国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

敵の力を利用して敵を倒す:柔道的戦略を利用して韓国企業を倒す日本

2012年03月28日 | 韓国・北朝鮮
サムスン電子が日本企業の技術を盗んで特許料を支払わずに製品化していることは有名である。また、かつてメモリーの価格が暴落していた時期にライバル韓国企業ハイニックスが大赤字なのに同じ業態でコストに差が無いはずのサムスン電子が大黒字を計上していたことからもわかるように、サムスンは大規模な粉飾決算を行っている。このようなサムスン電子に対して日本は特許訴訟で攻撃する、あるいは政治的圧力をかけるなどの方法で対抗する事もできたはずである。しかし、現実には日本はサムスンの攻撃に対して撤退を重ねるのみである。なぜ日本はこのようにサムスン電子に代表される韓国製造業に対して弱い姿勢をとり続けるのだろうか?その理由は、対米関係にあると思われる。1970年代の石油価格暴騰を乗り越えて高品質の工業製品を製造して全世界に輸出し続けた1980年代の日本を見て、国際金融資本を中心とする米国支配階層はソ連に代わる最大の敵対国家であると認定した。そして、日本に対して様々な攻撃や脅迫を行った。スーパー301条による日本攻撃、1985年の日航機事故や1995年の阪神大震災(恐らく地下鉄サリン事件も)はその脅迫の例であると私は考えている。バブル経済の強制とその後のバブル崩壊でのぼろもうけ+日本企業乗っ取りで彼らは日本という国を完全に乗っ取り、米国のドル覇権崩壊後は日本に本拠地を移すつもりだったのだろう。同時期にソ連崩壊を経験したロシアと日本の二カ国が米国の次の国際金融資本の寄生先候補国であったのだと私は考えている。このような対日攻撃の先兵として韓国は国際金融資本に選ばれた。韓国企業が日本企業の市場を奪うのは日本を弱体化させ乗っ取るという国際金融資本の意思の反映である。このような強大な敵と戦うには、敵の力を利用するという柔道的な戦略が有効である。日本支配階層は恐らく戦略的に撤退し、韓国企業の製品が米国企業の市場を荒らすことで米国の国益と矛盾する状況に至ることを狙ったのだと思われる。そして、その日本の戦略がとうとう実現しつつあるのだ。ロシアのプーチンが「柔道は哲学だ」と言うのは、この柔道的戦略の重要さを指していると思われる。 . . . 本文を読む
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