済州島海軍基地建設計画で激化する地元住民の反対運動

●韓国:済州道知事、江汀海軍基地の建設中断を要請

ウ・グンミン済州道知事、江汀海軍基地の建設中断を要請
「クロムビ発破などの工事の進行を即刻中断し、公正な検証を始めろ」

ソ・ドンヒョン修習記者 2012.03.05 20:06

最近、済州道江汀村の海軍基地建設現場で、クロムビ海岸発破計画が明らかになり、海軍基地建設をめぐる対立が高まっているが、ウ・グンミン済州特別自治道知事が3月5日の午後に記者会見で、政府と海軍に工事進行を即刻中断するよう要請した。

記者会見文は、ウ・グンミン済州特別自治道知事、五虫陣済州特別自治道議会議長、キム・ドンワン セヌリ党済州道党委員長、キム・ジェユン民主統合党済州道党委員長の4人の名義で発表され、これは道知事、道議会、セヌリ党済州道党、民主統合党済州道党の共通した立場を表明したものと解釈できる。

記者会見文には、軍民複合港事業に対し、済州島と海軍が共に参加してシミュレーション検証の公正性と客観性を確保すべきであり、その後、検証を行い、問題がないという結論が出れば、政策を受け入れるかどうかを住民総会に送るという内容が含まれている。

2月17日に公開された国務総理室傘下の『軍民複合港15万トン級クルーズ船舶入出港技術検証委員会(以下 技術検証委)』の報告書によれば、15万トン級のクルーズ船舶が自由に入出港するのは難しい部分があり、再度シミュレーションが必要だと建議した。

これに対して政府は2月29日、国家政策調整会議で15万トン級クルーズ船の入出港が可能だという結論を出し、工事進行の立場を明らかにしたが、済州道は国防部が単独で実施した追加シミュレーションの結果は受け入れられないという立場を明らかにした。

このような中で、海軍基地建設施工業者であるサムスン物産とデリム産業側は、 3月2日にクロムビ海岸爆破のために『火薬類使用および譲渡譲受許可申請』を西帰浦警察署に提出した事実が伝えられ、早ければ7日にも発破が強行されるものと思われる。

クロムビの発破が差し迫ったため、海軍基地建設反対の動きも活発になっている。宗教界と市民団体の会員が江汀村に集まっている。こうした中、放送関係者のキム・ミファ氏は4日、ツイッターに(＠kimmiwha) 『D.K.K.K(Don't Kill Kangjung Kurumbi)』のプラカードを持って取った写真をアップロードし、賛同を要求し、カトリック正義具現全国司祭団とムン・ジョンヒョン神父、コン・ジヨン作家、キム・ジンスク民主労総指導委員などもツイッターで海軍基地建設反対に支持することを訴えている。

また5日現在、済州刑務所に収監され、27日間獄中ハンストを続けているヤン・ユンモ前韓国映画評論家協会長は、「クロムビで発破が始まれば水と塩も断つ」という意志を示し、周辺の人々を残念がらせている。

工事強行を控え、済州道外部からの警察約400人が追加で江汀村に投入されるなど、緊張感がさらに高まっている中で、済州道知事の工事中断要請に対する政府の反応に関心が集まっている。
http://www.labornetjp.org/worldnews/korea/knews/00_2012/1331040450118Staff/view





●韓国:『陸地出身』の西帰浦警察署長、クロムビ爆破強行の意志か

『陸地出身』の西帰浦警察署長、クロムビ爆破強行の意志か
西帰浦署長、6か月間に5回交替...政府対策会議の直後に他地域の者に交替

ソン・ジフン修習記者 2012.03.07 12:18

3月6日午後、イ・ドンミン西帰浦警察署長はクロムビ爆破を電撃的に許可した。これにより7日朝、警察兵力約1000人が投入され、クロムビ爆破が行なわれている。海軍基地建設を施行するデリム建設は、これまで2回、クロムビ爆破許可を申請したが西帰浦警察署はこれをすべて返却してきた。

西帰浦警察署には海軍基地建設反対闘争が本格化した昨年7月から6か月間で5人の署長が赴任した。

現イ・ドンミン署長の前任のキム・ハクチョル署長も待機発令当時は『健康上の理由』を理由に上げたが、事実上の更迭という解釈が有力だ。キム・ハクチョル署長は二回のクロムビ発破許可申請をすべて返していた。またクロムビ問題に「遺憾」を表明した。

昨年7月に赴任したソン・ヤンファ署長は、チョ・ヒョノ警察庁長官が直接更迭した。8月24日、海軍基地建設現場でクレーンが組み立てられるのを見て駆け付けた村住民を強制的に連行する過程で、むしろ住民にだまされて包囲され、深夜まで警察署に戻れない状況が起きたためだ。チョ・ヒョノ庁長はこれを「公権力が無力化された事件」と規定してソン署長を更迭した。

そのため2月22日、イ・ドンミン現署長が西帰浦警察署長に赴任した時から政権の『強行の意志』を貫徹する尖兵と予測され、結局発破許可が下された。

イ署長が以前の署長とはっきり違う点の一つが『陸地出身』という点だ。済州出身だった前署長と違い、イ署長は全北益山の出身だ。

済州島には『ケンダン』という地域共同体意識が根深く残っている。ケンダンは、同じ島の人々の紐帯と同僚意識を意味する。『強攻』の尖兵としては、どうもケンダンがある済州出身より陸地出身の人物の方が効率的だと判断した可能性もある。

実際に、江汀ではいつも公権力行使の正当性の問題が提起されてきたが、済州出身の西帰浦警察署長はこれにうまく対処できず、決定的瞬間に強硬な立場を取れずに政権の強攻ドライブの障害として作用してきた。

イ署長の赴任の時点も、海軍基地工事強行と関連ありそうだ。政府の『江汀港工事再開関連関係部署協力会議』が開かれた直後、イ署長の赴任が決定された。工事再開に関し、強硬な立場を確定し、その後、陸地出身の人物を確定したという指摘だ。
http://www.labornetjp.org/worldnews/korea/knews/00_2012/1331133795717Staff/view






●韓国:警察、クロムビ爆破を許可...「全身で防ぐ」

警察、クロムビ爆破を許可...「全身で防ぐ」
済州島は超非常状況...ウ・グンミン道知事、工事中止命令の発動を検討

チャムセサン編集チーム 2012.03.07 00:50

3月6日、西帰浦警察が済州海軍基地建設で『クロムビ』岩に対する爆破申請を許可し、済州島に超非常がかかった。

西帰浦警察署は6日午後、デリム産業などの海軍基地施工者が申請した『火薬類使用および譲渡・譲受許可申込書』を承認したと発表した。

警察によれば、済州海軍基地建設施工者協力業者2社が建設現場の第1工区で、最大8tの火薬を使って発破し、第2工区では最大35tで発破することを申請した。警察が承認した発破許可期間は最長5か月で、海軍基地施工者側はこの期間に何回かにわたり、発破をするものと発表された。

一方、この報せに接した済州道江汀村会と済州海軍基地反対対策委の活動家はこの日の午後7時頃、『緊急非常事態』を宣布して村の住民と共に全身を投げ出してもクロムビ岩の爆破を防ぐと宣言した。

カン・ドンギュン江汀村会長はこの日の午後7時に緊急住民会議を招集し、クロムビ発破のニュースを伝えた。カン会長は「クロムビが発破されるのは江汀村がなくなること」とし「全身で防ぐ」と話した。

カン会長はまた、村会館のスピーカーを通じ「海軍基地施工者側がクロムビをもうすぐ爆破する予定」とし、住民に緊急非常事態を宣布した。

江汀村会と活動家らは、全身を投げ出しても海軍のクロムビ岩爆破を防ぐ意志を明らかにしている。ムン・ジョンヒョン神父もツイッターで「江汀クロムビの発破で中央政府と地方政府の戦いがCount down! 私たちは、血を流しても退けません。悲壮です」と決死抗戦の意志を明らかにした。

現在、済州は超非常状況だ。済州地方警察庁の戦闘警察7中隊約560人以外にも、京畿地方警察庁に所属する戦闘警察6中隊に、婦人警官1中隊など約510人ほどを追加増員し、江汀港と海軍基地建設現場周辺に配置している。

一方、〈済州の声〉は、工事中止命令権を持つ済州道のウ・グンミン知事が『中止命令』をすると6日午後遅く緊急打電した。

〈済州の声〉によれば、済州道議会の一部議員は江汀村が一触即発の危機状況に置かれた点を理由に、ウ知事に緊急手段を講じるよう強く勧告したという。そのためウ知事は7日午前こうした立場を含む文書を海軍に送ることを決心したと伝えたと報道した。

クロムビ岩は幅が1.2kmもの一塊の世界的にも貴重な地形で、以前、海に流れ込んだ溶岩と海から出てきた岩が一つの塊になったと推定されている。このためクロムビ岩の海、汎島一帯はユネスコが指定した生物圏保全地域だ。
http://www.labornetjp.org/worldnews/korea/knews/00_2012/1331133383085Staff/view







●韓国:済州地方裁判所、済州海軍基地工事現場に入った聖職者を拘束

済州地方裁判所、済州海軍基地工事現場に入ったキム・ジョンウク神父とイ・ジョンフン牧師を拘束

ハン・サンボン いまここ記者 2012.03.12 14:18

3月9日、クロムビの発破作業を防ぐために済州道江汀の海軍基地工事現場のフェンスを突破して入った人のうち、カトリック聖職者のキム・ジョンウク神父 (イェズス会)とプロテスタントのイ・ジョンフン牧師(韓国キリスト長老会済州道会長)の聖職者2人が拘束された。

済州地方法院は3月11日午後8時40分頃、令状実質検査を終え、キム・ジョンウク神父とイ・ジョンフン牧師がフェンスを越えてクロムビに進入する過程で、主導的な役割を果たしたという理由で財物損壊の容疑で拘束令状を発行した。

これに先立ち「済州海軍基地撤回と平和のためのキリスト者の会」の共同代表でもあるイ・ジョンフン牧師は、8日の集会で声明書を通じ「済州道民と江汀住民の正当かつ血を吹くような呼び掛けにもかかわらず、40トンの爆薬でクロムビ海岸を破壊する政府と国防部は今、海賊や強盗の水準に転落した」と強く批判した。

一方、8日にソ・ギョンソク牧師が主導し、江汀で開かれた右翼団体の「済州海軍基地建設要求全国大会」について、「この四旬節に強盗されて苦しむ兄弟の居間に押しかけ、暴言と威嚇を加える行為をどうして受け入れられようか。済州道民と江汀村住民に謝罪し、さらに痛恨の心情でこの偉大な平和の戦いに協力し、まい進することを約束する」と述べた。

一方、韓国イェズス会のチョン・マニョン神父はEメールなでど「キム・ジョンウク神父とイ・ジョンフン牧師の拘束の知らせを聞き、夜中に惨憺たる気持ちだった」とし、済州道江汀に行けない人はソウルに集まり「クロムビ爆破阻止のためのミサ」を奉献しようと提案した。

チョン神父は「司祭の拘束は、1989年に北朝鮮を訪問した林秀卿さんを保護するために北朝鮮を訪問したムン・ギュヒョン神父の拘束から23年ぶりのこと」とし、「これはとても危急で重大な事件の前に私たちがいるということ」を喚起させると。チョン神父は「たとえ神父と牧師が財物破壊の実定法(まだ未確認)に違反したとしても、何が彼らをそう追いやったのかを調べなければならない」と話した。

チョン・マニョン神父は12日午後4時に済州道江汀で天主教正義具現全国司祭団の月曜巡礼ミサが奉献されることをきっかけに、「少なくとも四旬節の期間だけでも毎晩8時に『クロムビ爆破中止のためのサムスン物産の改心のために』サムスン物産がある江南駅4番出口に集まろう」と提案した。チョン神父は「クロムビ発破作業は青瓦台(米国)が主犯であり、海軍は従犯だという点で『サムスン物産の改心という主題は多少安易に聞こえるかもしれないが、クロムビを直接爆破するのは建設会社』と指摘した。

チョン・マニョン神父のこうした指摘は、これまではクロムビ爆破について、主に政府と国防部と海軍の強行方針に注目してきたが、今回の海軍基地建設を施工するサムスン物産とデリム建設の利害関係も複雑にからまっているという疑いをなげかけている点が注目される。

チョン・マニョン神父はミサに参加する市民に「クロムビ助けて!」などと書いた 1人デモのプラカード作ってくれるよう要請し、「組織の力を借りず、自発的にこのミサを奉献する。さらに建設的な内容があれば知らせてほしい」と要請した。 (記事提携=カトリックニュース・いまここ)
http://www.labornetjp.org/worldnews/korea/knews/00_2012/1331788119722Staff/view






●済州海軍基地：外国人活動家らも過激な反対運動 朝鮮日報 2012/03/13 11:11

原子力潜水艦に侵入した前歴のある女性活動家も
フェンスを破壊、カヤックで現場侵入…複数の外国人活動家が抗議行動
きのうは50人以上の活動家が侵入　警察は16人の身柄を拘束して取り調べ

済州海軍基地建設に反対する違法デモには外国人も積極的に参加している。写真は済州道西帰浦市江汀洞の建設現場出入り口前で行われたカトリックのミサを見詰める2人の外国人。／イ・ジョンヒョン客員記者
　英国人のアンジー・ゼルター氏（61）は、済州海軍基地建設に反対する熱心な活動家だ。ゼルター氏は今月9日午前10時に30人以上の活動家と共に、工事現場の周囲に設置されたフェンスを破壊して敷地内に入り、建設現場の海岸でデモを行ったとして警察に身柄を拘束された。警察での取り調べでゼルター氏は「住所は江汀洞、名前はクロムビ（江汀洞南東部の砂浜）」と話しただけで、黙秘権を行使し、自分が違法行為をした事実を認めなかった。ゼルター氏は先月26日にも江汀洞の船着き場からカヤックで工事現場の海岸に侵入し、警察に身柄を拘束されていた。

　自らを「平和活動家」と名乗る複数の外国人が、済州海軍基地（軍民複合型観光美港）の建設工事現場で堂々と違法デモに参加している。済州地方警察庁と法務部（省に相当）済州出入国管理事務所（入国管理局に相当）によると、海軍基地建設に反対するため江汀洞で活動している外国人は25人以上に上るという。中でもゼルター氏を含む4－5人は、韓国国内に長期間滞在して違法デモなどに参加している。

　ゼルター氏は1999年に別の女性活動家2人と共に、スコットランドの港に停泊していた原子力潜水艦に侵入し、コンピューター機器を外部に放り投げて一躍有名になった。

　フランス国籍の男性、ベンジャミン・モネ氏（33）も、今年5月に開催される韓国女性映画祭に参加するため済州道にやって来たという。モネ氏は江汀洞で活動する団体の間ではすでに有名人だ。昨年11月には工事現場でフェンスの設置作業を行っていた作業員に暴行した容疑で起訴されたが、本人は正当防衛を主張して作業員を告訴し、現在も法廷での争いが続いている。

　警察はモネ氏について「隙があればカヤックで海岸に侵入する。海岸で最初に発破作業が行われた今月7日にも、江汀洞の船着き場からカヤックで現場に侵入し、デモを行った」と説明している。さらに、江汀洞新聞のカメラマンを自称するジュフリン氏（仮名）、環境運動家を自称するエミリー氏（仮名）やパコ氏（仮名）など、米国や台湾国籍の外国人が江汀洞に滞在している事実も警察は把握している。

　もちろん外国人でも韓国で合法的な集会に参加することは可能だ。しかし違法デモを行った場合は事情が異なる。それでも警察は外交問題に飛び火することを考慮し、彼らを国外退去にはしていない。江汀洞の地元住民であるKさんは「われわれも外国に行ってあのような行動ができるだろうか。違法デモに参加したらすぐに国外退去になるだろう」と話した。

　また12日午後6時ごろ、西帰浦市江汀洞の海軍基地建設に反対する50人以上の活動家が敷地内の海岸に侵入し、一部の活動家が警察に連行された。敷地に侵入したのは西帰浦市江汀港でカトリックのミサを行った複数の神父や反対団体のメンバーなどで、防波堤に設置された鉄条網を乗り越えて海岸に入り込んだ。警察は地元済州道の環境団体で代表を務めるO氏（47）ら16人を、鉄条網など器物破損容疑で現行犯逮捕し、西帰浦警察署に連行して取り調べを行っている。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/03/13/2012031301280.html







●済州海軍基地：済州道と国防部が激しく対立 朝鮮日報　2012/03/12

工事現場のフェンスを破った牧師と神父の2人が身柄を拘束

フローティングドックと衝突して破損し、停泊している漁船。海中には沈没した漁船も見える。済州道西帰浦市の港で11日午後撮影。／イ・ジョンヒョン客員記者
　済州海軍基地（軍民複合の観光美港）内に設置される15万トン級クルーズ船停泊施設の安全性への見方の違いから、済州道と国防部（省に相当）の間で対立が表面化している。済州道は20日から予定されている埋め立て工事建設中止に向けた聴聞会を予定通り開催する方針を固めているが、これに対して国防部も「工事の中止はあり得ない」とする従来の立場を一切変えようとしない。

　済州道は11日、「工事中止の命令が下されても、これが履行されない場合には、工事免許を取り消すことも考えている」「公平な立場から検証するというわれわれの考えには確かな名分がある。このことを法廷で伝えるために、資料の確保などさまざまな準備を進めている」とコメントした。

　済州道庁の関係者は「工事日程の影響で2回目のシミュレーションが難しいのであれば、軍民複合港に15万トン級のクルーズ船を安全に停泊させられるよう、設計を変更することも考えられる」「現在の計画から埠頭（ふとう）を陸地側に少し移動させる方向で設計を変更すれば、船が回転できる空間をもう少し確保できるだけでなく、それ以外の全ての問題も解決できる」と主張する。

　しかし海軍は済州道の要求とは関係なく、工事は予定通り進めるとしている。

　海軍の関係者は「済州道の要求通り設計を一部変更したとしても、環境影響評価についての協議でまた新たな問題が表面化し、工事が遅れることも考えられる。シミュレーションの結果、15万トン級のクルーズ船運航に問題はないとの結論はすでに出ているため、工事を予定通り進めるという立場に変わりはない」と述べた。

　済州地方裁判所はこの日、済州海軍基地工事現場のフェンスを破り、敷地内に違法に入り込んだ牧師のL氏（53）と神父のK氏（50）の2人に対する、器物破損の容疑の逮捕状を交付した。2人は今月9日午前10時ごろ、西帰浦市江汀洞南東部の済州海軍基地建設工事現場に設置されたフェンスを破り、敷地内に違法に侵入して発破作業などを妨害したとされている。

　またこの日午後2時10分ごろ、西帰浦市安徳面の和順港では、済州海軍基地工事のために使われていたバージ船（フローティングドック・半潜水式の屋外作業場）が強風にあおられ、近くに停泊していた3隻の漁船に次々と衝突し、漁船は2隻が沈没、1隻が破損した。事故が発生した和順港は、海軍基地工事現場の江汀洞と20キロほど離れている。漁船は事故当時、乗組員不在で停泊していたため、人命被害はなかった。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/03/12/2012031201011.html






●【社説】韓明淑氏は済州海軍基地の反対派を説得せよ　 朝鮮日報　2012/03/13

　野党・民主統合党（略称：民主党）の韓明淑（ハン・ミョンスク）代表は12日、寛勲クラブ（韓国人ジャーナリストによる研究・親睦団体）の討論会で、済州道西帰浦市江汀村に建設中の海軍基地について「安保面での必要性には反対しない」としながらも「工事を中断して住民や専門家の意見を聴取し、事実上、全面的に再検討すべきだと思う」と述べた。全面的に見直す理由としては「実質的に住民が反対しており、手続き上で不備が多すぎるため」と説明した。

　韓代表の発言は、これまで聞いたことのない話だ。済州道の海軍基地反対派は韓代表の発言とは裏腹に、基地が建設されれば米海軍が利用することになり、これが中国を刺激し、むしろ安保が脅かされると主張してきた。民主党幹部らも、暇さえあれば基地建設現場に駆け付け、こうした無責任な住民扇動に加勢している。4月の国会議員選挙で民主党とタッグを組む統合進歩党（略称：進歩党）の青年比例代表候補選びに立候補した若者は、済州海軍基地を「海賊基地」と批判している。韓代表が本当に安保面から基地を必要だと考えているなら、事業の全面見直しを要求する前に、まず根も葉もない主張を続ける民主党や進歩党の党員を説得すべきだ。

　また、韓代表が「手続き上の不備」を指摘するのは明らかに間違っている。同氏が盧武鉉（ノ・ムヒョン）政権で首相を務めていた頃に実施された世論調査で、済州道民の54.3％と江汀村民の56.0％が同事業に賛成し、基地の建設が始まった。その後、反対派は「手続き上の不備」に固執し続け、訴訟を提起したものの、裁判所は「手続きには何の問題もない」との判決を下した。反対派が住民の意に反して基地を建設していると主張し、実施された済州道知事の解職請求（リコール）住民投票は、投票率が開票に必要な33.3％をはるかに下回る11％にとどまった。こうしたプロセスを経たにもかかわらず、手続きに不備が多く、実質的に住民が反対しているとは一体どういうことか。

　基地建設反対派はまた、海軍基地内に設置される15万トン級クルーズ船停泊施設の安全性を問題視し、野党はこれを理由に建設予算の凍結を主張した。だが、これについても国会の要求で設計検証を行った結果、特に問題は見つからなかった。

　韓代表は首相在任時、済州海軍基地は軍事戦略上で必要な事業だと述べた。基地の安保的な価値を認めるという今回の発言は、その考えの延長線上にあるものだろう。韓代表は、言い掛かりをつけてでも基地建設を阻もうとする勢力に対し、「手続き上の不備」を挙げて機嫌を取ることと、国の安保に必要な海軍基地なので、この辺で実力阻止を止めようと説得することと、どちらが不安を覚える国民を安心させ、民主党の政権獲得に有益なのかを見極めるべきだ。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/03/13/2012031301212.html








●済州海軍基地：「対中沈黙・対米批判」韓国左派の奇妙な論理　朝鮮日報　2012/03/10 　

離於島領有権を主張する中国には沈黙　済州道基地と関係ない米国ばかり非難

　済州海軍基地建設に反対する左翼勢力が、空母の配備など軍事力を増強する中国は一切非難せず、基地とは関係のない米国ばかりを非難し、「“反米ビジネス”に力を入れている」との指摘が相次いでいる。

　済州海軍基地は2007年2月、当時首相だった韓明淑（ハン・ミョンスク）民主統合党代表が国会で発言したように、「大洋海軍の育成と南方海上航路の安全確保」が目的だ。しかし政府の計画の中には「この基地は米軍によって利用される」といった言及は一切ない。日本の横須賀基地のように、米軍が使用するための陸上施設も存在しない。

　ところが左翼団体は済州海軍基地について、「韓国は米帝の植民地」という主張を持ち出して反対している。「米軍はいつでも済州海軍基地を利用する→中国からの強い反発→米中の紛争地域化」というのが反対の論拠だ。

　済州海軍基地建設に反対するムン・ジョンヒョン神父は昨年11月、ある左翼系メディアとのインタビューで「米国と中国が軍事的に緊張状態に陥ったと仮定しよう。そうなれば当然、米軍は済州海軍基地を使用するようになるだろうし、中国はこの基地を攻撃目標に設定するだろう。すると平和の島であるはずの済州は最も危険な紛争地域になってしまう」と語った。発生する確率が決して高いとは言えない、あくまで「仮定の話」を前提とし、済州道が紛争地域になるとの結論を下しているのだ。

　このような左翼の主張とは異なり、「将来本当に警戒すべきは中国」との指摘がむしろ現実的だ。今後米国は韓国の1年分の防衛費よりも多い、毎年400億ドル（約3兆2960億円）、10年で4000億ドル（約32兆9600億円）の軍事費削減計画を発表したが、中国は今も毎年10%以上の軍事費を拡大し続けている。

　ある韓国政府関係者は「最近、韓国の左翼勢力は済州海軍基地建設への反対を通じ、軍事費を拡大する中国の脅威には顔を背け、韓国を守る同盟国ばかりを非難している」と述べた。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/03/10/2012031000597.html







●済州海軍基地：検証結果に関係なく反対貫く野党　朝鮮日報　2012/03/09

　済州道西帰浦市江汀洞の海軍基地建設に反対する野党や複数の団体は最近、反対の理由として「海軍基地の設計を検証するシミュレーションが必要」という主張を前面に出している。15万トン級のクルーズ船が出入りできる軍民複合型の観光美港になり得るかを、詳しく検証すべきという主張だ。しかし、シミュレーションを通じて大きな問題はないとの結論が出ても、基地建設に反対する野党や複数の団体が建設事業を受け入れる可能性はほぼゼロに近いとの指摘が相次いでいる。

　表面的にはシミュレーションの必要性や環境問題などを反対の理由に掲げているが、実際はそれとは関係なく、建設そのものに反対する側面が強いからだ。

■反対派は理由を変えて引き続き反対

　野党など反対勢力は、基地建設反対のために掲げる大義名分を何度も変え、状況に応じてイデオロギーや環境・生態系に関わる問題などを指摘し反対を主張してきた。

　具体的には「平和の島である済州に軍港など建設すべきではない」「この基地が中国を念頭に置いた米軍の戦略基地として利用されるのは間違いない」「深刻な環境汚染や生態系の破壊を引き起こす」などの主張を、状況に合わせて順番に訴えてきたのだ。

■言葉を変える民主党

　民主党は与党だった2007年には「基地は絶対に必要」と主張していた。当時首相を務めていた民主統合党の韓明淑（ハン・ミョンスク）代表は「大洋海軍を育成し、南方航路を保護するためには、海軍基地建設は避けられない」と発言し、統合進歩党の柳時敏（ユ・シミン）共同代表も「海軍基地は平和の島と矛盾しない。むしろ重要な場所になるだろう」などと述べていた。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/03/09/2012030901142.html







●済州島四・三事件と在日済州島出身者について - 国際情勢の分析と予測
http://blog.goo.ne.jp/princeofwales1941/e/4195ed4bcd31d5e71dbde3d3c710e8f4




●済州島海軍基地建設と反対運動 - 国際情勢の分析と予測
http://blog.goo.ne.jp/princeofwales1941/e/bba035fa7dbf45bde7ce5c1b86bbbbcb






【私のコメント】
済州島の海軍基地計画への反対計画が激化している。済州道政府の知事が計画の中止を求めていることは象徴的である。海軍基地計画を推進する韓国政府・韓国軍と反対する地元自治体・地元住民の間の対立は深まるばかりである。韓国政府は地元出身の現地警察署長を更迭して本土出身者を送り込んで反対派弾圧を強行している。かつての済州島四・三事件の対立がそのまま繰り返されている。今後この対立は、済州島の分離独立運動へと進化していくことだろう。そして、韓国は日本・中国・北朝鮮の三国連合との戦争で滅亡し北朝鮮陸軍に軍事占領されて消滅していくことだろう。




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