マスミンのピアノの小部屋

ピアニスト兼ピアノ指導者松尾益民が、ピアノや教育、世の中の出来事など日々感じることを、徒然なるままに綴ります。

作曲家の意図

2018-10-24 00:05:20 | 日記
夜、ヘンレ社原典版講座~作曲家が本当に表現したかったこと~という講座を聴きに行きました。
ヘンレ版と言えば、古典派以前の作曲家の楽譜については、原典版として定評があるのですが、如何せん、値段が高い!
大学1年の時、音楽学の故大宮真琴先生の指示でヘンレ版のモーツァルトのソナタ全集を買った時は、確か3,500円くらいで当時の大学1年生にとっては非常に高くてドキドキしながら使ったものでした。
今でもそれは使っているのですが、最近、モーツァルトの自筆譜が見つかった曲があって、その研究結果により改訂版が出されたとのことでした。
ほんの一フレーズなのですが、グッとおしゃれに感じるものでした。
今日の講座は、ヘンレ社の楽譜の編集者であり、社長でもあるザイフェルト博士の話でした。
丁寧なわかりやすい話でしたが、残念なことに、私にとって原典版とはということについては目新しい情報はなく、まぁ当然という話でした。
高校の頃習っていた故長岡敏夫先生は、バッハインヴェンションとシンフォニアの原典版編集をされていて、楽譜として出版されていましたし、大学入学直後から、楽譜は作曲家の意図をきちんと反映した楽譜を使うべきということをうるさく言われていたし、当然のこととして受け止めていました。
ショパンの楽譜も、わりと最近新ショパン全集ができて、それまでの解釈とは大いに違う部分があったりして、新しい曲を弾くときにいつも苦労します。
どの楽譜を使うか…と。
ドビュッシーも自筆譜には楽譜の間違いがあったり、出版の際のミスがあったり、明らかな間違いがあったりで、これまた毎回のように苦労しています。
いろんな楽譜を突き合わせて見るので、弾き始めるまでに結構時間がかかってしまいます。
あまりわからないことを突き詰めても、結局は、どう弾けば美しく聞こえるか…という所に落ち着くのですけど。
それにしても、今日の講座を聴きに来ていたまわりの人たちが、原典版についての知識があまりないような話をされていたのは、う~ん…。
講座で話題に上がった曲の演奏は、菊地裕介氏でした。
風邪をひいていて、薬を飲んだし、今日は健康診断で朝早くから出かけていて疲れていたのもあって、舟をこいでしまった…。


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