◎思いの純粋さが奇跡を呼ぶ
(2011-07-23)
東北関東大震災は人に日常意識の裂け目を見せつけたが、なでしこJAPANの予想外の栄光は、ポジティブな意味で人の最深層の願望は実現するという現実を見せつけた。これは毎日毎時、欧米流、韓流によって日本文化破壊に向けた洗脳を繰り返されている疲弊した日本人に、いにしえの大和魂を、なつかしく思い起こさせる機縁となった。
スピードとフィジカルで大きな差がある日本がどうして勝てたのか?
バルサばりの相手の逆をとってはショート・パスの連続での攻撃と、複数で囲い込んでボールを奪取するディフェンス、決勝のアメリカ戦での宮間選手のゴール前への詰めからの同点ゴール、そしてセットプレーからの澤選手のミラクル・ヒールキック、目に見えるプレーばかりが注目されるが、そのプレーのよってきたる根源は、あきらめない心、低所得からのハングリーさだけだと見れば見誤る。
アメリカのゴールキーパーSolo選手のコメント「I truly believe that something bigger was pulling for this team.何か大きなものがなでしこJAPANを引っ張っていた」。
なでしこの選手生活の環境は恵まれているとはいえない。プレイヤーとしてだけの生活では、食べられなかったり食べていくので精一杯なのだ。
正確無比のファンタジスタ宮間選手のコメント「自分たちはプレーで結果を出すしかない。」
大会得点王にしてMVPの澤選手のコメント「今後、女の子がサッカーをやれる環境がもっと整い、また、サッカーをやりたいと思う女の子たちが増えてくれればいいなと思います。」
これがなでしこの置かれたシュチュエイションとモチベイション。
そして夢に前兆を知る。
澤選手のコメント、「決勝戦の前日には金色のテープが舞い降りてくる夢を見た。」
更に澤選手の完璧な観想法によるビジョンの現実化。
澤選手のコメント「今日の決勝戦は優勝するシーンしか想像できなかった。日本が青のユニホーム、青のパンツ、青のソックスで戦って、表彰台の上でトロフィーを掲げるシーンまで鮮明に想像できていたし、ユニホームの色も含め、本当にそうなりましたね。」
悟っている、悟っていないは確かに問題だが、ワールドカップ獲得のために、モチベーションも正当で揺るぎないものであって、かつここまで正確な手順を踏まれては、神もなでしこの願いを認めるしかなかったのではないか。
こうして、何か大きなものがなでしこJAPANを引き寄せた。召命とは、神がその人を召すこと、神に指名され引き寄せられることだが、第三者から見れば、何か大きなものが人を引き寄せたと見える。
それにしても澤選手は、一途、あきらめない、努力だけではなく、「それ=不可能と見えることを実現する術」を知っている老熟の太古の神の顕現みたいな感じを受ける。
なぜだか試合中の澤選手を見ると、わが菩提寺にある脱衣婆(三途の川の渡し賃である六文銭を持たずにやってきた亡者の衣服を剥ぎ取る老婆)にそっくりだと思ってしまうのだ。