珊瑚の時々お絵かき日記

夫と二人暮らし、コロナ自粛するうちに気がついたら中国ドラマのファンになっていました。

母の入院 8 施設を退去

2014年08月18日 | 母のこと

母の施設を退去した。

本人が入院や何かで住んでいなくても、3か月間は権利がある。

でも、当然利用料は支払わなければならない。

母は現在、病院で個室に入っているので、その分の支払いもある。

医療費、パジャマなどのリネン利用料、それに個室利用料で、7月の1週間で約5万円の支払いをした。

単純計算すると1か月で20万になる。

入院当初は検査などあって特に高額だろうから、これからはそこまでは行かないと思うけれど、

3か月とはいえ、帰らないことがわかっている施設への支払いはやはり痛い。

父は自営業だったから、母の年金は国民年金とわずかな厚生年金で月8万ほど。

足りない分は母の預金から支払うことになる。

あと数か月という診断が下されているといっても、生命力は不思議だ。

最近の母は、点滴効果かも知れないけれど、それなりに安定している。

一度失敗した胸からの点滴も昨日行ったら、できていた。

何となくだけれど、思ったより生きられるんじゃないかという気がする。

そうなれば、個室を維持する費用のことも考えておかなければならない。

大部屋へ移るという手もあるけれど、母は嫌だと言った。

わかって言っているかどうかはわからないけれど、

おむつ交換など考えると、母はほんとうに嫌だろうと思う。

実際は他の患者さんたちもみんな同じような状態なのだけれど、

それならいいわ、というわけにはいかないだろう。

やはり個室は維持してあげたい。

そのために、少しでも無駄な出費は抑えたい。

 

 施設へは電話で申し出をして、数日後荷物を引き取りに行った。

引き取りと言っても、実際は処分だった。

我が家には、引っ越しする度に預かった母の荷物がたくさんある。

自ら断捨離しなければならない私たちに、これ以上母の荷物を保管できない。

仏壇とテレビと小さなタンスは弟が引き取り、新しいタオル類などは私が持ちかえった。

けれど、山ほどの衣類は殆ど処分するしかなかった。

LかLLサイズで、痩せてしまった母にはもう大きすぎる。

施設で一番仲良しだったお友達に声をかけると、かなりの衣類や靴をもらってくださった。

まだ生きているのに、形見分けのようなことをしていいのだろうかと、胸が痛んだが、

処分するよりは母も喜ぶだろうと、勝手に思う。

奇跡が起きて母が回復したら、新しいのを買ってあげよう。

「母さん、今までの服はみんな大きすぎるよ。これからはMサイズだね」

って言って買ってあげる。

そう思って自分を納得させた。

夫と弟が一緒で良かった、男だからだろうか、せっせとことを運ぶので、

私も感傷に浸る暇がなかった。

私だけなら、いちいち手が止まっただろう。

でも、空になった部屋を振り返った時、これで母はすべて身の回り品を無くしたと思った。

まるで、母が生きてきた時間まで消えてしまったような気がする。

やはり、早すぎたのではないかと、後悔が押し寄せる。

せめて、一度すべて我が家へ運ぶべきではなかったかしら。

でも、たとえいくらか元気になったとしても、退院はあり得ない。

これからは必要ないものなのだ。

ここで処分しておかなければ、いつまでもできないだろう。

きっと、これで良かったのだ。

 そう、良かったのだ。