お客様が、茶会に行かれる際にタクシーに乗られましたら、そのタクシーのシートに何やら汚いものがついていて、腰掛けたきものの後身頃に、汚れがついてしまいました。
気が付かずに会場へ行かれましたが、お友達に教えられハンカチかタオルで拭きとって、そのまま二日間のお茶席に出られました。
かなりひどい汚れで、白い鳥の糞かクリームのようでもあり何だかわかりません。後ろ身頃二ヶ所に、拭いてこすったので膠着してしまったのです。
お電話があり、早速お伺いしてお預かりしてまいりました。プロの職人さんにお願いして、きれいに滲み落しをしていただきます。
濃い緑色地の、友禅の付け下げ一つ紋のお単衣です。白い汚れは目立ちます。さらによく点検しますと、帯下と胸のあたりに、うっすらと、白い粉が噴いたようになっています。 汗です。
二日間のお茶席では、この時季必ずといっていいほど汗がでて、きものに滲みます。 こちらも、汗ぬきのお手入をいたします。
時間が経つと、落ちにくくなりますので出来る限り、はやめのお手入れが肝要です。肌襦袢は、ご自分で洗えますが、長襦袢など黄ばんでしまって見えないからと、そのまま着ておられますが、黄ばんでしまったものは直りません。 相当古い汚れは、プロでも落ちません。
汚れの原因がわかっていて、迅速にプロの職人さんにゆだねれば、ほとんどのものは、きれいになります。
汚れの原因とは、油質のもの、蛋白質のもの、マヨネーズ、昔は母乳も、それに墨汁は膠がはいっています。ジュースは人工着色料も。 飲食物の食べこぼし、お酒がかかった、お皿のケチャップや、ソース。ホテルの宴会場や、レストラン。いろいろです。
お茶席では、お点前で袖が建水の水に浸かった。水はきものが縮みます。
お帰りになって、脱いだ着物の点検され、汚れの早期発見と、即お手入れです。
悉皆屋吉天は、救急車よろしく、緊急出動いたします。遠方の方は宅配便で送っていただいております。
歩き方がとても下手で、袖の中にまではねを上げていました
駅で電車を待っていた時、後ろの老婦人が顔をしかめて声をかけられ
歩き方の講義を受け、帰宅後即染み抜きに出すよう注意されました
今の年に成ると注意して下さった気持ちが良く解りますね
娘の歩き方を見ていると、バサバサと大また歩きで
せっかくのふきの意味も無い始末です、着物が可哀相
昔の人はきもの着て何でもやりましたが、今は尻ぱっしょりして、というわけにも参りませんもんね。