マスミンのピアノの小部屋

ピアニスト兼ピアノ指導者松尾益民が、ピアノや教育、世の中の出来事など日々感じることを、徒然なるままに綴ります。

ドビュッシー:ピアノのために

2012-02-20 23:51:37 | ラ・プロムナード・ミュジカル
26日のプロムナード・コンサートで弾くソロの曲、ドビュッシーの方はテンポが速く、このところテンポを上げて弾けるように…と、練習に励む日々…。
若いころは軽く弾けていたのにィ…と思わないでもありませんが、まぁ頑張るのみ!
曲は、「ピアノのために」です。

ドビュッシー(1862~1918)が、初期の一連の小品以来、10年ぶりの1901年にまとめた曲集で、古典組曲の形式をとっていますが、音楽は懐古的ではありません。
第1曲は「プレリュード」で、「力強く、よいリズムで」とあります。
軽快で急速な音の動きと印象主義的な色彩感が特徴となっていますし、グリッサンドが効果的に使われていて、それも面白いです。
第2曲は「サラバンド」で、「優雅な落着きとゆるやかさをもって」です。
「サラバンド」とは、17~18世紀にヨーロッパで流行した、ゆっくりした舞曲のこと。
これだけが1896年の作で、「忘れられた映像」の第2曲を若干修正したものです。
「ルーヴル美術館の思い出の少々古めかしい肖像のように、荘重でゆっくりとしたエレガンスを持つものだ」と、ドビュッシー自身が書いています。
第3曲は「トッカータ」で、「速く」とあります。
細かな音の配列と楽句の反復により、急速な音の流れを豊かに表現した、終曲にふさわしい曲。
最初から最後まで16分音符の連続で、一息つくところもなく大変ではありますが、音の使い方が面白く、好きな曲です。
この曲のテンポをどう設定するか、悩むところです。
どちらかと言えば、非常に速く弾き飛ばす傾向がありますが、若干落ち着いた演奏もまたそれはそれでいいものです。

私の感覚に一番合いそうな演奏は、若い時のゾルタン・コチシュの ドビュッシー:ピアノ作品集 です。

ジャック・ルヴィエの ドビュッシー:ピアノ作品全集 は、トッカータを少しゆっくり目に弾いていますが、なかなかいい感じ!
ドビュッシーの曲が網羅されていますから、ドビュッシーを知るにはいいCDです。

パスカル・ロジェの ドビュッシー:ピアノ曲集 はクリアな演奏で、これも好きですけど…。

今年は、ドビュッシー生誕150年記念の年。
大いにドビュッシーに浸るのもいいか…と。