国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

迫りくる世界大恐慌

2012年03月17日 | イスラエル・ユダヤ・国際金融資本
米国をはじめとして世界の株価は今年に入って高値を更新している。しかし、世界の貿易実需の最も重要な指標であるバルチック海運指数は昨年秋から12月にかけて2000前後の一時的高値を記録した後に1月に暴落し、現在まで600-800前後の安値ゾーンで推移している。株価指数は明らかにバブルであり、それは世界の中央銀行による通貨大量供給や国際金融資本による株価買い支えなどによる作為的なものである。この作為が長期継続することは不可能であり、近い将来に全世界は大恐慌に突入することになる。その後に起きるのは戦争による工場の大量破壊であり、米英一極体制・国際金融資本の世界支配体制から多極体制への世界覇権システムの移行であろう。 世界の工場である中国では建設資材や自動車販売が低迷しているが、中国政府は不動産税導入による不動産価格抑制への意思を示している。日本とドイツを除くほぼ全ての先進国には不動産バブルが存在しており、それによって現在の好景気が維持されている。バブルの裏には過剰な借金が存在しており、これからはその借金を返済するために消費が抑制される(デレバレッジング)という苦しい期間が続く。米国は英国やスペインに比べてこのデレバレッジングが進んでいるという明るい情報もあるが、そもそも米国の対外輸出は米国の軍事力による押し売りであり、米国の輸出商品で真に競争力の存在するものは非常に少ない。世界覇権喪失で米国はドル紙幣という最大の輸出商品を失い、劇的な内需減少を経験することになる。 世界的な景気後退は、資源需要の減少につながる。石油や石炭、鉄鉱石などの資源価格は下落することになるだろう。ただ、ドルをはじめとする幾つかの通貨の価値下落によって資源が投資先になる効果もあり、暴落するかどうかは微妙である。希少価値があり保存・備蓄が容易な資源は価値が下がらず、そうでない資源は価値が暴落するのではないかと私は想像する。 . . . 本文を読む
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