おおよそ86歳、年の離れた
大きい手と小さい手。
それを支える色んな手。
小さい手でしっかり掴んだ大きな指。
しっかり掴まれ!
しっかり掴まって、色んな世界を見に行くんだよ。
……えーっと、このおっきな指はばぁばのものなんだけど、
頭の下に腕を置いてるのよね。
外したら、せっかく寝たのに起きるんだろうなぁ……
しかし、腕は痛いしなぁ……
手の色変わってきてるし……
そんなこんなで
瞬く間に時間が過ぎて日が過ぎて行くけれど
それもまた、幸せ。
むーむーを変えるのも
お食事も
寝かしつけるのも抱き上げるのも
全てが同じ、おおきいのんとちいさいのん
片方だけなら気付かなかったであろう
愛しさや優しさに、ふと気付く瞬間がたまらなく温かだ