ぽてちの「人とはちがうモノ」日記

「人と同じことはしない」ぽてちが選んだ、いろいろなモノたちのお話。

「蜜姫村」

2010-12-25 09:58:08 | 読みモノ
今日はこの冬初めての本格的な雪です。こういう景色が見られるように
なって初めて冬本番という気分になります。

さて、「蜜姫村」(乾ルカ)を読んだ。

おー、やりおったねぇ、乾ルカ。この長編で、一皮むけたというか、
新境地を開いたというか、デビュー作から読んでいる者としてはうれしいですね。

それではまたAmazonさんに丸投げですが、内容を。
「変種のアリを追って、東北の山村に迷い込んだ、東京の大学の講師で昆虫学者の山上一郎は、瀧埜上村の仮巣地区の人々に助けられ、命をとりとめた。翌年、山上は医師でもある妻の和子を説得し、一年間のフィールドワークのために、再び仮巣地区を訪れた。この村には医師がいなかったため、和子にとってもそれはやりがいのある仕事に思えたのだった。優しくて、親切な村の人々。だが、何日かその村で生活していくうちに、和子は違和感を覚える。―みんな健康的過ぎる…医師もいないのに…。 」

ということなのですよ。読んでみたくなるでしょう。
前半の謎解き(なぜ病気になっても治るのか)が読ませます。
欲を言えば、作者の真骨頂のおぞましい場面をもっと増やしてほしかった。
割とあっさり流してますけど。
後半の逃避行につながるところは、ホラーのジャンルからステップアップして
成長したなぁ、と思わせます。

前に読んだ「プロメテウスの涙」より10倍いいです。
長編もおもしろくなってきて、ますます期待の作家になってきましたね。