ガイヤの夜明けという番組をよく観ている。
先週は就職活動に苦戦する若者達がテーマだった。
就職氷河期と言われて久しいけれど、今年は史上最悪で、50%もの若者がまだ内定をもらえないでいるそうだ。
その中の一人、早稲田の学生さんが紹介されていた。
彼は、来年3月の卒業を9月に延ばして、新たに就職活動をしようと考えているのだが、母親に言い出せないでいた。
いよいよ彼がそれを切り出したその時を、カメラは追っていく。
夕食の団欒が緊張の場に変わる。
母は当然ながらショックだったに違いない。
感情を抑えながら息子に言う。
問題を先延ばしにしたいだけなんじゃない?卒業を遅らせたら解決することなの?もっと大変になるんじゃない?
いちいちもっともで、息子は返す言葉が無い。
とはいえ、息子の気持ちは決まっていた。
翌日、学校へ向かう息子に、「やはり卒業を延ばしますか?」と記者が問いかけると、彼は「はい、そうします」ときっぱり答えて去った。
それを観ながら、この長く続く就職難はほんとうに罪だと思う。
お母さんの声と表情に表れている、努力が足りないんじゃないか、逃げてどうする、ふがいない、などという怒りが、とてもよく理解できる。
でも、ないものはしかたがないじゃないかという息子さんのやりきれない気持ちもよくわかる。
15年ほど前、我が家も大学4年の娘を抱えて同じような状況にいた
就職氷河期と言われ始めて2年目くらいだったと思うけれど、そのころは男子はまだましで、被害は女子学生に集中していた。
女子の就職は大変だと、巷では言われていたのに、親も本人もどこかには決まるだろうと安易に考えていた。
ところが、実際のところは、まさにその通り、そもそも求人がないのだ。
そのうえ、 男女雇用均等法のせいかどうかは知らないけれど、企業が”男子のみ募集”ということを明記しないものだから、面接にいってみたら、実は女子の採用予定はありませんと、その場で返されることも相次いだ。
でも、その場で返した企業はまだ正直で良いほうかもしれない。
中には採用する気もないのに面接まで引っ張り、ふざけた質問で時間を埋めてお茶を濁した企業もあったという。
道外の就職を希望していればまだ良かったのかもしれないけれど、娘を手放したくなかった私は地元を希望し、お友達と離れたくない娘も同意していた。
おっと、大変、でかけなければ!