THA-09EXを作った理由のひとつに、新しいオペアンプを使ってみたいというのもありました。
THA-09EXの製作者、青樹さん(@Fen_Elegy)から、このようなオペアンプが送られてきました。
THS4631DDA
どうも廃番となっているものらしいですが。
しかしこれがやっかいなオペアンプです。超高速というだけに高域まで伸びている(datasheet上では)
のですが、ということは発振もしやすいという事となります。
ネットで調べても、異常発熱、超高域発振(5MHzで発振って)など、多々問題ありのようですが
本当に何が悪いのでしょうか。
ということで小細工をしてみました。
変換基板裏にパスコンと、Zebel回路を付けてみました。
表側の大きな茶色のは青樹さんが付けた物です。
なんとこれだけで安定しました。
電源ONで1分程度で表面温度が45度を超えていたのが、40度程度に収まっています。
これは有効な方法ではないかということで、専用の変換基板を作ってみることにしました。
中華基板屋への発注も慣れてきましたし、小型サイズの面付けも問題なく製造してくれる様子です。
色は合わせて白にしてみました。(初めてこの色で注文しました)
まずはTHA-09EX初段に搭載してみました。(フラックスが汚いですね)
青樹さんの要望で、いくつかの実験を行ってみました。
ここではわざと、Zebel回路もパスコンも位相補正コンデンサも付けていません。
ただ、THA-09EXの基板裏(実際にはICソケット裏側)にはZebel回路を付けられるように設計されています。
そこに指定どおりの部品を付けて動作テストを行ってみました。
非常に安定しています。温度も40度少し超えた程度で一定となっている様子でした。
これならということで、勢いついでにあと2個製作してみました。
後段のはパスコン、位相補正コンデンサ、 Zebel回路も取り付けています。
温度は非常に安定していますし気温が低い事もあって40度まで上がりません。
懸念していた点は、MUSES03使用時の問題が尾を引いています。
オペアンプにつきものの、オフセット電圧問題です。
THS4631DDAも、個体差がかなりあるのではないかということで、4個製作して
出力側のオフセット電圧を測定したところ、3mV程度という事で何ら問題ないことが判明しました。
念のため、という事で初段、後段ともに左右入れ替え、また少々乱暴ながら、初段、後段も
入れ替えて電圧を測定してみましたが、違いはありませんでした。
これなら無選別でも使用できそうです。