今日はお盆の中日だ。
きっと、たいがいのお宅は今日お墓参りに行くのだろう。
我が家では、母が迎え盆と送り盆だと言って13日と16日に行きたがるので、15日はお墓に行かない。
父の命日が9月3日なので、すぐにまた行かなければならないのだから、お盆は一回のお参りで済ませたいというのが私の本音だ。
でも、普段面倒なことを言う母ではないから、こればかりは仕方がない。
というわけで、今日はのんびり家で溜まったドラマの録画など観ている。
そうやってごろごろしていると、何かスピーカーで呼びかける声が遠くから聞こえてきた。
だんだん近づいてくるのだろう、やがて言葉もはっきりとわかるようになってきた。
それは、消防署の火災報知機を設置するようにという、落ち着いた男性の声での呼びかけだった。
それに合わせて、ご近所の犬達の遠吠えが始まる。
以前は、お向かいの家続けて2軒で犬を飼っていた。
当時ブームになっていたハスキーと、秋田犬か何かの雑種だ。
どちらかが遠吠えを始めると、片方も負けじと声を張り上げ、喉を競っていた。
うるさいな~と思っていたけれど、やがてどちらも天寿を全うした。
今は天国で張り合っていることだろう。
すぐそばの犬たちがいなくなって、遠吠えもうるさいというほど近くでは聞こえなくなった。
遠くから聞こえてくる遠吠えは、なかなか風情があって、悪くない。
特に、夜は、声音に悲哀が滲んでいるようで、何か目に涙すらためて暗い空に向かって吼えているような気がする。
それにしても、犬はなぜ遠吠えするのかしら?
仲間の呼び声と勘違いして答えるために遠吠えしているという説があるけれど、それは違う、と思う。
消防車や救急車、パトカーのサイレンならともかく、消防署のスピーカーで遠吠えって、どういうことなの?
勘違いするような音じゃないでしょう、人間の声なんだから。
要するに、
「何でもいいのね、あなたたち」
と、言いたくなってしまう。
そうだ、きっと、何でもいいのだ。
大きな音が聞こえたら、負けじと大声を出さずにいられないのだ。
そういえば、我が家の息子が幼い頃、お向かいの2頭の犬の遠吠えが始まると、わおーわおーと、一緒に吼えていたっけ
うむ、野生の衝動なのね、きっと
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