●<尖閣問題>日中間の問題に国際法は適用しない、「関係ない国」は介入するな―中国紙 2010年11月05日 提供:Record China
5日、尖閣問題をめぐる日中の対立が続くなか、米ホワイトハウス当局者が中国に「国際法を守るよう」求めたことに対し、「国際法を適用するという考えには全く根拠がない」と中国紙が反論した。写真は福建省晋江の母港に戻った、海上保安庁の巡視船と衝突した中国漁船。2010年11月5日、中国共産党機関紙・人民日報系の国際情報紙「環球時報」は、尖閣問題をめぐる日中の対立が続くなか、米ホワイトハウス当局者が中国に「国際法を守るよう」求めたことに対し、「国際法を適用するという考えには全く根拠がない」と反論した。
記事は、4日付日本メディアの報道として、米ホワイトハウス当局者が3日、尖閣諸島をめぐる日中の摩擦について「中国が国際規範と国際法を守ることを最大限期待する」と述べ、中国のレアアース政策に対しても「警告」を発したと伝えた。
この発言に対し、記事は「衝突事件以来、米国は釣魚島(=尖閣諸島)が中国固有の領土であるにも関わらず、積極的に口出しし、公然と『日米安保条約の適用対象になる』と宣言した」と反発。「国際法を守るという考えには全く根拠がない。米国は中国の内政に干渉する権利はない」と主張した。
中国国際問題研究所の日本問題専門家、陸国忠(ルー・グオジョン)研究員は「中日の摩擦で米国は、表面上は日本の味方をしているが、実は漁夫の利を得ようとしている」と指摘。「我々は話し合いを通じて中日両国で解決することを主張する。『何の関係もない』第3国が口をはさむことを希望しない」と米国の介入に反発した。(翻訳・編集/NN)
http://news.livedoor.com/article/detail/5120326/
●国際法順守、中国に要求…オバマ大統領書面回答 2010年11月12日 読売新聞
バラク・オバマ米大統領は11日、読売新聞の質問に書面で回答を寄せた。
12日からアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議出席のため来日するのを前に、日本の報道機関のインタビューに応じたのは初めて。大統領は、中国について、「地域と地球規模の課題で責任を持った行動を取るよう期待している」と述べたうえで、尖閣諸島の領有権を巡る日中間のあつれきを念頭に、「未解決の紛争の平和的な解決と国際的な規範、国際法の順守が、(アジアの安全、安定、繁栄という)目的にとって中心をなす」と語って、南シナ海や東シナ海での覇権主義的な振る舞いにクギを刺した。
中国は南シナ海で、漁船保護を名目に武装した政府の「漁業監視船」を派遣して、実質的な実効支配を手に入れようとしている。日本政府には、「中国は同じことを東シナ海でやろうとしている」(外務省幹部)との懸念がある。大統領が国際規範と国際法の順守を求めたのは、国際法上も日本が正当に実効支配している尖閣諸島の一方的な現状変更を認めないとの立場を示したといえる。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20101111-OYT1T01228.htm
●[FT]日中間の隔たりがこれほど大きく深い理由 2010/11/12 日本経済新聞
(2010年11月11日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
動画投稿サイトの「ユーチューブ」で今、意外な大ヒットとなっているのが、小さな漁船を巡る40分あまりの動画だ。既に日本人と中国人を中心に150万人を超える人々が、この海のドラマを閲覧した。スケートボードに乗るブルドッグを撮影した40秒ほどの動画「Tyson the skateboarding dog」の閲覧者数に肉薄する勢いである。
日中関係、2005年以降で最悪の状況
題材となっている中国籍のトロール漁船は、今年9月、日中関係を2005年以降で最悪の状況に追いやった事件の主役だ。先週漏洩(ろうえい)したこの映像は、無人でありながらその領有権が激しく争われている尖閣諸島(中国名は釣魚島)の近海で、中国の漁船が日本の海上保安庁の巡視船に体当たりをしている様子を示そうとしたものだ。
この映像が世に出たことで、日本が漁船船長を逮捕したことを巡る論争に再び火がついている。9月にはこの逮捕が日中の外交問題に発展した。中国政府からの政治的圧力があまりに強かったため、日本の検察当局は船長を処分保留のまま釈放した。検察当局はこの時、日中関係を考慮したと述べていた。
今回の映像流出は、日本側の主張を裏づけるために行われた模様だ。日本の施政下にある島の近海で船を意図的に衝突させた以上、船長を逮捕しないわけにはいかなかった、という主張である。
中国側は、漁船が挑発的な行動を取ったことを一貫して否定しているが、中国では多くのネチズン(ネット市民)が、まさに挑発的な行動を取ったことを評価して船長を英雄視している。
日本政府が譲歩して船長を釈放したことが明らかだったため、日本国内でも反発が巻き起こった。
「ニクソン・ショック」上回る「尖閣ショック」
日本の主要紙で最もリベラルな朝日新聞の主筆、船橋洋一氏でさえ、苦渋に満ちた書簡の体裁を取った一文を発表し、中国政府の行動を非難した。「もし、中国がこのような振る舞いを続けるのであれば、中国とは長い、長い闘争を続ける以外ない、という覚悟を私たちは持つことになるでしょう」
普段は物腰が柔らかく、自らも中国語を話す船橋氏はこの文で、レアアース(希土類)の事実上の輸出禁止など中国政府が取った報復措置に苦言を呈している。そして、「尖閣ショック」は日本にとって「ニクソン・ショック」よりはるかに大きな打撃になるだろうと予言している。
なお、ここで言うニクソン・ショックは、リチャード・ニクソン大統領が1971年に日本政府に内緒で中国との関係を正常化させたことを指している。
あんな小さな岩の所有権がこれほどの大問題に発展するのは、一体なぜなのだろうか。確かに、戦略的に重要な問題がからんでいる面はある。東シナ海のこの水域は魚介類が豊富で、海底には石油や天然ガスが豊富に埋まっている可能性もある。重要な航路にも近い。
だが、この争いの核心を理解するためには、アジアではよくあることだが、そこに覆いかぶさっている歴史の層をいくらかはがさなくてはならない。
中国は明代から領有と主張、日本の見解と対立
中国政府はこれらの島が、明の時代(1368~1644年)から中国の一部だと主張している。当時の数カ国の様子を描いた複数の地図が、明のものだったことを示しているという。
中国側に言わせれば、この島々は台湾の一部だ。台湾は日清戦争(1894~1895年)で清が敗れた後、日本の植民地になった。従って、日本が第2次世界大戦で負けて台湾の支配をあきらめた時に、島の領有も放棄したはずだとしている。
特に意外なことではないが、日本側の主張は全く異なる。これによると、日本政府は尖閣諸島(釣魚島)を1885年に調査し、「単にこれが無人島であるのみならず、清国の支配が及んでいる痕跡がないこと」を確認した。
また、尖閣諸島は台湾の一部ではなく沖縄から支配していたとしており、1971年の沖縄返還をもって日本に返還されたと主張している。
どちらの主張に分があるのか、筆者の見解を示すつもりはない。ただ、ここにはもっと深い問題があるのではないかという気がする。西洋人が東アジアに銃やアヘンを持ち込んでくる前は、国民国家という考え方がまだ確立していなかった。
「宗主権」から領有主張する中国
「当時の人々には主権という概念はあまりなく、宗主権という概念があった」。韓国のソウルに住む国際問題の専門家、グ・ミンギョ氏はこう指摘する。同氏によれば、当時の中国が最も強い文明だったことは自明の理だった。そのため中国は、後に日本に併合されて沖縄となった琉球など、周辺の王国から貢ぎ物を集めていた。
中国専門の歴史家であるジョナサン・フェンビー氏は、帝政中国と尖閣諸島(釣魚島)との関係は次のようなものだったと推測している。「岩だらけの島に対する実践的な主権行使といったことは、問題とされなかっただろう。人々が中国の体制の本質的な優位を認める限り、それで十分だった」
決定的なことに、主権と国民国家という欧州の概念を最も完全に吸収した国は日本だった。日本は1868年の明治維新で半ば封建的な幕府を解体し、議会制度に置き換えた。
また、偉大な国家になるためには帝国を手に入れなければならないという西側の考えも取り入れた。それが日本を地域における拡張主義という悲劇的な軍事行動へと向かわせることになった。
法の問題か、敬意の問題か
中国政府と日本政府は異なるレンズを通して尖閣諸島(釣魚島)を見ている。中国は自国の領有権主張を、この地域を西側(および、その継子である日本)がめちゃくちゃにする前の状態に戻すことによって歴史上の過ちを正すという大きな使命の一環としてとらえている。
中国政府にとっては、尖閣諸島を巡る論争は南シナ海の似たような争いと並び、150年にわたる屈辱の歴史を覆す活動の一環にほかならない。
対照的に日本政府は、自己主張を強める中国の態度を、戦後保たれてきた法と行政の標準に対する挑戦と見なしている。日本にとって、これは法の問題であり、中国にとっては敬意の問題だ。この2つの見解をどう一致させられるかは明らかでない。
By David Pilling
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE3E3E2E1968DE3E3E3E3E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2;at=DGXZZO0195570008122009000000
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE3E3E2E1968DE3E3E3E3E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2;df=2;at=DGXZZO0195570008122009000000
【私のコメント】
11月12日付けの日経新聞の記事(FT紙の翻訳)が尖閣問題を取り上げている。ただ、この記事では日中間の二国間対立しか取り上げていない点が問題である。中国側は尖閣の領有権だけではなく、一部マスコミで過去の宗主権を根拠に沖縄解放を主張する記事すら見られる。今後中国が更に強大化するならば、東南アジア諸国への宗主権が持ち出され、アセアン諸国が中国の属国に転落していくことであろう。
日本の尖閣諸島領有権主張の根拠は西洋の国際法に基づいたものである。一方の中国側の主張はかつての中華世界の華夷秩序に基づくもの。そして、日本にとって都合の悪いことに、かつて(アヘン戦争以前)とは異なり、中国は大陸指向国家から海洋指向国家に変容している。従って、モンゴル人を中心とする遊牧民族が漢民族と何千年も戦い続けてきた様に、今後日本は西洋の国際法の代表として中国と戦い続けなければならなくなっているのである。その戦いの最前線が尖閣諸島であり、沖縄であるということである。
恐らく、今回の日中対立は中国の内部分裂によって日本側=西洋側の勝利に終わる可能性が高い。しかし、中国の歴史は分裂と統一を繰り返してきた。分裂した中国が遠い将来に再統合されたときが日本にとって絶体絶命の危機となる。かつてモンゴルも、統一し強大化した中国軍に奥深くまで攻め込まれた経験を持っている。今後数百年の日本の安全保障を考えるならば、日本は漢民族とモンゴル族・満州族などの北方遊牧民族との対立の歴史を真剣に研究すべきである。
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5日、尖閣問題をめぐる日中の対立が続くなか、米ホワイトハウス当局者が中国に「国際法を守るよう」求めたことに対し、「国際法を適用するという考えには全く根拠がない」と中国紙が反論した。写真は福建省晋江の母港に戻った、海上保安庁の巡視船と衝突した中国漁船。2010年11月5日、中国共産党機関紙・人民日報系の国際情報紙「環球時報」は、尖閣問題をめぐる日中の対立が続くなか、米ホワイトハウス当局者が中国に「国際法を守るよう」求めたことに対し、「国際法を適用するという考えには全く根拠がない」と反論した。
記事は、4日付日本メディアの報道として、米ホワイトハウス当局者が3日、尖閣諸島をめぐる日中の摩擦について「中国が国際規範と国際法を守ることを最大限期待する」と述べ、中国のレアアース政策に対しても「警告」を発したと伝えた。
この発言に対し、記事は「衝突事件以来、米国は釣魚島(=尖閣諸島)が中国固有の領土であるにも関わらず、積極的に口出しし、公然と『日米安保条約の適用対象になる』と宣言した」と反発。「国際法を守るという考えには全く根拠がない。米国は中国の内政に干渉する権利はない」と主張した。
中国国際問題研究所の日本問題専門家、陸国忠(ルー・グオジョン)研究員は「中日の摩擦で米国は、表面上は日本の味方をしているが、実は漁夫の利を得ようとしている」と指摘。「我々は話し合いを通じて中日両国で解決することを主張する。『何の関係もない』第3国が口をはさむことを希望しない」と米国の介入に反発した。(翻訳・編集/NN)
http://news.livedoor.com/article/detail/5120326/
●国際法順守、中国に要求…オバマ大統領書面回答 2010年11月12日 読売新聞
バラク・オバマ米大統領は11日、読売新聞の質問に書面で回答を寄せた。
12日からアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議出席のため来日するのを前に、日本の報道機関のインタビューに応じたのは初めて。大統領は、中国について、「地域と地球規模の課題で責任を持った行動を取るよう期待している」と述べたうえで、尖閣諸島の領有権を巡る日中間のあつれきを念頭に、「未解決の紛争の平和的な解決と国際的な規範、国際法の順守が、(アジアの安全、安定、繁栄という)目的にとって中心をなす」と語って、南シナ海や東シナ海での覇権主義的な振る舞いにクギを刺した。
中国は南シナ海で、漁船保護を名目に武装した政府の「漁業監視船」を派遣して、実質的な実効支配を手に入れようとしている。日本政府には、「中国は同じことを東シナ海でやろうとしている」(外務省幹部)との懸念がある。大統領が国際規範と国際法の順守を求めたのは、国際法上も日本が正当に実効支配している尖閣諸島の一方的な現状変更を認めないとの立場を示したといえる。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20101111-OYT1T01228.htm
●[FT]日中間の隔たりがこれほど大きく深い理由 2010/11/12 日本経済新聞
(2010年11月11日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
動画投稿サイトの「ユーチューブ」で今、意外な大ヒットとなっているのが、小さな漁船を巡る40分あまりの動画だ。既に日本人と中国人を中心に150万人を超える人々が、この海のドラマを閲覧した。スケートボードに乗るブルドッグを撮影した40秒ほどの動画「Tyson the skateboarding dog」の閲覧者数に肉薄する勢いである。
日中関係、2005年以降で最悪の状況
題材となっている中国籍のトロール漁船は、今年9月、日中関係を2005年以降で最悪の状況に追いやった事件の主役だ。先週漏洩(ろうえい)したこの映像は、無人でありながらその領有権が激しく争われている尖閣諸島(中国名は釣魚島)の近海で、中国の漁船が日本の海上保安庁の巡視船に体当たりをしている様子を示そうとしたものだ。
この映像が世に出たことで、日本が漁船船長を逮捕したことを巡る論争に再び火がついている。9月にはこの逮捕が日中の外交問題に発展した。中国政府からの政治的圧力があまりに強かったため、日本の検察当局は船長を処分保留のまま釈放した。検察当局はこの時、日中関係を考慮したと述べていた。
今回の映像流出は、日本側の主張を裏づけるために行われた模様だ。日本の施政下にある島の近海で船を意図的に衝突させた以上、船長を逮捕しないわけにはいかなかった、という主張である。
中国側は、漁船が挑発的な行動を取ったことを一貫して否定しているが、中国では多くのネチズン(ネット市民)が、まさに挑発的な行動を取ったことを評価して船長を英雄視している。
日本政府が譲歩して船長を釈放したことが明らかだったため、日本国内でも反発が巻き起こった。
「ニクソン・ショック」上回る「尖閣ショック」
日本の主要紙で最もリベラルな朝日新聞の主筆、船橋洋一氏でさえ、苦渋に満ちた書簡の体裁を取った一文を発表し、中国政府の行動を非難した。「もし、中国がこのような振る舞いを続けるのであれば、中国とは長い、長い闘争を続ける以外ない、という覚悟を私たちは持つことになるでしょう」
普段は物腰が柔らかく、自らも中国語を話す船橋氏はこの文で、レアアース(希土類)の事実上の輸出禁止など中国政府が取った報復措置に苦言を呈している。そして、「尖閣ショック」は日本にとって「ニクソン・ショック」よりはるかに大きな打撃になるだろうと予言している。
なお、ここで言うニクソン・ショックは、リチャード・ニクソン大統領が1971年に日本政府に内緒で中国との関係を正常化させたことを指している。
あんな小さな岩の所有権がこれほどの大問題に発展するのは、一体なぜなのだろうか。確かに、戦略的に重要な問題がからんでいる面はある。東シナ海のこの水域は魚介類が豊富で、海底には石油や天然ガスが豊富に埋まっている可能性もある。重要な航路にも近い。
だが、この争いの核心を理解するためには、アジアではよくあることだが、そこに覆いかぶさっている歴史の層をいくらかはがさなくてはならない。
中国は明代から領有と主張、日本の見解と対立
中国政府はこれらの島が、明の時代(1368~1644年)から中国の一部だと主張している。当時の数カ国の様子を描いた複数の地図が、明のものだったことを示しているという。
中国側に言わせれば、この島々は台湾の一部だ。台湾は日清戦争(1894~1895年)で清が敗れた後、日本の植民地になった。従って、日本が第2次世界大戦で負けて台湾の支配をあきらめた時に、島の領有も放棄したはずだとしている。
特に意外なことではないが、日本側の主張は全く異なる。これによると、日本政府は尖閣諸島(釣魚島)を1885年に調査し、「単にこれが無人島であるのみならず、清国の支配が及んでいる痕跡がないこと」を確認した。
また、尖閣諸島は台湾の一部ではなく沖縄から支配していたとしており、1971年の沖縄返還をもって日本に返還されたと主張している。
どちらの主張に分があるのか、筆者の見解を示すつもりはない。ただ、ここにはもっと深い問題があるのではないかという気がする。西洋人が東アジアに銃やアヘンを持ち込んでくる前は、国民国家という考え方がまだ確立していなかった。
「宗主権」から領有主張する中国
「当時の人々には主権という概念はあまりなく、宗主権という概念があった」。韓国のソウルに住む国際問題の専門家、グ・ミンギョ氏はこう指摘する。同氏によれば、当時の中国が最も強い文明だったことは自明の理だった。そのため中国は、後に日本に併合されて沖縄となった琉球など、周辺の王国から貢ぎ物を集めていた。
中国専門の歴史家であるジョナサン・フェンビー氏は、帝政中国と尖閣諸島(釣魚島)との関係は次のようなものだったと推測している。「岩だらけの島に対する実践的な主権行使といったことは、問題とされなかっただろう。人々が中国の体制の本質的な優位を認める限り、それで十分だった」
決定的なことに、主権と国民国家という欧州の概念を最も完全に吸収した国は日本だった。日本は1868年の明治維新で半ば封建的な幕府を解体し、議会制度に置き換えた。
また、偉大な国家になるためには帝国を手に入れなければならないという西側の考えも取り入れた。それが日本を地域における拡張主義という悲劇的な軍事行動へと向かわせることになった。
法の問題か、敬意の問題か
中国政府と日本政府は異なるレンズを通して尖閣諸島(釣魚島)を見ている。中国は自国の領有権主張を、この地域を西側(および、その継子である日本)がめちゃくちゃにする前の状態に戻すことによって歴史上の過ちを正すという大きな使命の一環としてとらえている。
中国政府にとっては、尖閣諸島を巡る論争は南シナ海の似たような争いと並び、150年にわたる屈辱の歴史を覆す活動の一環にほかならない。
対照的に日本政府は、自己主張を強める中国の態度を、戦後保たれてきた法と行政の標準に対する挑戦と見なしている。日本にとって、これは法の問題であり、中国にとっては敬意の問題だ。この2つの見解をどう一致させられるかは明らかでない。
By David Pilling
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE3E3E2E1968DE3E3E3E3E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2;at=DGXZZO0195570008122009000000
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE3E3E2E1968DE3E3E3E3E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2;df=2;at=DGXZZO0195570008122009000000
【私のコメント】
11月12日付けの日経新聞の記事(FT紙の翻訳)が尖閣問題を取り上げている。ただ、この記事では日中間の二国間対立しか取り上げていない点が問題である。中国側は尖閣の領有権だけではなく、一部マスコミで過去の宗主権を根拠に沖縄解放を主張する記事すら見られる。今後中国が更に強大化するならば、東南アジア諸国への宗主権が持ち出され、アセアン諸国が中国の属国に転落していくことであろう。
日本の尖閣諸島領有権主張の根拠は西洋の国際法に基づいたものである。一方の中国側の主張はかつての中華世界の華夷秩序に基づくもの。そして、日本にとって都合の悪いことに、かつて(アヘン戦争以前)とは異なり、中国は大陸指向国家から海洋指向国家に変容している。従って、モンゴル人を中心とする遊牧民族が漢民族と何千年も戦い続けてきた様に、今後日本は西洋の国際法の代表として中国と戦い続けなければならなくなっているのである。その戦いの最前線が尖閣諸島であり、沖縄であるということである。
恐らく、今回の日中対立は中国の内部分裂によって日本側=西洋側の勝利に終わる可能性が高い。しかし、中国の歴史は分裂と統一を繰り返してきた。分裂した中国が遠い将来に再統合されたときが日本にとって絶体絶命の危機となる。かつてモンゴルも、統一し強大化した中国軍に奥深くまで攻め込まれた経験を持っている。今後数百年の日本の安全保障を考えるならば、日本は漢民族とモンゴル族・満州族などの北方遊牧民族との対立の歴史を真剣に研究すべきである。
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中国の歴史歪曲・粉飾は長い伝統、日本に「正しい歴史観」を求める資格はあるか 2015/10/06
9月3日、抗日戦勝70年を記念する行事が北京で行われた。
習近平国家主席は「重要講話」の中で「中華民族の若者は不撓(ふとう)不屈の精神で徹底して
日本軍国主義の侵略者を打ち負かした」と語った。
「抗日戦争」に対するこの総括はもちろん、歴史の事実には沿わない。
昭和20(1945)年8月15日の終戦の時、日本軍の「支那派遣軍」は依然、中国大陸の大半を支配下に置き、105万の兵力はほとんど無傷のままであった。
つまり日本はアメリカに敗戦して全面降伏したが、決して中国によって「打ち負かされた」わけではない。
歴史の歪曲(わいきよく)はそれだけではない。
昨年9月3日に開かれた「抗日戦争勝利69周年を記念する座談会」で習主席はこうも述べている。
「中国人民の抗日戦争において中国共産党は常に中心的力であり、主導的な役割を果たしている」
もちろんそれもまた、歴史の事実に反するものだ。
日中戦争当時の中国には中華民国政府という合法的な政府が存在しており、日本軍が戦った主な相手は、「国民革命軍」と呼ばれる中華民国の政府軍だった。
共産党の率いる部隊はいわゆる「八路軍」として知られるが、八路軍の正式な名称は「国民革命軍第八路軍」であって、中華民国政府軍の一部隊にすぎなかった。
したがって、中国の抗日戦争において「主導的な役割」を果たしたのはあくまでも当時の中華民国政府軍である。
習主席の上述の言葉は明らかに、共産党の自画自賛のための、歴史の粉飾である。
一国の元首が公然と歴史の歪曲・粉飾を行うのはいかなるものか、と首をかしげる日本人も多いだろうが、実は、歴史に対するこのような態度は中国の長い伝統である。
最初の正史である『史記』が前漢の時代に誕生して以来、中国で「二十四史」と称する多くの歴史書が編纂(へんさん)されたが、その大半は歴代王朝の官僚の手によるものだ。
しかも、新しくできた王朝の官僚が前王朝の歴史を書くのが普通だから、前王朝の歴史をできるだけ悪く書き、自分の仕える王朝のことを賛美するのは「春秋の筆法」として定着している。
たとえば唐王朝の2代目皇帝・太宗の時代、太宗に仕えた魏徴という高官が前王朝の隋朝の史書である『隋書』を書いたが、隋朝の末代皇帝の煬帝は希代の暴君として描かれた。
その結果、煬帝との対比で、反乱を起こして隋王朝を潰した唐の太宗父子、特に太宗本人は希代の英雄・名君として歴史に名を残した。
このような歴史の「作り方」を極限にまで発達させたのが今の中国共産党政権である。
共産党政権下で編纂された歴史書や教科書のすべては、「前王朝」の中華民国時代を「暗黒時代」として徹底的におとしめる一方、共産党政権の治世を「人民が解放と幸福を享受した時代」だと賛美した。
歴史の実態はむしろ正反対であろう。
共産党は自分自身の歴史に対しても隠蔽(いんぺい)と捏造(ねつぞう)を繰り返してきた。
文革中に元国家主席の劉少奇が粛清されると彼に関するすべての公的記録が抹消され、天安門事件で元共産党総書記の趙紫陽が失脚した後、「改革開放」における彼の功績が闇に葬り去られる。
そして今、習近平氏が国家主席となった「おかげ」で、彼の父親で元政府高官の故習仲勲氏はいきなり、トウ小平と並ぶような「偉大なる政治家」として脚光を浴び始めた。
このように、時の政治権力の都合によって、歴史に対する恣意(しい)的な歪曲・捏造・粉飾を行うのは中国という国、とりわけ中国共産党政権の一貫したやり方である。
その彼らが果たして、日本に対して「正しい歴史観」を求める資格はあるのか。
( 石 平 )
三百年後は、日本民族は支那の息吹にとりこまれて
消滅してしまうかもしれません。
支那が海洋を志向するのなら、完全に内陸と海洋国に
わかれてしまうかもしれません。
何とも言えません。歴史的になかったことですから。
岡田英弘先生によると、日本は支那から独立する、
そのためだけに作られた国だそうです。
いつの時代も日本は支那について思い悩む宿命なのですね。
日本と北朝鮮とは色々ありますが,この際手を取り合うのもありだと思います。
手始めにODAを使って北朝鮮のインフラを強化したら良いと思います。
北朝鮮との国交回復を急ぐべきと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=PrFFHb99pHw&feature=player_embedded
日本語版「台湾の大災難」出版
http://www.ntdtv.jp/ntdtv_jap/zgjw/20...
【新唐人2010年11月2日付ニュース】台湾で大きな反響を呼んだ「台湾の大災難」。10月28日、日本語版の出版を記念して、作者による講演が東京で開催されました。作者は、日本に向けてどんなメッセージを送ったのでしょうか。
北京大学の元教授で現在作家の、袁紅氷氏は、講演で「中国共産党は腐敗した政権を守るために、台湾の自由と民主を奪っており、2012年に台湾を統治する予定だ」と指摘。これについて袁氏は:「日本は自由の名の下に武士道精神を再建し、真理と自由の側に立ち、人類の自由のために貢献をすべきです」
さらに,日本は共産党にとって台湾とインドに次ぐ、第3の目標だとも指摘し、もし日本が中国の拡張に抵抗できなければ、日本も同じ運命をたどると警告します。~
詳細と購入はこちら(紀伊国屋書店BookWeb):
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4...
暴かれた中国の極秘戦略―2012年台湾乗っ取り、そして日本は...?(原題;台湾大劫難)
袁紅冰【著】 黄牛【訳】 まどか出版 (2010/08/20 出版)
http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-944235-52-0.html
「今回の資本主義世界の金融危機は、まさに始まったばかりで、今後も継続的に発展していくだろう。これは、資本主義の精神価値体系に大きな打撃を与えることになる。今回の危機は、マルクスが資本主義は必要的に周期的な危機を導き出すとした断定、レーニンが帝国主義は瀕死の資本主義だとした断定、マルクスと エンゲルスが社会主義は最終的に資本主義に勝利するとした断定がいずれも完全に正しかったことを証明している。ソ連・東欧大きな変化のあと、社会主義陣営は崩壊したと考える者もいる。こうした観点は欧州中心主義から出たものであり、彼らは中国共産党があることを忘れている。我々の党が政権を掌握しているかぎり、社会主義は崩壊することはない。小平同志はかって我々は『韜光養晦(今はがまんして来る日に備える)』すべしと指示した。一九八九年の六・四事件の政治的暴風のあとの険悪な国際環境のなかで、小平同志の政策決定は完全に正しかった。現在、十九年が経過し、我々は、六・四事件、特にソ連東欧の巨大 変化の不利な影響から脱け出して、戦略的発展期入ってきている。我々は、対外開放の度合いを強め、充分に経済・文化・社会の交流を進めて、世界各国に対して影響力を拡大しそれを強めていかなければならない。」
歴史上、西洋列強は砲艦とアヘンをもって中国を植民地にした。現在歴史は逆転し、我々は対外開放政策を通して、資本主義経済の危機という有利な歴史的機会を捉えて効果的な措置をとり、次第にかつての列強を社会主義中国の経済的、文化的な植民地に変えていくのである。かつて西洋が我々に対して行った植民地化の本質は、帝国主義による侵略であった。現在、我々が彼らに対して行う植民地化とは、共産主義の理想が腐敗し没落した資本主義に勝利し、最終的に共産主 義をもって全人類を解放するという偉大な歴史的使命を担っていかなければならない。この使命こそが来たるべき歴史的段階における党の政治的大戦略の核心なのである。
暴かれた中国の極秘戦略(著者 袁紅冰)より抜粋
一点気になるのは、このブログ記事の内容です。私は国際政治は陰謀と策略が渦巻いているという認識の元で一部の陰謀論を肯定し、その上で日本の真の国家戦略について深く追求するという姿勢です。その点でこのブログはかなり異色であると思っていますが、記事内容が日本政府の立てた陰謀を探り当ててしまった場合には日本の国益に反することもありうるという危惧も持っています。貴社による転載で当ブログの読者が増えた場合、日本の国益への影響はどうなるのかという点が一番気になります。この点は貴社で御判断下さい。
はじめまして、株式会社ライブドアの田野と申します。
貴殿の「国際情勢の分析と予測」を拝見いたしまして、
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コメント欄に失礼いたします。
弊社ではこのたび、金融や為替、株式や税などを中心に、
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現在の輸出による富の獲得に慣れた彼等の意識の上ではそうでしょう。
しかし中国の領土外周に占める割合を比較すれば海岸線より陸上国境線の方がはるかに割合が大きい。
この状態で海洋国家を指向するのは命取りです。財政的に破綻する。
もしやるならユーラシア大陸内部の広大な領土は捨てて、明か宋の時代の領土範囲に戻るしかない。
しかもそうなれば(過去の歴史と同じく)ユーラシア大陸内部の国家と緩衝地帯なしに直面しなければならない。
中国は一貫した安定した地政学的政策を貫くには難しい土地ではないでしょうか。
(西側がヒマラヤ山脈のような急峻な地形でユーラシア大陸と分断されていれば違ったでしょうが)
日本が2000年間中国に飲み込まれなかったのは玄界灘の200kmの海のせいばかりではないと思います。