◎決意が本物かどうか
(2011-08-21)
日本サッカー協会には、なでしこビジョンというのがある。
ひたむき 芯が強い 明るい 礼儀正しい
だそうです。如何にも体育会系のスローガンで、これだけでは何かを実現するには不足かもしれない。それを補うものが「なでしこ力」である。全員が一つになることで最大の力を発揮するのだ。
佐々木監督の著書から。
『選手が成長するかどうかは、技術や知識だけではなく、「決意が本物かどうか」で決まるものだと、僕は思っている。だからこそ、僕は就任当初から選手たちと一緒に目標を共有してきたし、その目標を達成し得るプロセスを導きだし、選手の長所を活かす組織を構築して、なでしこたちと一緒に戦ってきた。
今、選手たちは、本気で世界一を目指すという決意に満ちている。その決意があるからこそ、彼女たちはさらに自分を高め、仲間を信じることを諦めない。
僕も決して諦めない。』
(なでしこ力/佐々木則夫/講談社P219-220から引用)
この本は、今般のワールドカップで優勝する前に書かれたものだが、目標を実現するためには「決意が本物かどうかで決まる」とは願望実現の観想法の要諦を踏まえたものであって、試合後インタビューを聞いてみると、出場メンバーの一人一人にそれが徹底していて、中には優勝時の予知夢までみていたメンバーもいたので、いかにそのやりかたが徹底していたかに驚かされる。
そして、この本から受ける佐々木則夫監督の生真面目さは、男子代表キャプテンの長谷部誠選手の「心を整える」冥想習慣から出てくる匂いととてもよく似ている。
またこの本に書かれてある字面だけではない何かを持っていないと、延長PK戦前の選手・スタッフの輪の中で笑うことなどできるものではなく、ワールドカップ優勝という大事は成し遂げられるものではない。その笑顔は,なでしこ力とは全く異質のところから来ている。
ともあれ、なでしこのユニフォームの胸に輝くワールド・カップをあしらったFIFAチャンピオン・エンブレムはこれから4年輝くことになった。