国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

米国だけでなくイスラエルも日本・イラン・アラブ等と協力して「わざと負ける」シナリオを実行している?

2007年01月31日 | 中近東地域
「イスラエルのモサド(諜報・特務工作局)、アマン(軍事諜報局)がヒズボラの能力を過小評価したために苦戦している」という佐藤優氏の見解も注目される。常識的に考えて、存亡の危機にあるイスラエルがヒズボラの能力を過小評価するなどということは考えられない。イスラエル政府もまた、米国と同様に「わざと負ける」戦略を採っているのだと想像する。自国を取り囲む敵であるイスラム教徒は急激に人口増加中であることを考えると、イスラエルという国家の近未来の滅亡は避けられない。イスラエル国民の大部分が移民である事を考えれば、彼らの多くは可能ならば安全な外国への移住を希望するだろうし、実際に富裕な東欧系ユダヤ人の多くはEU等に国籍を移しつつあるという情報もある。ヒズボラがテルアビブまで届くミサイルを発射すれば、少なくとも東欧系ユダヤ人は一挙に大脱出し始めるのではないだろうか。そして、イスラエルが中枢階層の東欧系ユダヤ人の脱出により滅亡したあとに残される中東系ユダヤ人は多くがアラブ系の生活習慣を持ちアラビア語を解する人々であり、アラブ社会に共存・吸収されていくことは可能だろう。このようなシナリオに基づいて、イスラエル政府とイラン政府は表向きは対立を演出しながら裏では協調して行動しているのではないかと想像する。 イスラエルは地政学的要地を国際金融資本が支配するためにナチスにユダヤ人を欧州から追放させて建国した国である。イスラエルの滅亡は国際金融資本にとっては大きな打撃であり、彼らがイスラエルに残存する親密勢力を通じて反撃する可能性は十分ある。イスラエルのイランへの核攻撃説はその一端かもしれない。また、中国の核武装がイスラエルからの技術提供によるものという説、ミアシャイマーが「イスラエルから中国への軍事技術流出」を指摘していることを考えると、先日の中国による人工衛星破壊実験は国際金融資本が人民解放軍内の親国際金融資本勢力を通じて実行したものかもしれない。更に竅った見方をすれば、国際金融資本も既に近代資本主義の行き詰まりを自覚しており、生き残るためにわざと敗北を演出している勢力がいるのかもしれない。 . . . 本文を読む
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