
この本では安楽死・自然史を許さない日本とかいう事までは言っていないが、日本の大病院が強制延命措置で設けているのではないかと言う医療評論家も結構いる。日本人が正面から向き合わないといけない問題であると思う。
<iframe id="google_ads_iframe_/122817434/PC_Teads_1x1_0" style="vertical-align: bottom; border-image: none; border-width: 0px;" title="3rd party ad content" name="google_ads_iframe_/122817434/PC_Teads_1x1_0" frameborder="0" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" width="1" height="1"></iframe>