国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

下落し続ける米国債はドル覇権終焉の前兆

2013年08月20日 | 米国
●米10年債利回りが2年ぶり高水準、緩和縮小めぐる思惑で | Reuters 2013年 08月 20日 02:11 JST

[ニューヨーク 19日 ロイター] - 19日の米債券市場で、米連邦準備理事会(FRB)が緩和縮小に着手することが見込まれる中、指標米10年債利回りは一時2年ぶりの高水準をつけた。
米資産買い入れ縮小の道筋をめぐり何らかの手がかりが示されるか、21日発表される連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が注目される。

米10年債利回りは2.87%と、2年ぶり高水準に達した。5月以降、1%ポイント超上昇している。

欧州債券市場では、独連邦債10年物利回りは一時、1.924%と、昨年3月以来の高水準をつけた。その後は、1.3ベーシスポイント(bp)上昇の1.89%付近で推移。

米株価は小動き。欧州株価は下落した。

新興市場国の為替市場では、インドルピーが過去最安値を更新したほか、インドネシアルピアが4年ぶり安値をつけた。

ABNアムロのエコノミスト、ニック・コウニス氏は「中銀と市場の駆け引きが行われている」と指摘。「市場が金利(上昇)見通しを押し上げ、中銀がその火消しに回っている。ただ、経済指標が改善する中、金利上昇見通しを押さえ込むことはますます難しくなりつつある」と述べた。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE97I01H20130819






●止まらない米金利上昇に警戒感、リスクオフの円買いも | Reuters 2013年 08月 19日 15:39 JST

[東京 19日 ロイター] - 米長期金利の上昇が止まらず、マーケットには警戒感も漂い始めた。米量的緩和縮小への警戒感が再び強まっており、リスクオフの円買いにクロス円の下落が加わり、ドル/円の上値は重い。米経済は底堅く、市場の不安心理が大きく強まっているわけではないが、材料不足のなか円高への警戒で日本株もこう着している。
<不透明感を嫌気>

米金利上昇に拍車がかかっている。10年債の利回りは16日の米債市場で一時2.866%と、2011年7月29日以来の高水準をつけた。市場では「イベントがなければ上限とみていた2.7%をあっさり突破した」(外資系証券)と警戒感が広がっている。

米連邦準備理事会(FRB)による早期緩和縮小観測に対する警戒感に加え、バーナンキFRB議長の後任として、緩和に慎重派とされるサマーズ前財務長官が就任する可能性が高まったとの見方が強まったことも一因だ。

米経済指標は総じて堅調で、その点で米金利上昇に違和感はない。米量的緩和第3弾(QE3)の縮小観測が金利上昇の大きな要因だが、景気回復が縮小決定の背景であれば、健全な金利上昇ともいえる。

ただ、5年にわたる量的緩和が終了することの影響は、まだ不透明。QE3縮小は5─6月の相場急変動を経て織り込まれてきてはいるが、縮小が決定される可能性が高いとみられている9月17─18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)が近づいてきたことで、あらためて不安が広がっているという。

「QE3縮小自体は織り込みつつあるが、縮小の規模やMBS(住宅ローン担保証券)と長期国債の縮小配分も不明。それ次第では市場が荒れる可能性もある。QE3縮小でどのような影響が市場や経済に出るか読めず、いったんリスクオフムードが強まっている」(りそな銀行・総合資金部チーフストラテジストの高梨彰氏)という。

<米金利上昇─円高のロジック>

本来なら米金利上昇はドル高・円安材料だが、金利上昇自体への警戒感がリスクオフムードを広げており、円買い圧力が強まっている。
実際、QE3縮小懸念は一部の新興国通貨売りにつながっている。インドルピーが対ドルでが16日に最安値を更新。ブラジルレアルも2.4%安の1ドル=2.3945レアルと、2009年3月以来の安値をつけるなど、一部の通貨が急落している。

クロス円の下落とリスクオフの円買いが、日米金利差の拡大要因を打ち消し、ドル/円の上値を圧迫する格好だ。「ドル調達が厳しくなるとの見方から一部新興国通貨が売られている。日米金利差は拡大しているが、リスクオフの円買いが出始めており、警戒が必要だ」(東海東京調査センター・シニアストラテジストの柴田秀樹氏)という。

日経平均.N225は反発したが、東証1部売買代金は1兆2566億円と今年最低を更新。「上値を追う積極性は乏しい」(国内証券)という。米金利上昇は米株の圧迫要因。ドル高・円安が進めば相殺してくれるが、リスクオフの円高が進めば、二重のマイナス材料となる。

<円債金利はデカップリング>

日本の長期金利は欧米金利とデカップリング傾向が強くなっており、10年最長期国債利回りは0.7%半ばを中心に安定している。「円債金利は日銀の大量購入で需給はタイトだ。米金利が上昇しても、そう影響を受けないだろう。米金利より株価や円の動きが影響しそうだ」(BNPパリバ証券・チーフ債券ストラテジストの藤木智久氏)という。

一方、米長期金利についても、このまま一本調子で金利が上昇するとの予想は少ない。10年米国債利回りが3%を超えてくれば、買い需要が強まるとみられるほか、米景気自体も一本調子の金利上昇を許すほど強くないとみられているためだ。

前週末発表された8月ミシガン大消費者信頼感速報値は4月以来の低水準となり、7月の米住宅着工・許可件数はプラスに転じたものの、市場予想には届かなかった。

ドイツ証券・チーフ金利ストラテジストの山下周氏は「現行程度での景気回復では、利上げ期待には結び付きにくい。どの国も財政を引き締めているなか、内需主導の回復の伝播を期待するならば、米景気回復の加速が必要だろう。欧米金利の上昇余地が限られれば、円安もなかなか進まない」と話している。

(伊賀 大記 編集:田巻 一彦)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE97I05320130819





●インド・ブラジルなどの新興国通貨、米緩和策縮小懸念で大幅下落 | Reuters 2013年 08月 20日 06:30 JST

[ムンバイ/ジャカルタ/リオデジャネイロ 19日 ロイター] - 19日の外国為替市場で、インドルピーが過去最安値を更新したほか、インドネシアルピアが4年ぶり安値をつけた。ブラジルレアルも約4年ぶり安値に下落し、米緩和策縮小が見込まれる中、対外バランスが悪化し景気減速やインフレが重しとなっている新興国市場からの資金引き揚げが続いていることが裏づけられた。
インドやインドネシアといった経常赤字が拡大している国の通貨が資本逃避にさらされやすくなっている。

マッコーリー・キャピタルのストラテジスト、Nizam Idris氏は両通貨について、「市場は依然として、ネガティブな経常収支や財政収支に基づいて行動している」と述べた。

インドネシア中央銀行が16日遅くに発表した第2・四半期の経常赤字はGDP(国内総生産)比で4.4%と、前四半期の2.4%から拡大した。

クレディ・スイスはノートの中で、「現在の外貨準備は輸入の5.5カ月分と、依然としてかなり健全な水準にあるが、市場に『危機』シナリオを懸念させることなく、中銀は現在のレートで外貨準備を利用し続けることはできない」と指摘した。

インドネシアのハティブ・バスリ財務相は、ルピア安を心配しておらず、来年も経常赤字となるものの、赤字幅は縮小すると述べた。

この日は他の新興国通貨も売られ、前週約5%下落したブラジルレアルはこの日も売られ、2009年3月以来の低水準を更新した。

南アフリカランドは対ドルで約1%下落、年初からの下落率は約17%に達した。国内の労働争議に加え、最大の輸出相手国である中国の経済指標発表を控え、売りが加速した。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE97I07R20130819







●ユーロが上げ幅縮小、米国債利回り上昇で=NY市場 | Reuters 2013年 08月 20日 06:31 JST

[ニューヨーク 19日 ロイター] - 19日終盤のニューヨーク外為市場では、ドイツ連銀の月報を手掛かりに円とドルに対して上昇していたユーロが、米国債利回りの上昇を受けて上げ幅を縮小した。
ドイツ連銀は8月の月報で欧州中央銀行(ECB)のフォワードガイダンスについて「無条件の確約には当たらない」と指摘。「実際の主要政策金利は引き続き中期的なインフレ見通しに左右される」とした。ドイツ連銀はまた、年後半の国内経済が通常の成長率に復帰し安定するとの見通しを示した。

これを買い手掛かりにユーロ/ドルは欧州の時間帯に一時1.3374ドル、ユーロ/円は8月5日以来2週間ぶりの高値となる131.03円まで上昇した。

ただ米10年物国債利回りが2.90%と2年ぶりの高水準をつけると、ユーロの上値は抑えられた。投資家は21日に公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録に注目している。議事録により、米連邦準備理事会(FRB)が早期に資産購入プログラムを縮小するとの見方が強まる可能性がある。

終盤の相場は、ドル/円が小幅高の97.59円、ユーロ/ドルは0.1%高の1.3338ドル、ユーロ/円は0.2%高の130.11円。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE97I07U20130819





●米株4日続落、米FRBの緩和縮小観測で消極姿勢 | Reuters 2013年 08月 20日 06:57 JST

[ニューヨーク 19日 ロイター] - 19日の米国株式市場は4営業日続落。米連邦準備理事会(FRB)が9月にも量的緩和縮小を開始するとの見方が広がるなか、投資家は新たなポジションの構築に消極的にになっている。
ダウ工業株30種.DJIは70.73ドル(0.47%)安の1万5010.74ドル。

ナスダック総合指数.IXICは13.69ポイント(0.38%)安の3589.09。

S&P総合500種.SPXは9.77ポイント(0.59%)安の1646.06。

4営業日続落するのはダウとS&P総合500種が年初来初めて、ナスダックは6月半ば以来となる。

S&P総合500種は2営業日連続で50日移動平均を下回って終了し、指数の一段の下落を示している可能性がある。

ナスダックは、アップル(AAPL.O: 株価, 企業情報, レポート)やグーグル(GOOG.O: 株価, 企業情報, レポート)などのハイテク株に押し上げられ、ほぼ終日プラス圏で推移していたが、取引終了前の1時間に売り圧力が強まり下落して引けた。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE97I07E20130819





●インドリスクへの警戒強まる、ステイト銀CDS保証料率が高水準に | Reuters 2013年 08月 20日 09:50 JST

[ロンドン 19日 ロイター] - インドステイト銀行のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)保証料率が19日、1年2カ月ぶりの水準に上昇した。インドのソブリンCDSはなく、インドステイト銀行のCDSが事実上ソブリンCDSとして取引されている。
19日は膨らむ経常赤字をめぐる懸念でインドルピーが最安値を更新する中、インドステイト銀行の期間5年CDSは45ベーシスポイント(bp)上昇し351bpとなった。(マークイットのデータ)

インドについては、巨額の経常赤字をファイナンスできるのかとの懸念が強まり、ルピーが下落している。インド政府・中銀は、あの手この手でルピー安に歯止めをかけようとしているが功を奏していない。

ソシエテ・ジェネラルのアナリスト、Guillaume Salomon氏は「CDSの動きは理解できる。通貨が圧迫されれば、どのように赤字をファイナンスするかという疑問が出てくる。CDSのワイド化はそのためだ」と述べた。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE97J00W20130820





●米国発世界恐慌の始まり:6/19の量的緩和終了声明はFRBの旧枢軸国に対する寝返り - 国際情勢の分析と予測 2013年06月20日
http://blog.goo.ne.jp/princeofwales1941/e/5d6493ff007a36b946be8a2bae1500a1






【私のコメント】
金融緩和の終焉で世界大恐慌開始の可能性がある9月17日のFOMCまで1ヶ月を切った今、米国で急激な長期国債の利回り上昇=国際価格の暴落が起きている。直近の最安値の5月と比較して10年米国債の金利は1%以上上昇しているのだ。世の人の多くは株価や為替には関心を払うが米国債の金利には関心が薄い。しかし、米国債の金利や価格は「ドル覇権=米国を通じた国際金融資本の世界支配」の信用度に直結している。リーマンショックで一度破綻した後に連銀の異常な買い支えによって米国株・米国債のバブルが形成され、米国不動産価格下落の打撃を凌いでかろうじてドル覇権が維持されているのが現状であるが、もはやそれが終わりに近づきつつある。

米国で形成された金融バブルは経常収支が赤字の国や発展途上国などの国に一部が輸出され、これらの国々で通貨高を含めたバブルが形成されていた。インドの通貨下落やソブリンCDS保証料率上昇はそのバブルの崩壊を示している。中枢が危なくなった米国の大手金融業が途上国から資金を回収しているのだ。ユーロ上げ幅縮小も同様の理由で説明できる。来るべき米国発(中国も同時か?)世界恐慌では米国株・米国債は暴落するが米ドルだけは暴騰し、米国は輸出産業が苦境に陥って恐慌を更に深刻化させるだろう。







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33 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2013-08-20 13:38:37
私は、世界大恐慌開始は9月ではなく、遅れて、12月から来年の1月からスタートだと思う。
返信する
Unknown (安物の妄想)
2013-08-20 13:57:24
↑毎度のセリフだけど、そう思う根拠をきちんと書いてよ!
返信する
恐慌時の通貨の上下パターン (kashin)
2013-08-20 19:41:01
>世界恐慌では米国株・米国債は暴落するが米ドルだけは暴騰
世界恐慌に火が点くと同時に、この三つは同時に下落し始まるでしょう。がその二~三ヶ月後に通貨だけは反転、三~四年間ほど米ドルは暴騰し続けるでしょう。1990/1の東京市場大暴落時の日本円がそうでした。
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Unknown (Unknown)
2013-08-20 20:44:33
どこまでいっても債務危機だからね
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Unknown (Unknown)
2013-08-20 21:15:13
私は、世界大恐慌開始は9月ではなく、遅れて、12月から来年の1月からスタートだと思う。

9月なのか来年なのかいったい何時なのか混乱する


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Unknown (Unknown)
2013-08-20 22:29:27

適当に書いているんだよ!
返信する
Unknown (Unknown)
2013-08-20 22:29:27

適当に書いているんだよ!
返信する
Unknown (Unknown)
2013-08-21 00:38:26
数学的に考えないのは経済学ではない!


数学ができない経済学部生は経済学部生ではない!!
返信する
質問 (Unknown)
2013-08-21 00:40:38
なんで経済学は文系なんですか?
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Unknown (Unknown)
2013-08-21 02:26:21
かの学問はファンタジーだから何も期待してはならない
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