ショパン(1810〜1849)のスケルツォは4曲あり、4日のプロムナード・コンサートで演奏するのは、最後の第4番です。
スケルツォという言葉は、冗談とか滑稽なとかという意味がありますが、ショパンのスケルツォは決して冗談が感じられる曲ではありません。
激しい怒りや絶望の気持ちを折り込んだ曲に、カプリッチォほど軽くはない曲名をつけるのに、スケルツォという言葉を使ったようです。
バラードも4曲ありますが、こちらは物語性もあり、激しさの質が違うように思います。
ショパンのスケルツォの特徴としては、4曲とも3拍子であること、軽快なリズムとスピードがあることでしょうか。
3番までの3曲が短調であるのに対して、第4番のみが長調であるのは、その時々のショパンの体調と無関係ではないようです。
第4番が作られた1842年は、ショパン32歳、パリで開いたリサイタルは大成功、健康状態も比較的良く、最も充実していた時期でした。
英雄ポロネーズやバラード第4番も作られています。
そんな時期に作られているためか、曲は晴々として軽快で、幸せな気分にあふれています。
3部形式で、主要部の、和音の上行下行による主題は、印象的です。
中間部は、短調で少しメランコリックな情緒豊かなメロディで、主要部との対照をなしています。
スケルツォと言えば、とかく第2番だけが取り上げられるのですが、他の3曲もそれぞれに良さがあり、同じように聴いてほしく思います。