少し前の事である。
暮れに散髪に行けなかったので、新年早々かぁちゃんをいつもの美容院に連れて行った。
2年近く前までは私がテキトーに切っていたのだけれど
前屈が酷くなって、なかなか一人では難しくなって来たので、
最近はかぁちゃんが元気な頃に行っていた美容院にお世話になっている。
大抵途中からは私が頭を持って、前屈しないように支えているのだけれど
やっぱり、プロに任せると出来上がりがちが~う
かぁちゃん、ちょっとべっぴんさんになる
それに、後始末をしなくていい分
らっくちん♪
その日もいつものように、エプロンをつけてもらって、鏡越しに私の顔をじ~っと見ていたのだけれど
ちょっと混んでいたので、少し待たされてしまった。
かぁちゃんが寝てしまわないように、私は鏡を見ながら、あっかんべ~!・・・はしないが、それに似た事をしていると
何だかかぁちゃん、とても悲しそうな顔になってきた・・・
髪を切ってもらっている間も、時々口をパクリと開けながらおとなしく・・・
で、やっぱりとても悲しそう・・・

そんな表情をするのはめったにないんだけど
さてはかぁちゃん、自分が若いお姉さんだと思っていたのに、鏡に映った自分の今が分かったのか?
はたまた、知らないばぁちゃんに見つめられて怖かったか?
まさかね・・・と思いながらの帰り道。
・・・かぁちゃんの頬を涙がポロリ・・・
げっ
何だぁ

もしも・・・もしも、物言わぬかぁちゃんだけど、そんな気持ちがまだあるのなら
それはめちゃくちゃ切ない・・・
そんなに・・・そんなに凹むなよかぁちゃん・・・
私まで、とてもとても切ない・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
と、思ったんだ・・・優しい娘は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・が・・・・・・・。
帰ってお風呂に入らせて、ようやく遅めのお昼ご飯の時だった。
私は準備をしながら、背の君にその話をして切ながっていたのだけれど・・・
野菜たくさんのおじやをいつもの器に入れて目の前に置いた途端、
かぁちゃんは・・・それを物凄い勢いで食べ始めたのだ。
動いている右手の親指も近頃では握り込みが始まっていて、まともにフォークを握れないのに
人差し指と中指でオークの柄をぎゅっと挟んで、手をふるふるさせながら、
それでも、しっかりすくって次々に口に運んで、見事に口の中に入れている。
・・・・・・・・・・・・・あん?
「そうか!エプロンか!!」私が大きな声で言うと、背の君が言葉を続けた。
「かぁさん、散髪屋さんでエプロンつけられて、ご飯が食べられると思いはったん違うん?」
そうなのだ、確かに時々口は開けていたのだった
「ご飯もらえると思ったのに、ぽ~がくれへんかったんやなぁ。」
おいっ!私か?私のせいか??
なにかぁ?私がこれまで一度だってご飯を食べさせんかった事があるかぁ?
かぁちゃんは最後の三匙程度までしっかり自力で猛スピードでご飯を食べてようやく落ち着いたのか
いつものように、カンカンとフォークを器にぶつけながらご満悦。
その後は幸せそうにお昼寝をしておりました。
かぁちゃん、まだまだ元気ですっ
ところで、昨年は自力で食事をとる事が出来なくなってしまったかぁちゃんだけど、
唯一自分で出来る事も無くしてしまうのがやりきれなくて
面倒だったけど
食べさせる合間に、フォークに少しずつご飯を乗っけて口まで運ぶのを手伝っていた。
そしたらひと月を過ぎた頃から、かぁちゃんは時々は自分でしっかり口に運べるようになって来たのだ。
うん。めちゃくちゃお腹がすいたら、何としてでも自分で食べる事が出来るのがわかったしね
恐るべしかぁちゃん!ストローの時もそうだったけど、
出来ない事が出来ないままじゃぁありません。
まだまだ何かの拍子に思い出す力が残っておりますよ。
暮れに散髪に行けなかったので、新年早々かぁちゃんをいつもの美容院に連れて行った。
2年近く前までは私がテキトーに切っていたのだけれど

前屈が酷くなって、なかなか一人では難しくなって来たので、
最近はかぁちゃんが元気な頃に行っていた美容院にお世話になっている。
大抵途中からは私が頭を持って、前屈しないように支えているのだけれど
やっぱり、プロに任せると出来上がりがちが~う


それに、後始末をしなくていい分


その日もいつものように、エプロンをつけてもらって、鏡越しに私の顔をじ~っと見ていたのだけれど
ちょっと混んでいたので、少し待たされてしまった。
かぁちゃんが寝てしまわないように、私は鏡を見ながら、あっかんべ~!・・・はしないが、それに似た事をしていると
何だかかぁちゃん、とても悲しそうな顔になってきた・・・

髪を切ってもらっている間も、時々口をパクリと開けながらおとなしく・・・
で、やっぱりとても悲しそう・・・


そんな表情をするのはめったにないんだけど
さてはかぁちゃん、自分が若いお姉さんだと思っていたのに、鏡に映った自分の今が分かったのか?
はたまた、知らないばぁちゃんに見つめられて怖かったか?
まさかね・・・と思いながらの帰り道。
・・・かぁちゃんの頬を涙がポロリ・・・
げっ



もしも・・・もしも、物言わぬかぁちゃんだけど、そんな気持ちがまだあるのなら
それはめちゃくちゃ切ない・・・
そんなに・・・そんなに凹むなよかぁちゃん・・・
私まで、とてもとても切ない・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
と、思ったんだ・・・優しい娘は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・が・・・・・・・。
帰ってお風呂に入らせて、ようやく遅めのお昼ご飯の時だった。
私は準備をしながら、背の君にその話をして切ながっていたのだけれど・・・
野菜たくさんのおじやをいつもの器に入れて目の前に置いた途端、
かぁちゃんは・・・それを物凄い勢いで食べ始めたのだ。
動いている右手の親指も近頃では握り込みが始まっていて、まともにフォークを握れないのに
人差し指と中指でオークの柄をぎゅっと挟んで、手をふるふるさせながら、
それでも、しっかりすくって次々に口に運んで、見事に口の中に入れている。
・・・・・・・・・・・・・あん?
「そうか!エプロンか!!」私が大きな声で言うと、背の君が言葉を続けた。
「かぁさん、散髪屋さんでエプロンつけられて、ご飯が食べられると思いはったん違うん?」
そうなのだ、確かに時々口は開けていたのだった

「ご飯もらえると思ったのに、ぽ~がくれへんかったんやなぁ。」
おいっ!私か?私のせいか??
なにかぁ?私がこれまで一度だってご飯を食べさせんかった事があるかぁ?

かぁちゃんは最後の三匙程度までしっかり自力で猛スピードでご飯を食べてようやく落ち着いたのか
いつものように、カンカンとフォークを器にぶつけながらご満悦。
その後は幸せそうにお昼寝をしておりました。
かぁちゃん、まだまだ元気ですっ

ところで、昨年は自力で食事をとる事が出来なくなってしまったかぁちゃんだけど、
唯一自分で出来る事も無くしてしまうのがやりきれなくて
面倒だったけど

そしたらひと月を過ぎた頃から、かぁちゃんは時々は自分でしっかり口に運べるようになって来たのだ。
うん。めちゃくちゃお腹がすいたら、何としてでも自分で食べる事が出来るのがわかったしね

恐るべしかぁちゃん!ストローの時もそうだったけど、
出来ない事が出来ないままじゃぁありません。
まだまだ何かの拍子に思い出す力が残っておりますよ。