◎大いなる静けさに、明けの明星がのぼるのを見る
エウゲニス・フィラレテスの宝捜しメモの続き。
『「地震が去ると次いで火事が起こる。地上のがらくたをすべて燃やし尽した後、はじめて宝物が姿を現わす。
しかしまだ貴兄には見えないだろう。
これら一連の現象の後、明け方近く、大いなる静けさがやってくる。貴兄は明けの明星がのぼるのを見よう。』
(象徴哲学大系 4 錬金術 マンリー・P・ホール/著 人文書院P68-69から引用)
『地震の次に火事が起こり、地上のがらくたをすべて燃やし尽くす』というのは、あらゆるこの世的なものに別れを告げるということ。
風、土、火というエレメントを問題にするならば、次は水だろうと予想する。
そこで初めて宝物が姿を現す。
『明け方近く、大いなる静けさがやってくる。貴兄は明けの明星がのぼるのを見よう。』
この光景は釈迦も、空海も、クリシュナムルティもそうだった。中心太陽に突入するのではなく、明けの明星を望見するのだ。
これは、書きぶりは見神だが、単なる見神とは評価できず、個から全なる第六身体へと進んだと見るのだろう。